第173話 高校三年生になれば、廊下に立たされることもあるらしい? (7)
沙紀の奴もこれまた可笑しいことを、と言うか?
コイツも切れている、と言うか?
自身の口を加奈に抑えられている俺が呆れ返ってしまうことを沙紀の奴は凝りもしなで平然と……。
そう沙紀の奴は俺の腕を、蘭ほどではないが。
あの大学性に弄ばれた柔らかい胸に当てつつ。
自身の方へと強引に引き寄せながら頬を膨らませ、俺へと不満を漏らしてくるから。
また頭に血が昇りだし、沸点しそうな俺は沙紀に。
『当たり前だ。誰が他人の物になったような女を。俺がいくら思春期で多感な時期の少年だろうとも抱けるかぁ! いい加減にしろ!』と罵声を放ってやろうとすれば。
「もう言ったんだ」
「うん、そう……。断られちゃったけれどね。あっ、ははは」と。
「私みたいなビッチやセフレのような女はいらないって酷いことを言われちゃった」と。
沙紀はここまで蘭へと告げると。
俺の腕に纏わりつき、強引に自身の方へと引く行為をやめて俯き始める。
そして沙紀はまた自身の両目を潤ませ、嗚咽を漏らし始めだすから。
俺はこの後テンプレ通りに二人から……。
そう蘭と加奈から。
「和也、それはちょっと酷くない?」
「和也最低……」と。
俺は罵られてしまったよ。
だから俺は素直に二人へと。
そう沙紀ではなく、蘭と加奈に。
「悪い」と謝罪をすれば。
「謝る人間が違う」
「そう、和也。私や大田さんではなく、新宮寺さんへと謝罪をしない」と。
俺は蘭と加奈の二人に叱られた。
俺が謝罪をする相手は蘭と加奈ではなく。
沙紀に謝罪をするようにと諫められた。
だから俺は二人に。
「う、うん」と歯切れの悪い返事をすると。
「沙紀悪かった」と。
俺は小さな子供みたいに、沙紀の方を見ないで加奈の方を見つつ、そっぽを向いたままの。
男らしくない謝罪をした。
だから「和也」と。
「和也、あんたはもう、子供みたいなんだから」と。
加奈と蘭から俺へとまたクレームが漏れる。
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