第449話 文武両道ならばこれでしょう? (21)
と、何故か? 大谷と中田の親衛隊のメンバー達まで、俺と幸に公衆の面前でキスしろと、自分達の両手を叩き音頭を取り始めだすから。
『えぇ、えええっ!』
『どうする?』と言った感じで、大谷と中田の両名は、お互いが顔を見合わせ、目と目で合図、思案を始めだす。
でも二人……。大谷と中田の親衛隊のメンバー達が、ジロリ! と、二人の事を冷ややかな目で睨む。
そう、この場の雰囲気、流れを察しろと言わんばかりの様子……。『お前等二人は、この和気藹々とした、春らしい流れを読む事ができないのか?』と無言で睨むから。
沙紀の件で俺の事が気に入らない二人も致し方がなく。
「キス……」
「キス……」と、大変に気だるげに自身の手を叩き始める。
だからあいつ等……。大谷と中田の親衛隊のメンバー達が再度ジロリだ。また二人の事を『お前等なぁ~、いい加減にしろよ!』と睨むので。
「キス!」
「キス!」と、大谷と中田は、「あっ、ははは」と、イケメンは歯が命──! 自身の白い歯をキラキラと輝かせながら、笑顔でスマイルをしつつ明るく、自身の両手を叩き始めるから。
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