第235話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (7)

「直人も頼むから。沙紀や加奈のリズムに乗るなよなぁ~」と。


 俺が呆れた声音で、直人へと不満を漏らせば。


 ヒュルルル、ヌゥ~と。


 誰かが俺の背後から忍び寄り。


 自身の身体──。


 超巨大なオ○パイを制服越しに密着させてきたと思えば。


 俺の首に腕を回し、自身のカモシカのような足を。


 俺の足へと絡めてきたと思えば。


 蘭の奴がいきなりだよ。


 それさ、手加減無しで力強く。


 蘭の奴はを俺にかけながら。


「和也~、沙紀が今言った前の彼女ってどう言うことよ?」と。


「もう、これ以上は増やさないって、確かうちに言ったわよね?」


 蘭が呻りながら俺に訊ねてくるから。


「俺もよくわからないんだって。あれから絵美からまた連絡ないから。あいつが何を考えているのか。俺にもわからないんだよ」と。


「蘭さま、お許しください」と、俺は嘆願をした。


 でも蘭の《《四の字固め》は。


 俺の身体にしっかりと入っているから痛くてしかたがないと思っていると。


 沙紀の奴がワン! ツゥ! と。


 俺の身体をパンチしてくるし。


 加奈の奴は、俺の尻をコンパスの針でチクチクと指すから。


 俺は痛くて仕方がない。


 だから俺は、「頼むから蘭、沙紀、加奈かんべんしてくれ」と情けない声音で嘆願をする。


 でも三人は「許さん!」と蘭が鼻息荒く告げると。


「蘭、許すな!」


「和也、成敗!」と。


 蘭に続き荒々しく告げるから。


「お前らいい加減にしろ。俺はマジで怒るぞ!」と告げた瞬間。


 俺は見たのだ。


 牧田の顔を……。


 そう、あいつは、自身の顔を真っ赤にさせながら憤怒!


 憎悪のある目で沙紀を睨みつつ。


 自身の奥歯を噛み締め、身体をワナワナと震わせいる姿を。


 俺は凝視した。


 だから沙紀の奴に災いが降りかからなければいいのだが? と思う。



 ◇◇◇

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