第183話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (8)
「なんだ? どうしたんだ?」、
何がしたいんだ、お前は? と言った感じで。
俺が怪訝な表情で蘭へと問えば。
「だから和也って、こんな感じで直ぐにムキになって怒るのか」、
「ふっ、ふふふっ」と。
蘭が俺を揶揄するように微笑むから。
「煩いな」と、俺が不満を漏らすと。
「まあ、沙紀の両親には知られない方が良いよね。特に沙紀のおじさんは。あの娘が小さい頃から本当に口煩かったからね」と。
蘭が俺へとケラケラ笑いながら告げてくるから。
「うん」と俺は頷いたのだ。
沙紀の奴が俺と付き合い始めた頃から。
『和也~、家の両親はね。私が幼い頃から本当に門限や異性とのお付き合いに関しては煩くてね。私、お付き合いをする男子はね。和也が初めてなのよ。知っていた?』と。
俺と沙紀の奴は中学校が違うから。
そんなことを俺に問われても困るなぁ、と。
俺は思いつつ、沙紀の奴がよく自身の頬を膨らませながら。
あいつの両親に対して不満を漏らしていたことを懐かしく、思い出せば。
俺って、自分では本当に沙紀の奴を大事にしたつもりなのになぁ、と、俺は思うと。
やはり、俺が沙紀のことを許せないのと。
あの大学性のことを未だに憎むのは。
そのためなのかも知れないと思う。
まあ、また俺自身、こんなくだらないことを思い出し。
ああ、と、脳裏で嘆いていると。
「特に沙紀のパパは異性関係には煩かったからね」と。
蘭が呟けば。
「あっ! それ! 俺もあいつから聞いたことがある。新宮寺の親父さんが凄く煩いから。新宮寺は和也と付き合うまでは、異性とのお付き合いをした経験がない」と。
「へぇ、そうなんだ。以外……」と。
加奈が言葉を漏らすと。
「うちの地元では、沙紀のおじさんは齢を重ねても。ヤンキー連中の間では近寄らない方が良いと有名だったしね。そのまま社会人になっても外に出ないで、結婚しても地元で暮らす人達もいるじゃない。そう言う人達が沙紀のおじさんは若い頃に暴走族しててタチが悪かったから。沙紀に告白などのチョッカイをかけるなと言われていたみたいだから。沙紀がいくら容姿端麗でも。うちらの先輩や同級生達も、沙紀へと告白できずに。皆高値の花で終わったね。沙紀の中学校時代はさ」と。
蘭がケラケラ笑いながら加奈へと説明をすれば。
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