第33話 あの日の夜! (1)
プル、プルプル!
プルプルプル! と音が。
それも俺のスマートフォンから。
『早く起きて出ろ! 出るんだ!』、
『誰かが、お前のことを呼んでいるぞ!』と。
自身のベッドで転寝をしていた俺のことを口煩く呼び、起こすから。
俺は「何だぁ~、煩いな~」と、自身のスマートフォンに向け憤怒! 怒りをあらわにしつつ眠りから覚め、起きた記憶がある。
そして、自身の身体を起こせば。
「えぇ~っと? 俺のスマホは何処に置いたけぇ?」
俺は目覚めたばかりだから、自身の目を擦りつつ、まだ回らない脳の思考を何とか戻そうとしつつ、自身のスマートフォンを探索するのだが、中々見つからない。
だから『チン!』とスマートフォンの着信音が切れたと思うよ?
だから俺は、「ああ、スマホが切れちゃった」と、苦笑いを浮かべつつ独り言を呟けば。
「うぅ~ん」と声を漏らしつつ背伸び。
でッ、その後はベッドの上に立ち上がり。
「マジで俺、スマホ何処に置いたのだっけ?」
俺は独り言を漏らしつつ悩む。
でも、先ほどブルブルとバイブ音で鳴った訳だから。この部屋の何処かにあるはずなのだ?
俺は、そんなことを考えながら辺りを見渡したと思う?
するとさ、直ぐに見つかる。
そう、発見できた俺のスマートフォンはね。どうやら俺のお尻、尻圧に押され、ベッドの中に埋もれたみたいだけれど。
何で先ほど鳴った時に、俺気がつかなかったのだろう?
普通はさ、自身の尻の下でブルブル震えていたら気がつくはずなのに。
気がつかなかった俺だけれど。
まあ、ようやく見つかった! だからよかった! ヨシ! ヨシ! と思えばね。
俺は自身のスマートフォンを握り締め、持ち上げれば。
ブル、ブルブル! と。
まあ、お約束って奴!
俺のスマートフォンにL〇NE経由から、電話がリンリン! と学〇天国するから。
俺は、自身のスマートフォンの画面を覗くとさぁ。
何処かの誰かさん?
そう、学園の帰り際に、俺の作業や足を止め、可笑しなこと? 俺と別れたい! 別れてくれないかな? 絶対に別れて今彼と仲良くするのだと言っていた癖に。
俺をアイツが捨てた瞬間に俺はモテ期──!
アイツが俺にくれなかった物──!
女の子の大事な物……。ファーストキスと言う奴をいきなり数名から頂いたのを見て──!
急に俺のことが欲しくなったのか?
今後のことを話そう! と言った沙紀! そして俺に怒声を吐かれ、馬鹿のようにメソメソ泣いていた、アホな沙紀からの電話……。
それとアイツ! 沙紀の奴は、俺のことを着信拒否にしていたはずなのだが?
アイツ、阿保だから、慌てて着信拒否を解除して電話をしてきたみたいだけれど。
プチ!
(何だぁ~?)
まあ、そんなアイツ! 懲りない、あの阿保へと俺はスマートフォン越しに電話を出れば。
「(和也、あのね?)」と。
沙紀の阿保が弱々しく演技をしながら声を返してきたから。
(うん)と俺が頷くと。
「(和也とのお付き合いを反対してきたのは、家のパパとママでね。そんなに受験勉強が身に入らないのならば。私に受験など辞めて、高校を卒業したら家の手伝い……。パパが自営でしている型枠の建築の事務仕事をママに変わって。沙紀、お前がしろと。家のパパが信じられないことを言ってきたの。それもね、毎日、私に怒りながら告げてくるのよ)」と。
沙紀は俺へと告げてきたから。
(ふぅ~ん)と俺が言葉を返せば。
「(でッ、家のママの方はね? 沙紀一度今の彼と別れて、お互いが大学受験の合格発表が出た後に再度付き合えば良いんじゃない? と、提案してくれたの。だから私和也とは一度別れて、お互い来年の春……。合格発表が終わったら。その後から付き合い、直さない? ねぇ、それでいいでしょう、和也? それまでは和也、他の娘達と遊んでていいから……。ねぇ、いい案でしょう、和也?)」と。
沙紀の奴は、あの日の夜! スマートフォンの向こう側から、俺の様子を窺いつつ、電話をしていたのだと思う?
この提案なら、まだあの阿保に未練がある俺が飲むと思ったのだろう、多分ね、あの、阿保は?
それにさ、俺アイツの両親に言ってやりたいけれど。
俺はあなた達の娘さんと、この二年間長電話! ダラダラL〇NEもしておりません!
僕は医学部を目指しているので、あなた達の娘さんとは、彼女の勉学の邪魔になるような長電話も、ダラダラL〇NE……。
そう、アイツが午前中に俺と別れる覚悟を決め。午後から俺のことが欲しくなり。
『どうしよう? 困ったなぁ?』と思った日の午前中に沙紀の阿保が、あの大学生の家庭教師と俺の目があろうともお構いなし! ひっきりなしに! 電話やL〇NEのブルブルバイブ音を鳴らすような事は一切しておりません! と告げたい衝動に駆られる。
もしも沙紀が長電話やダラダラL〇NEをしていたのならば俺ではなく、大田や井上、澤田……。
それか? アイツの今彼じゃないのかな? と言いたいけれど。
今さら言ってもしょうがない。
どうせ俺は沙紀の両親やアイツの中では悪者なのだろうから。
まあ、どうでもいいやと俺は、あの日の夜、沙紀と電話の最中に思った。
だから俺は、あの阿保へと。
(お前なぁ~? 俺といつ長電話やダラダラとL〇NEの交換をおこなったんだよ?)と、先ずは告げ。
(俺さ、お前と、そんな記憶がないのだけれど。新宮寺、お前さぁ~? そんなに昔から俺と誰かを二股かけていた訳?)と。
俺が沙紀に淡々と告げれば。
アイツの口から「(えっ!)」と驚嘆が漏れ。
「(私そんなことしていないよ。和也、一筋だったから)」と、沙紀の奴は慌てふためいて様子で、スマートフォンの向こうから、俺に言い訳をしてきたよ。
「(私も何だか、よくわからないけれど。家のパパとママが何かしら勘違いをしていて。だから私がこれから家のパパとママの誤解を解いていくから春まで待っていてよ。和也……。それまでに、自身の身の回りの方もちゃんとするから。それまで期間をちょうだい。和也、お願いだから……)」と。
あの時のアイツは、自業自得……。最後には俺への言い訳の最中に、自分には、俺以外にちゃんとした彼氏がいますと自供した。
その男と別れるのに期間をくれと阿保みたいなこと……。ふざけていると言うか?
俺のことを舐めていることを言ってきたのだ。あの日の沙紀はね。
だから俺は深呼吸をした──自身の怒りを溜め込むために。
「すぅ~、はぁ~」と、大きく深呼吸をして、終われば。
(沙紀ー! お前ぇ、えええっ! 大概にしろよぉおおおっ! 何が、男と春までには別れるから待ってくれだってぇえええっ!)と。
(沙紀ー! お前は頭が可笑しいー! 切れているのかぁあああっ!)と怒声あげ。
(俺はなぁ、他人の使い古し。俺以外の男とキスやS〇Xをしたような女はいらねぇえええっ!」、
(それに沙紀~! お前はぁあああっ! 俺と付き合っている最中はキスの経験もSEXの経験もなかったのだぞ! それを~! 俺がくれと言った時にはくれなかった癖に~! 今の大学生の家庭教師にはぁ~! あっさりとやりやあがってぁ~! 俺はお前のことを絶対に許さねえぇ、えええっ!」と呻り、吠え。
(だから俺に二度と電話もしてくるなぁあああっ! L〇NEでのメールも二度としてくるなぁあああっ! そして学校でも二度と話かけてくるなぁあああっ! わかったなぁあああっ! 沙紀ー!)と。
俺はあの時アイツに絶縁状を叩きつけてやった。
「(えっ! 私、健ちゃんとそんなことはしていないよ。本当だよ。和也……)」
するとあの阿保、馬鹿な沙紀は、俺と二股をかけていた彼氏の名前をちゃん付けで呼んで、うそまでつきやがった。
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