第126話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (24)

「……俺、新宮寺に頼んでみようかな?」と嬉しそうな声が上がると。


「……ん? 何を?」と首を傾げる。当たり前の台詞が俺の耳へと聞こえてくる。


 だから俺もその言葉を聞き、『……?』と思う、と言う事はないよ。


 こんな耳にするだけで不機嫌極まりない様子へと安易に変化してしまういやらしい会話を俺はもう既に、年上のあいつの時に経験をして済ませているから。


 ここで沙紀の噂話しをしているあいつらが、この後どんな会話を始め、進めるのは、俺自身も創造もつくし。馴れてもいるけれど。


 それでもやはり俺は、自身の元カノ達の事を中傷、嘲笑い。侮るような噂話や陰口は聞きたくはないよ。


 俺は、俺なりにアイツ、沙紀の事を大事にしていたつもり。


 そう、この度みたいに俺と別れた時にあいつが、学園内の男女問わず、中傷批判の対象者にならないようにプラトニックな恋愛を続け、大事にしてきたつもりだったけれど。


 沙紀の奴が俺との別れを自分から最悪のものへとしてしまった上に、チャラチャラした女癖の悪い大学生の元彼にあっさり口説かれ、安易に大事な物を捧げた上に、最後は自身の両親にばれ、鉄拳制裁……。


 あいつのこの学園一の麗しい顔に、大きな痣をつけて学園へと登校する羽目になるから。


 この学園内に沙紀に対しての男女問わずの嘲笑と中傷批判が、この春の大型連休明けから囁かれ始める。


 でっ、更に男子生徒達から沙紀はケラケラと嘲笑いされながら。あいつの事を低く、安く見るような中傷までも囁かれてしまう。


「S〇Xだよ! S〇X! 俺の童貞を新宮寺がもらってくれないか?」と言った言葉に。


「俺、新宮寺に頼んでみようか? 案外あっさりとオッケーをくれるかもしれないからな」と、沙紀を嘲笑う台詞があちらこちら漏れると。


「おお、良いな~。俺も頼んでみようか~?」と。


 そいつらのツレ達が次から次へと、沙紀に冗談交じりでS〇Xをさせて欲しいと頼んでみよう。アイツ……。大学生の男とお付き合いをしてにゃん、にゃん戯れていた沙紀だから安易に許可してくれるのではないか? と、安易な台詞が多々漏れ、俺の耳へと聞こえてくるよ。更にこんな舐めた言葉迄漏らす輩もいる。



(お願い)


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