第238話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (10)

「う~ん、どうしようかな? と言った感じでさぁ」と。


「山下、スケベそうだから付き合ったら直ぐに二人きりになって。やらしてくれと鼻息荒く言ってきては、迫ってきそうだから。うちはどうしようか? と、まだ考え中なんだよね」


 翔子がにへらと笑いつつ、一緒に帰宅の途についているメンバー達へと教えてくれた。


「でも、スケベなのは山下に限られたことではなく。男って皆スケベで変態じゃない?」


「うん、私もそう思う。和也無茶苦茶エッチだから」


 翔子の説明を聞き、蘭が男はみなオオカミなのでは? と訊ねれば。


 今まで無言で歩いていた加奈が、俺の方をチラリと見て、蘭の意見に同意。


 それも俺が大変にスケベだと説明をした。


「蘭と山本さん、山田って、そんなにスケベなの?」


 二人の話しを聴き、ニヤニヤと微笑みながら幸が問えば。


「和也はマジでスケベだよ。ねぇ、山本さん」


「うん、変態スケベ、和也は……」と。


 蘭の問いかけに対して、加奈が頷けば。


「山田って具体的に。どんな風にスケベなの?」


 今度は幸ではなく、翔子が二人へと訊ねると。


「う~ん、そうだね~」


 蘭が直ぐに考える人になれば。


「大田さん、別に和也のいやらしさと、変態ぶりを。言葉を選んで。他人に隠さなくても良い。素直に言えば良い」


 加奈が蘭へと恐ろしいことを告げると。


「えっ! 山田って。そんなに変態なの?」


 今度は翔子ではなく、幸が話しに食いつくから。


「お前らな、話しの方はいい加減にしろ」


 俺がプンプンと不満を漏らせば。


「別に良いじゃない山田。他人に聞かれたからと言って減るもんでもないし。ねぇ? 蘭に山本さん?」


 幸がニヤニヤと意味深に薄笑いをうかべつつ、俺に告げると。


「山田、大きな声で言うなと拗ねた顔をしているから。蘭、うちの耳へとヒソヒソと教えてくれる」


 翔子が蘭へとケラケラ笑いながら訊ねると。


「うん、翔子良いよ」


 蘭の奴は大変に嬉しそうな顔で、翔子へと了解と告げると。


 蘭は慌てて翔子の耳許へと。


 慌てて自身の唇を近づけ。


「ハブシュ、ハブシュ」と説明を始めるから。


「うん、うん」と翔子は頷き。


「マジでぇ~。蘭は、そんな、ことまでしているの? 嘘じゃろぅ~?」


 最後は広島弁がでるくらい驚愕を始めるから。




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