第85話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (16)
そう、この平和の祭典であるフラワーフェスティバルの花の塔で使用をされた花達の無料配布を今年も五月五日の子供の日に俺の横には誰もいないけれど。一人で寂しく今年ももらいにきてね。
(さぁ~て、どの花にするかな?)と俺は思いつつ。
花の塔から小さくて可愛い花のポットを二つ程選び、掌で握り持つと。
「よーし! 平和の花のポットも選んだし。さぁ~て、家に帰るとするか」と。
俺は独り言を呟くと停車している自転車へと向い。歩行を始めだす。
「あっ! 和也……」
俺が自身の自転車の許へと歩行を続けていると両耳に、何処か懐かしいく聞こえる声音がしたから。
俺は声のした方へと顔と身体の向きを変え、声の主を確認すると。
「さ、沙紀……」と、俺は自然と言葉を漏らしてしまう。
もうそれこそ? 俺自身が開いた口が塞がらないと言った状態へと陥り硬直してしまう。
まあ、そんな、こんな俺に沙紀の奴は、未だ父親に殴られた痣が消えない為か、ベースボールキャップを深々とかぶり、大きなマスクを装着した状態ではあるのだが。
元々彼の俺に対して久し振りにニコリ微笑みをくれながら。
「今年も和也もきたんだ。平和の花をもらいに」と告げてきた。
だから俺は自身の開いた口を締めながら「うん」と先ずは頷き。
「さ、沙紀が、じゃなくて……。新宮寺が二年前に教えてくれたげんかつぎが俺も癖になっていると言うか? 習慣になっているみたいだから。俺自身もついつい気になって……」
俺は沙紀へと動揺しながら言葉を詰まらせ説明をすれば。
「くすっ、ふっ、ふふふっ。そうなんだ。和也……」
沙紀の奴は何故だかわからないけれど俺の動揺をしている様子を見て優しく微笑みながら言葉を返してきた。
そんなあいつに対して俺はついついと更に口を開いてしまうのだよ。
さっさとこんなビッチ……。俺に嘘をつき騙して迄元彼の大学性とお付き合いをしてニャンニャンと戯れ、両親にばれて殴られたようなビッチ女等、見ているだけでね。俺の胸クソが悪くなる筈だから無視、放置をして、自転車に跨り帰宅の途につけばいいのにさ、ついついと……。
そう多分、俺自身が? 久し振りに沙紀の奴と会話ができた事が嬉しかったのかも知れないね?
まあ、そんな様子の俺だから更に自身の口を開いてね。
「どうせ独身男の俺だから家にいても受験勉強をしているだけだし。少しは気分転換にもなるだろうから。新宮寺が教えてくれた花のポットを今年ももらいにきたんだよ」と。
沙紀の奴へと告げればね。
(お願い)
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