第274話 俺って陶晴賢公? (4)

「お前等煩いな」


「ギャギャ喚くなって、お前等……」


「こいつのツレのツレだって言っているじゃろぅが、お前等……。なぁ、ヤマダ……」


 俺の肩に腕を回している奴が、妙に馴れ慣れしく、俺に絡んでくるから。


 こいつが、この中で一番強いのかな? と俺は思うとね。


「お前等、俺のツレのツレだって言っているけれど。誰だぁっ?」


 俺もそいつのことを横目で睨み、呻るように尋ねる。


「はぁ~。誰って、誰だって良いじゃろぅが山田……」


 俺が横目でそいつにガンをつければ。


 そいつも俺に苦笑を浮かべ、ガンをつければ。


 ドン! だ。


 ドン! と、俺の腹にワンパン入れてくる。


 だから俺の口から「うッ」と声が漏れ。


「わりゃぁっ! お前ぇっ! 何しょぅるんならぁ」と。


 俺が自身のお腹を押さえつつ、肩に回す男へと呻り、吠え返えせばね。


「わりゃぁっ! 一丁前に! 何呻りょぉるんならぁっ!」と。


 俺の耳に怒声が聞こえる。


 バシッ! と俺の股から強打音──!


 だから俺の口から「いッ」と声が漏れ姿勢が崩れると。


 俺の髪を二人内の一人が鷲掴み。


「わりゃぁっ! お前~。ちょっとこっち来いやぁっ~」


 俺の髪を引っ張り、強引に引き始めるから。


「ちょっと、貴方達……。和也に酷いことをしないでよ。おねがいだから」


 沙紀が今にも泣きそうな声音で。


 俺の髪を鷲掴みして引っ張る奴や。


 俺の肩にまだ調子気に腕を回す男──。


 そして俺の背を蹴る奴に。


 俺のことを解放してくれと嘆願を始めだすから。


「私、誰か呼んでくる」


「あっ! 私も……。未だ先生達いると思うし。他校の生徒が和也に絡んでくるから助けてくださいと言ってくる」


 幸と加奈が俺周りにいる他校の奴等へと告げ始める。


「お前等、これは、男同士のはなしじゃけぇ、女のお前等が出しゃばるなぁっ!」


 三人の中の一人がフェリー乗り場へと向かって歩き出した加奈と幸へと告げる。


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