第438話 文武両道ならばこれでしょう? (10)

 だから俺は、「はぁ~!」と「冗談だろう~?」と、翔子に驚愕しながら尋ねる。それもちゃんと大きな声でね。だから男子生徒達が翔子から俺へと視線を変え、熱い視線……。


『山田~』、


『和也~』、


『山田先輩どうするの?』と言った顔を。篠田率いる親衛隊のメンバー達も俺に注目するから。


「和也~? 翔子が、ああ言っているけれど。どうするの?」


 篠田の奴が親衛隊を代表して、俺へと尋ねてきた。


「バ、馬鹿……。篠田、俺は今、現役じゃない。ただの青瓢箪だぞ!」と告げ。


「受験勉強で運動不足の俺が、今更昔みたいに走れるわけないだろ?」、


「あっ、ははは」と。


 俺は自身の顔を引き攣らせ、強張らせつつ、作り笑いを浮かべ誤魔化して。


「それに俺が足が速かったの中坊までで、山中の奴は、今が現役……。その上、陸上部の主将だぞ」と。


 俺に期待を寄せ! 自身のオ〇パイを膨らませ! キラキラ、大好き、チュキ、チュキ、和也! 愛している! ラブ! LOVE! ハ~ト! と言った目! 潤んだ目をしている篠田と親衛隊のメンバー達……。


 ああ、加奈お前もか……。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る