第146話 高校三年生になれば元カノ様もモテ期のようです(15)

 そう、先程皆も冒頭シーンで見ただろう?


 俺がお昼の大休憩時間のランチを終え。


 教室へと戻れば沙紀の様子が。


 そう、他のクラスの男子から廊下で告白を受けている様子……。


 それを俺がチラとも見れば沙紀の奴は。


『フン! どう和也?』と鼻息荒く。


 俺の事をアイツは上から目線……。


 そう冷ややかな目で見詰めながら。


『あなたが私の好意を拒否してフルからこの通りよ……。私は毎日、毎休憩ごとにモテて、モテて仕方がない立場になることができたの。だから和也、あなたは。私のことでもう一度後悔をして泣きなさい。ほっ、はははっ』と。


 沙紀の奴は自身の口へと。


 アイツの華奢な手を当てながら。


 悪女のお嬢様笑い。


 それもアニメやマンガのワンシーンのように高笑いを浮かべ。


 俺を見下し、侮るように見詰めてくるのだよと。


 アイツが以前のようにしてくれればいいのだけれど。


 俺と目が合うとアイツ、沙紀の奴は直ぐに。


 自身の顔色を変え、目を逸らし俯き。


 目の前にいる男子へと。


「ご、ごめんね。私好きなひとがいるから本当にごめんなさい……。だから貴方の好意を受けることができません」と。


 沙紀の奴は動揺を隠せない顔と口調で。


 自身へと愛の告白を告げてきた男子へと。


 自身の気持ちを告げ、謝罪をすれば。


〈タッ、タタタ……〉だよ。


 教室へと入り。


 自身の机へと向かう俺の背を追いかけ。


 沙紀の奴は。


「し、新宮寺さん、ちっと待ってぇー! 未だ俺の話しがー!」と。


 自身の事を呼び止める男子の声を振り切り。


 俺の背を慌てて追いかけてくる。


「和也~! ちょっと待ってぇ~!」と。


 俺の名を呼び、叫びながら。


 アイツ、沙紀の奴は教室内へと入ってくるから。


 俺を含めたクラスの者達皆が一斉に驚愕し。


 アイツ、沙紀の奴へと注目………。


 まあ、したのは最初の一日だけで。


 今は皆が無視……。


『またか?』と言った。


 家のクラスの日常茶飯事に起きる出来事の一つとして。


 クラスの皆も素知らぬ振りをしながら。


 自分達の好きなことや。


 自身の周りの奴等と世間話をしているけれど。


 沙紀の奴に名指しで叫ばれた俺は無視することもできないから。


「……ん? 沙紀どうした? 何の用だ?」と。


 俺は振り返りながら沙紀へと告げ、訊ねると。



(お願い)


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