第250話
「魔物の肉ってこんなに上手いんだな。ダチョウ肉っぽい味だけど。クセがダチョウ肉よりなくて食べやすい」
現在は午前中の授業が終わり昼休み。
朝、情報量としてブルーネックのひき肉で作った1口メンチカツをあげる約束を勝彦としたので一緒に昼ごはんを食べている。
そう言う約束が無くても大体一緒に食べるんだけどね。
「ブルーネックは朝霧高原ダンジョンに出現する魔物で兎に角遠距離攻撃を回避する事に特化した魔物だよ。かと言って接近したら転移で何処かに逃げちゃうんだけどね」
ブルーネックを倒すのに1番楽なのは隠密系のスキルを使って気づかれないように接近、一撃で倒すってのが1番だろうな。
肉をドロップしやすいって言う特性が有るから上手く倒せればそれなりの稼ぎになりそう。
魔物の肉は料理系スキルで魔力抜きをしないと食べられないから自分で食べるには近くに料理系スキル持ちがいないとダメだけど。
そう言えば、肉以外は魔力抜き必要ないんだよね……
ダンジョンでは魔物の肉以外にも果実等食べれるものが採集できたりするけど、それは魔力抜きする必要無いんだよね。
魔物の魔力が人に対して有害って事なのかな?
まぁ、そう言うものと思っておけば良いか。
「これを食べた後だと利益とか関係なくダンジョン産の食材を集める目的でダンジョンに入るのも良いなって考えちゃうな」
「基本、美味しければ美味しいほど入手が大変でだから、それだけ強くならなきゃ行けないし。ダンジョン産の食材を不自由なくゲット出来るぐらいになったら、自然とお金を手に入るようになっていると思うよ」
1部お得な食材もあるけど。それはそれで、冒険者同士の取り合いになるだろうし。
昼ごはんを食べてダンジョンについて話している間に想像以上に時間が経過していたようで午後の授業の開始まであと十分と言う時間になっていた。
午後最初の授業は体育なので、急いで体育着に着替えないと。
体育着の入った袋を持って更衣室に急いだ。
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「お忙しいところ態々お時間を用意していただき有難うございます土御門総理それに河村さんも」
今日の授業が終わり、転移を使って一直線でSCSFの本部に移動する。
魔石発電炉の話をするなら関わりも出来たんだし土御門総理にも直接話した方が良いかもと思って河村さんに相談してみたら、既に決まっていた要件をキャンセルしてまで時間を用意して態々、SCSFの本部まで自ら来てくれた。
魔石発電炉の話は、それだけ重要な話って事だろう。
「最近、原子力発電をそのまま使うのは危ないんじゃないかと言う声が大きくなっていてね。それこそ来週の国会の議題に上げられることになった程に。そのタイミングで代わりになるかも知れない新しい発電方法の話となれば、聞かない訳には行かない。発電に必要な燃料を日本国内で確保出来ると言うのも魅力的だしね」
原子力発電所が周囲が放射線で汚染される事になる訳だから、そう言う話になるのは当然だろうな。
スキルのせいで一般人でも銃火器以上の戦力を持っていても可笑しくない時代になってしまったからな。
原子力発電所が破壊される可能性が一気に高まってしまっている。
当然、防衛戦力は配備されているだろうけど、それでも絶対とは言えない。
そうなると当然、原子力発電反対という声が今まで以上に大きくなって来るだろう。
かと言って、日本は直ぐに原子力発電を中止しますと言うのは無理な話だ。
原子力発電でまかなっていた電力を他の発電方法で発電する必要がある。
原子力発電所の解体、新たな発電所の建設。
そんなすぐにできるものじゃない。
どの発電方法を採用するかで揉めるだろうし。
そんな中で、自国で燃料を確保出来る新たな発電方法というのは凄く関心を持たれる内容だろう。
言い方は悪いいけど。今後、発電に必要な燃料を日本に輸出している国が滅びないと言う保証はないからな。
専用用語等分からないながらに読んでみたら、魔石発電炉は地球上に生きる全ての生き物に対して有害な物質を一切出さないクリーンな発電みたいだし。
その点もポイントが高い。
排出されるのは魔石から抽出され電力に変換できなかった魔力のみ。
紙束には書かれてないけど。排出された魔力は地球がリソースとして回収するからなんの問題もない。
と言ってもそのことを説明する訳には行かないので、魔力を排出し続けると、地上で魔物が湧くようになるんじゃないかとか考える人が出てくるだろうから、その対策は考えた方が良いかもね。
別に魔力が有るだけじゃ魔物が出現したりする事はないんだけどね。
実際に魔物を出現させるには魔力じゃなくて
魔力を変換したダンジョンや神がリソースと呼ぶ別のエネルギーが必要だからな。
その説明と証明が難しいわけだけど……
それに関しては総理大臣を筆頭に政治家さんたちに丸投げしよう。
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読んでいただきありがとうございます。
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