第464話

「流石SCSFですね。それと俺じゃ無くてもCA国の勇者ならいけると思いますよ。まぁ、BP10,000越えの魔物と連戦できるかは分からないから無理かもしれないですけど」


〈勇者〉スキルが有れば相手が魔物ならBP10,000超えていても互角以上に戦う事も可能だろう。

圧倒する事は難しいと思うけど。


「……やっぱり映司君は例の勇者について詳しいんだね?」


「いやいや。〈勇者〉と言うスキルについての知識が有るだけで、スキルを保持している人物については知りませんよ。それに土御門総理も〈勇者〉スキルの詳細は知っていると思いますよ」


リーリンさんとか楓さんとか聞けば色々教えてくれる存在が沢山いるからね。

土御門総理に関してはケツァルコアトルがいるからな。


「……勇者に関しての情報はCA国が全力で隠蔽、秘匿してしているはずなんだけどね?勇者に攻略を頼むのは政治的に避けたいし。そもそもの話即席迷宮は出現から24時間で消滅するから。勇者を呼んだとして間に合わないでしょ?」


俺が迎えに行けばそんな事ないと思うけど…

まぁ、面倒臭いし。何となく言ってみただけだ。

わざわざ勇者を呼んで勇者に攻略させる理由がないからな。

それをするぐらいだったら自分で攻略する。


「分かりました。その即席迷宮は俺が攻略します。ただ一つ条件が有ります。その即席迷宮攻略にはソフィアも連れて行きます。それが許可されないなら即席迷宮の攻略は断ります」


即席迷宮は攻略せずともスタンピードが発生する訳じゃないし。時間になったら勝手に消滅するんだから。

放置でも問題ないからな。


政治面を考えるとBP10,000を超える魔物が通常湧きするような即席迷宮を攻略できる戦力が日本には有りますって世界に発信できるのはプラスになるから日本人である俺が攻略すると言う行為自体に意味が有るのかも知れないけど。


「映司君はそう言うだろうと考えていたから予め許可は取って有るよ。但し、攻略している姿を録画して貰うと言う条件を守って貰う必要はあるけど」


「まぁ、そのぐらいなら良いですよ」


撮影班として古池さんも連れて行くか。

そうなるとナディアさんもついて来るだろうし……

ロスも声をかけないと後で拗ねるだろうし…


結構な大所帯になりそうだな。


「で、その即席迷宮はどこに出現したんですか?」


「静岡県の戸田港って場所なんだけど知ってる?」


「戸田港ですか?何回か釣りに行ったことが有りますよ。帰りは温泉に行くのもありですね〜」


記憶が確かなら周囲に温泉があった気がする。

西伊豆だし間違っていない筈だ。


「……油断して大怪我とかやめてよ?」


「攻略中は真面目にやるから安心してください」


厄介な特殊能力持ちがいる可能性だってあるし。

それはそうと西伊豆方面に行くなら温泉入ったりとか観光したいよねと言うだけだ。


確か動物園とか水族館も有るよね。

明日からは普通に学校だし、動物園とか水族館に行く時間は無いか。


兎に角、即席迷宮に行くなら早い方がいい。

今日中には家に帰ってきたいし。


河村さんとの電話を切り上げて、電話中に連れていこうと考えたメンバーに声をかける。


「これで後は声をかけたメンバーが集まって来るのを待つだけか……のんびりお茶でもしながら待つか」


「私は着替えて来るわね」


俺は自分の魔力で作った服を着ているので、わざわざ防具に着替える事は無いけど。

ソフィアは、そう言う能力を持っていないのでベアトリーチェに今用意出来る最高峰の素材を使って作って貰った防具に着替えるために部屋に戻って行った。


防具と言っても見た目はコスプレ衣装なんだけど性能は半端ない。

ベアトリーチェも今まで作って来たものの中で間違いなく最高傑作って言っていたし。


「映司様お待たせいたしました」


「まだ古池さんたちも来てないし問題ないよ」


一人リビングでのんびりお茶を飲んでいると。

今回声をかけたメンバーの一人ロスがリビングに到着した。


「あの子たちの面倒を見るのもやり甲斐があって良いのですが、たまには思いっきり体を動かしたいと思っていたので、私にも出番を頂けると嬉しいです」


「大丈夫だよ今回ソフィアとロスにメインで戦って貰うつもりだし」


じゃなきゃロスに声をかけたりしない。


「それは楽しみです。この体になってから出来る様になったけど。試す機会がなかったあの能力も使う機会が有りそうですね」


こうなるのは想定内だけど。張り切ってるなロス。やりすぎなければ良いけど……


まぁ、その時はその時だ。

即席迷宮が攻略出来ればそれで良いや。


「あら。ロスはもう来ててたのね。ワイバーンの赤ちゃんたちは大丈夫なの?」


「はいソフィア様。ご安心ください。あの子たちの事は佐原様と大瀬崎様にお願いしてありますので」


「そう。なら安心ね」


リビングに戻ってきたソフィアは巫女服を着ている。


巫女服を着たエルフ……大変素晴らしいと思います。


ただ、防御力が高い防具でいいのなら巫女服である必要は無いんだけど。

防御力だけでは無く。契約している精霊の力を増幅させる等の効果を効率良く付与するには巫女服が丁度良いらしい。


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読んでいただき有難うございます。





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