第463話
(
魔導具やスキルでソフィアが作り用意したマンドラゴラ水について確認はしたけど。
マンドラゴラ水を取り扱った事がある人物にも確認しておくべきだ。と言うことでドロテアのお店に行ってマンドラゴラ水を見せて家に帰って来たところで、地球からの全人類に対する念話が飛んでくる。
(一般的には神の声とか世界の声とか呼び方をされている)
「即席迷宮……なんで態々そんなものを実装したんだ?」
ダンジョンの数を増やしたいなら今までと同じように増やせば良いんじゃないの?
「一日で消滅するって事は即席迷宮はスタンピードを起こさないって事じゃない?」
成程。確かに即席迷宮のスタンピード発生条件が今までのダンジョンと変わらないなら即席迷宮がスタンピードを起こす事は無いだろう。
……でも、地球のスタンス的にどうなのかってところだよな。
いやまぁ、俺との契約が有るから色々手を緩めてくれているし。
そこまで警戒する必要は無いか。
「ダンジョンの攻略報酬を無限に入手できるようにして、強者を1人でも多く生み出す。そう言うスタンスで導入したらしいぞ。
今回の即席迷宮は」
「成程。即席迷宮はダンジョンの初攻略報酬の入手機会を増やす事が目的のダンジョンなのか」
一階層しか存在しないから探索だって短時間でダンジョンマスターのところまで行けるだろう。それに即席迷宮は当然、新たに出現する度に未攻略なダンジョンな訳だし。
実質、人類は無限にダンジョンの初攻略報酬が貰えるようになる訳だ。
普通のダンジョンだって出現し続ければ、初攻略報酬は貰えるけど。
その場合ダンジョンの破壊が出来ないと、どこかのタイミングで魔物の魔引きが間に合わなくなって世界中でスタンピードが発生。
地球は地上に魔物が跋扈する惑星になってしまうだろう。
ダンジョンの破壊は俺なら簡単に出来るけど。
普通は極めて不可能に近いって雷太が言っていた気がする。
雷太が眷族になって直ぐにした話だったし。
ダンジョンを破壊するつもりがなかったからうっすらしか覚えてないけど……確かそうだったはず。
そうなると、世界中のダンジョンを俺が1人で破壊しなくちゃいけないことになる。
……そんなのめんど━━現実的じゃないので、自動で消滅してくれる即席迷宮と言う新たな仕組みは良いんじゃないかな?って俺は思う。
「初攻略報酬狙いの冒険者同士の争いとか起きそうだけど……それは仕方ないだろう。挑戦する人は普通のダンジョンより人に襲われる可能性が高いと分かったうえで挑戦してもらうしかない」
難易度はランダムらしいから、難易度が高い
即席迷宮が出現したら行ってみようかな。
俺が即席迷宮を攻略しちゃったら初攻略報酬の入手難易度を下げた意味なくなっちゃうしな。
初攻略報酬をオークションとかでばら撒くってのもアリかも知れないけど。
初攻略報酬を手にするまでの戦闘だって強くなる為に必要だと俺は思うからしない。
ただ強力な装備やアイテムをばら撒くだけなら、ダンジョンの初攻略報酬なんか態々手に入れる必要ないからな。
ドロテアやベアトリーチェと言った魔女たちやフェアリードワーフのカイゼル、俺が作る武器や防具、アイテム。
それらをばら撒くだけで十分。
けど、それは人類が強くなったのではなく。
武器防具アイテムが強力なだけだからな。
人類自体にも強くなって貰わないと。
強力な武器を使うにも相応の実力が必要になるし。
「それで、映司は即席迷宮に挑戦するつもりなの?」
「当分はパスかな。俺以外に攻略できないような即席迷宮が出現したら挑戦してみようとは思うけど」
「まぁ、ランダムってだけで交差点ダンジョンの闘技場でも強力だったり便利な物手に入るし。即席迷宮に行く理由あまりないものね」
「あっ河村さんから電話だ」
まぁ、こんな事になったら電話がかかって来るのは当然だろう。
「はいはい。河村さん即席迷宮の件ですよね?」
「話が早くて助かる。時間をかけたくないから結論から行くけど。出現した即席迷宮を攻略して欲しい」
「わざわざ俺が攻略する必要が?SCSF隊員だって優秀な人が揃ってるでしょう」
「……フィールドに普通に出現する魔物がBP10,000越えの即席迷宮だよ?無理無理。現状あの即席迷宮を攻略できるのは映司達しかいないよ」
よく、BP10,000の魔物が普通に出現するって言う情報を持ち帰れたな。
河村さんの声の調子的に、この情報を入手するにあたって死者は出ていなそうだし。
「その情報どうやって手に入れたんですか?」
「状況確認の為に隠密に長けた隊員に偵察してもらった結果だよ。生きた心地がしなかったと言っているけど。無傷で帰って来たんだから凄い隠密能力だよ」
風魔さんかな?残念猫と一緒なら万が一見つかっても逃げるぐらいなら余裕だし。
残念猫は従魔じゃないけど。
特殊なアイテムである首輪をつけてるから問題なくダンジョンに入れる筈だし。
何より風魔さんはリアル忍者だからな。
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