第465話

「なに私のことを拝んでるのよ!」


巫女服エルフ素晴らしすぎるとソフィアに向かって手を合わせて拝んでいたら両方の頬っぺたをつままれて引っ張られてしまった。


「拝むぐらい似合ってるって事だよ。それに本当の巫女さんが着ているような巫女服で露出が多い訳じゃないし恥ずかしがる必要なくない?」


「それはそれ。本職の巫女じゃないのに……って気持ちがあるのと。大部分は突然拝み始める映司の所為よ。そんな事されたら恥ずかしいに決まってるじゃない」


もしかしてソフィアさん。ベアトリーチェの

ところで俺を着せ替え人形にした時の自分の行動忘れていらっしゃる?


ぐへへとか言いながらヨダレ垂らし始めて最終的には鼻血出してぶっ倒れましたよね?


まぁ、あれはあれで可愛かったから別に良いんだけど。


この事を蒸し返したら確実に即席迷宮攻略どころじゃなくなるので口には出さない。

古池さんたちも来たみたいだし。

ピンポーンと玄関からチャイムの音が聞こえてくる。


因みに古池さんとナディアさんの2人は俺が所有している事になっていて家が建っている土地を買ってそこで2人で暮らしている。


ソフィアとクラリスさんに言われて周辺で買い取れる土地を複数買い取っているので、結構な広さの土地を持っているんだよね。


「唐突だったのに快く引き受けて頂き有難うございます」


「いえいえ、即席迷宮。自分たちも気になってましたから。ナディアも体を動かさないと腕が訛ってしまうと言ってましたからちょうど良かったです」


ナディアさんが戦うにはちょっと厳しいかなってレベルの強さだけど……

まぁタイマンでは、って話だし何とかなるか。


「映司殿、今日はよろしく頼む」


「基本は古池さんの護衛って事になると思いますけど。まぁ、戦闘する機会もあるでしょう。事前に伝えてあるから分かっていると思いますけど。ナディアさんからしたら格上の相手しか出てこないと思いますから。無茶はしないでくださいよ?」


一応釘を刺しておく。


「分かっている。だが今回は安全に格上と戦うことが出来る機会逃すのは勿体ない」


まぁ、俺がいるからナディアさんが危ないと思ったら助けることは可能。


そう言った状況で格上の相手と戦える機会は確かに貴重か……


ナディアさんレベルなら尚更ね。


「分かりました。……ただ、古池さんの説得はご自身でしてくださいね?」


ナディアさんも古池さんも俺の爪や牙をベアトリーチェが自作の魔導具を使って糸に加工して出来た布から作ったインナーや服を着ているので、ぶっちゃけ今から行く即席迷宮の魔物の攻撃をくらっても大したダメージを貰うことは無いだろう。

と言っても特殊な方法でダメージを与えてくる魔物がいるかも知れないし、インナーや服を着ていない場所を攻撃されてしまったら普通にダメージを受けてしまう。

古池さんからしたらナディアさんには戦闘して欲しくないと言う気持ちも有るだろう。


二人で来ている以上、既にある程度話し合ってお互いに妥協点を決めているんだとは思うけど。


それはともかく即席迷宮に挑戦する為に声をかけたメンバーはこれで全員揃った。

早速、即席迷宮に向かおう。


件の即席迷宮が出現した戸田港に向かい出発した。


龍の姿で飛んで向かったので短時間で目的地に到着する。


「SCSFの皆さん警備お疲れ様です」


戸田港の一角にSCSF隊員達に囲まれた天幕に向かいSCSF隊員に声をかける。


「お話は伺っております。即席迷宮の入口はこの天幕の中にあります。こちらへ」


入口を開けてくれたので中に入ると真っ黒な球体が宙に浮いている。


あの球体に触れると即席ダンジョンの中に入れるということだ。


「それじゃ早速」


そう言って躊躇無く黒い球体に触れると視界が真っ白に染まり浮遊感に襲われる。


浮遊感が無くなり視界が元に戻ると遠くの方に大きな砦が見える平原に建っていた。


「ダンジョンマスターがいるのは、あの砦って事で良いのかしら?」


ソフィアを先頭に他のメンバーも続々と即席迷宮の中に転移してくる。


「まぁ、そうなんじゃない?即席迷宮は一階層しか存在せず広さが小さめって話だし」


挑戦者を騙すブラフの可能性も有るけど。

あそこまで存在感のある建物を全く探索しないと言うのも勿体ない。

ああ言う建物ならダンジョンマスターがいなくとも宝箱が設置されたりしてるかもだし。


「それじゃ目的地はあの砦ね。飛んで一気に砦まで向かうの?」


「何か採集できるものがあるかも知れないし。最初の即席迷宮だから途中までは歩いて向かおう」


全ての距離を歩いて進むと数時間は一時間ぐらい歩いて進んで後は飛んで一気に砦まで行く、ぐらいの感じでいいだろう。


「ん?金属のぶつかる音?」


戦闘音ではなく金属鎧を着ている人が歩くと鳴る音だな。


現在この即席迷宮の中に入っているのは俺たちだけ。つまりこの音を鳴らしているのはこのダンジョンが生み出した魔物だ。


SCSFからは鎧を着ているような魔物がいたって話はされてないんだけどな。


まぁ、最初の一体に遭遇してコレはヤバいと即時撤退をしたんだから、報告になかった魔物がいるのも当然か。


音がしてくる方を警戒すると黄金の鎧に身を包んだゴブリンが姿を現した。





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読んで頂き有難う御座います。


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