第283話

ウィーを進化させてから数日。

A国で開催されるパワーアーマーの発表会に出席する為に空港に来てる。


「俺たちはさっさと飛行機に乗っちゃったけど政治家の人達は報道陣に囲まれて大変そうだね」


「政治家はあれも仕事のうちよ」


「それもそうか。それにしても、勝彦は何でそんなにソワソワしてるの?」


「飛行機初めてだし。今乗っているのが政府専用機だし。ソワソワしない方が可笑しくない?逆に映司は何でそんなにいつ通りなの?」


「慣れかな?」


E国にいる間は王室が所有する宮殿で寝泊まりしてたし。


「これから長い時間飛行機に乗ったままになるんだから、今からそんなだと疲れちゃうよ?」


日本からA国までだからね飛行機で飛んで行くとなると、結構時間がかかってしまう。


俺が自力で飛んで行って良いならあっという間何だけどね。

俺が好き勝手にあちこち飛び回っているとそれだけで、外国を無駄に刺激しちゃう事になるし、大人しく飛行機に乗って移動する。


と言ってもやることないな。

飛行機がA国に向かっている間は家にいて、飛行機がA国に近づいて来たってなったら飛行機の中に転移して来るんじゃダメかな。


……余計な事してないで大人しくしてた方がいいか。

無駄に文句言われたくないし。


暇になる事は分かりきっていたので、新しく契約しておいたタブレットをマジックバッグから取り出して、アニメでも視聴してのんびりするか。


予めアニメとかドラマの配信をしているアプリのプレミアム会員になって見たいアニメを保存してあるので、ずっと機内モードのままでも、アニメを見れる。


寝て時間を潰すのも有りかなって思ってたけど。飛行機が襲われた時にどうにかする要員でも有るので、長時間寝て過ごすってのはやめてくれって言われちゃったんだよね。


「ところで、楓さんは如何してここにいるんですか?」


いつ此処に来たのか全く分からないけど。

最初からいましたよ?と言う感じでいつの間にか席に座っているんだよな。


因みに俺たちがいるのは貴賓室の1つなのでいきなり楓さんが現れても騒ぎにはならない。



「パワーアーマーに興味を持った神が何柱がいて、どんな物なのか代わりに私が見に行く事になったので、同行させて貰おうかと」


んな無茶なって言いたいところだけど。神様からのお願いと言われちゃ文句言えないんだよな。


「安心して下さい、私が術を使って、私がいることに誰も疑問に思わないようにしますので」


あっはい。流石、神の使い狐様デスネ。

それはそれでバレた時に大変な事になるだろうけど……

バレる訳が無いか。


考えるだけ無駄だと割り切って、楓さんは最初からいたものとして扱うことにする。


勝彦のアワアワ度合いが上がってしまったけど、慣れて貰うしかない。

キャパオーバーして気絶しないだけマシだと思うけど。


「えっとこれはどう言った状況?」


飛行機が離陸して俺達のところに現れた河村さんが部屋を見回して固まる。


「稲荷狐達に何かお礼をって言って忘れていた事を思い出して今、お礼をしているところです」


エリックさんが来日した時に空港でのテロをどうにかする時に稲荷狐達が協力してくれてその時にお礼をするって言ったのに特に何もしていない事を今更になって思い出して、今全力でお礼をしているところだ。

ワイバーンの肉が大量に手に入っててラッキーだった。

美味しい肉も大好きということで稲荷狐達がワイバーンの生肉をガツガツ食べている。部屋中で。


部屋入ったら部屋中で何匹もの狐が生肉を

齧っていたら誰だってビックリする。

また、何匹かは俺の膝の上に乗ってタブレットを使いアニメを見ている。


客観的に見るとまじでカオスな状態だと思う。


「あぁ、そっかー。それじゃ仕方ないとして、ちょっとA国から提案があって、その提案に勝彦君が関わって来るから来たんだけど、話して大丈夫かな」


河村さんは稲荷狐達をスルーする方向に決めたようだ。


と言うか、そうなるように楓さんが何かしたんだろう。


「勝彦さえ良ければ、俺は構いませんよ」


「いやいや、俺は聞かないとか言える立場じゃないし。で、俺が関わるA国からの提案って何でしょう?」


「パワーアーマーのデモンストレーションとして勝彦くんの従魔と模擬戦を行うのはどうだろうか?と提案されてね」


「俺の従魔、サティと模擬戦ですか?」


「A国にしては随分弱気ですね?テッキリ俺を指名してくると思ってたのに」


「わかって言ってるでしょ?映司くん。

パワーアーマーの性能の高さを各国に見せつける為の発表会なのに、映司君と模擬戦なんてする訳ないでしょ」


「だからと言って、サティと善戦出来るかと言えば……そんなに性能高いんですかね?」


サティは一段階進化しているし、そこそこ強いよ。

まぁ、俺と戦うよりはいい勝負をするのは、その通りだと思うけど。


「サティもやる気見たいなんで、その話受けます」


サティとパワーアーマーの模擬戦かぁ。

今の状況でも負けないと思うけど。


人間側だけ装備品をつけてるってフェアじゃない気がするんだよね〜



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読んでいただきありがとうございます。


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