第284話
「って訳で、楓さん。サティの装備を作って下さい」
「別に構わないですけど。流れ的に映司様ご自身で作られる流れじゃ無かったですか?」
「確かにそうですけど。俺が作るとすると、出力の加減が上手く出来なくて、パワーアーマーの搭乗者ごと灰すら残さず燃やし尽くしちゃう火球を打ち出す装備とか作っちゃう気がするんですよね」
流石に絶炎を使って作る事は無いので、理外レベルの装備品が出来る事は無いけど。
過剰な威力を持った装備になっちゃうだろうし。
「あぁ、確かにそうですね。日本の神に使える身としては、日本が舐められると言う状況は好ましいと言えないですからね。喜んで協力させて頂きます」
「楓さん。やり過ぎないでくださいね?」
なんかこのままだと俺が作るんじゃなくて、わざわざ楓さんに頼んだ意味が無いレベルの装備品を作りそうなので一応釘を刺しておく。
「お任せ下さい、丁度良い感じの性能に調節するので。それで、装備をつける従魔は何処にいるんですか?」
そう言えば、サティをそのまま飛行機に乗せるのは難しそうだったからブランクカードを勝彦に上げたので、サティは現在カードの中にいる。
「今はカードの中にいるはずです。勝彦カード借りていい?」
「えっ、あっうん」
完全に話に置いてきぼりになっていた勝彦に話かけてサティが中に入っているカードを一旦借りる。
今のこの部屋で外に出すのは難しいけど、サティの絵を見れば、どんな従魔なのか判断できるだろう。
「成程。この子の装備品と言うことなら角につける装飾品が良いですかね」
確かに、装備品をつけるとしたら角かなぁって気がする。
「映司様、雷属性と相性の良い素材を持っていませんか?」
「それなら、雷太の鱗が……」
雷太は定期的に鱗が新しい物に生え変わる。
その時に剥がれ落ちた鱗は俺が全て貰っているので、コレなら雷属性との相性もバッチリだろう。
「上位竜の鱗ですか。確かにそれなら丁度良い感じの装備品が出来そうですね」
雷太の鱗を楓さんに渡すと鱗の形が変形していく。
最終的には雷太の鱗を土台にトパーズやシトリンと言った宝石をあしらった装飾品が完成した。
ヘアクリップのような装飾品で、角を挟む感じでつけるだけなので、装備させるのも簡単に出来る。
因みに、宝石は俺が用意したものじゃなくて勝彦とサティがガーゴイル狩りをして手に入れたものだ。
1つひとつは小粒だけど、複数使うことで嫌らしくならない程度にゴージャスな感じが出ている。
ゴージャス感が出るだけじゃなくて雷を使った攻撃の威力を上げる効果も有るらしい。
「それで、実際どんな感じの効果が有るんですか?」
「それは、見てからのお楽しみと言うやつです。安心してください。派手ですが強すぎない程度に調整してありますから」
効果を言葉で聞くより実際に見た方が理解できると思うし、効果はサティが装備して使用した時の楽しみにしておこう。
「問題はブランクカードとこの装備品の支払いをどうするか……」
「お金が絡むと今の法律上、色々と面倒臭い事になるから、それについては何か代わりを考えとくよ」
現状、ダンジョンで手に入った物を政府を仲介しないで販売するのは犯罪だからね。
まぁ、危険性の無いものなら許可制で販売できるようになる予定だけど。
装備品に関しては分類したら武器系だろうし。難しいだろうな。
なので、装備品の方に関しては勝彦がダンジョンで手に入れた見たいな感じにしておくのが良いだろう。
そもそも、勝彦の為とはいえ俺が勝彦をA国に行かない?って誘ったから、サティに装備品をって話になったんだし。装備品の方はオマケして上げても良いだろう。
ブランクカードも利息なしの分割払いでゆっくりお金を払って貰えば良いかな。
どっちもタダにすると勝彦が気にするだろうし。
ブランクカードの方はしっかりお金を払って貰おう。
「取り敢えず。私は色々と聞かなかった事にしておくけど。神の使い狐様から貰ったって事で良いんじゃないかな?」
河村さん的には若干グレーな話をしているので、話を聞かなかった事にすると言いつつ、アドバイスをしてくれる。
以前だったら、そんなこと言っても誰一人相手にしないだろうけど。
稲荷狐に関しては何度か人前に出て、活躍しているから、存在を疑う人は少ないか。
「実際に楓さんが作っている訳だしそれで良いか。じゃ、そう言うことで」
と言うことで支払いは伏見稲荷大社にお供え物をということで決着した。
河村さんはこれ以上ここにいると更に巻き込まれると思ったようで、要件は済んだし、これで失礼するよと言って、足早に部屋から出ていった。
今思ったんだけど。勝ったら勝ったで、勝彦の注目度が更に上がっちゃうよね。
まぁ、ここまで来たら逆にもっと目立った方が、勧誘行為が減るだろう。
俺がそうだし。
その後は特に何事も無く時間が過ぎていき、飛行機はA国の空港に着陸した。
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