第285話
「鑑定スキルを使われてるな」
「ほんとですね。敵対行為として処しますか?」
「楓さん流石に物騒過ぎるって……まぁ、A国への信用度を一段階下げる程度で良いじゃない?その代わり、そっちがそう言う事をするならこちらも自重はしないって事で、A国の極秘情報を丸裸にしてやるぐらいで良いでしょ」
「鑑定って便利だけど。こうやって覗かれてるって気づく人もいるから注意しなくちゃよね。気づける人って大抵化け物レベルの実力者だし」
「脅威度を図るために鑑定したんだろうけど。初手から龍と神の使い狐を怒らせるって、手の込んだ自殺だよな」
「はぁ、早くも胃薬が無くなりそうなんだけど……」
A国に到着して飛行機から降りると直ぐに鑑定スキルでステータス画面を覗かれたので、こちらも自重することやめる。
パパラッチとかが鑑定スキルを使ったんだったら国に対して何かするつもりはなかったけど。
思っきし軍服を来ている奴だったからな。
ご丁寧に透明化してたけど、その程度で騙される程甘くない。
A国がやったと思わせる為にA国政府とは全く関係ない人物が態と軍服を来ている可能性もあるけど。
それはそれで、そんな人物を招待客が乗っている飛行機の近くに接近させている時点でA国の落ち度だからな。
まぁ、直接手は出さないのでそこは安心して欲しい。
俺がある程度信頼しているからと言うことで、俺のストッパーとして来ている河村さんの胃が持たないだろうし。
「まぁ、鑑定スキル程度で俺と楓さんのステータス画面は見れないんだけどね。ソフィアは鑑定を阻害するベンダントをしているから見られて無いと思うけど。相手の鑑定スキルのレベル次第かな」
理外は状態異常、デバフと言った俺にマイナス効果を付与する効果を全て無効化してくれる。
その原理で鑑定スキルも弾いてくれる。
楓さんについては……よく分からないけど。
リーリンさんみたいにステータス画面を見せない事は勿論、改ざんして偽の情報を鑑定の結果として見せる事だってできるだろう。
ソフィアは鑑定を阻害するペンダントをつけているので、恐らくステータス画面を見られて無いだろうけど。
上位の鑑定スキルだったり、鑑定スキルのレベルを上げてあった場合スキル画面を見られている可能性もある。
実際、今つけている父のスキルなら、このペンダントをつけていてもステータス画面を見れちゃってたし。
「ここまで来ると可哀想に思えて来るわね」
「と言っても、俺と楓さん以外、ステータス画面は見られちゃった可能性がある訳だし。先に仕掛けて来たのはあっちだからね。躊躇無く情報収集をさせて貰おう。と言ってもやるのは俺じゃないけど」
俺も透明になって政府の重要施設に入り込む事は出来るだろうけど。
効率悪い。なのでやる気満々の楓さんに任せようと思う。
楓さんがいなかったら、フィロを読んで、植物越しに情報収集させて、透明になった俺が情報の裏付けとなる証拠を盗んだりするつもりだったけど。フィロを突然A国に呼び寄せた言い訳を考えなきゃいけないし。
楓さんがいるおかげで、そう言った事をする必要がなくなった。
「A国にいる間、知られたら不味い情報を大量に仕入れて起きます」
この場では特に何もせず。空港から用意されたホテルに移動した。
ー???ー
「大佐、先程到着した日本人達のステータス画面の情報が送られて来ました」
紙の束を受け取った男は紙をパラパラ捲り情報を確認する。
「龍王の情報が無いのだが?」
「それが、龍王を含め謎の狐獣人とソフィア・パターソンには鑑定スキルが弾かれてしまいステータス画面が確認出来なかったと……」
「鑑定阻害の効果を持った魔導具を装備していたか…そう言った魔導具の存在は確認されているし。龍王となれば所持していて当然か」
「どう致しますか?」
「今回の人選は鑑定スキルのレベルは重要視せず。対象にバレない事を重要視した人選だったな?」
「その通りです。短時間では有りますが透明化して姿を隠す事が出来る人物を使いました」
「ならば今度は、鑑定スキルのレベルを重要視した人選で作戦を続行だ。作戦が露呈する確率は上がってしまうが。それは仕方がない、作戦を実行する隊員には細心の注意を払うよう厳命しておけ。何がなんでも龍王の情報は入手する必要がある。情報無くして対策は立てられんからな」
「はっ!承知いたしました」
報告に来ていた軍人が部屋を後にする。
部屋の主は葉巻に火をつけ一服する。
「ふぅ。未知は何より恐ろしいことだ。しかし、知ることが出来れば、対策も可能な筈だ」
もう、此処にいても新しい情報は無さそうだ、部屋を出ていった軍人を追いかけようと。さっきまでの会話を堂々と盗み聞きしていた真っ白な狐が部屋を出ていく。
部屋の主は未知を無くすと言うのは重要な事ではあるが、知ろうとしては行けない未知も存在すると身を持って知ることになるだろう。
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