第117話

「ところで地球さん例えば月とか火星にも人格が存在するんですか?」


(存在しません。人格を持つのは一定以上の知能を持った生命体の暮らす星のみです)


「じゃあ人間が月に移住して住み始めたら

月に人格が形成されたりするの?」


(その場合は私が月も管理することになります)


「じゃあさ、もし人間が月でも暮らせるようになったら地球に住む人の数も減るし地球さんが管理する星も増えるこれって地球さんからしたら一石二鳥じゃないですか?」


(それが今の人間の技術で可能なら確かにその通りです。しかし、最低限その星だけで人間だけが暮らせるようにならないと。私がその星を掌握することはできません)


月で暮らすのに地球から物資を送ってもらわないと生活できないってのはダメってことか。

最低限月だけで暮らせる様に月をテラフォーミングして農業したりできるようにしないといけないわけだ。今の人間の力だけでは無理だね。

人間の力だけでは。


「確かに人間だけじゃ無理な話です。だから地球さんにも少し手伝ってもらえないかなって。宝箱のから手に入るアイテムに月をテラフォーミングできるような物を追加するとか」


できる範囲で地球さんが手伝ってくれるなら不可能じゃないと俺は思っている。


(なるほど。確かにそういった形での支援なら可能です。ただし、そう言うアイテムが手に入る宝箱が手に入るダンジョンの難易度は当然高くなってしまいますが?)


「それは仕方ないでしょう。手伝ってもらえるだけで人間的には破格の対応なんですから」


地球と人間どっちが上位者って言ったら確実に地球なんだから。

スキルとか核爆弾を使って地球を破壊することは出来るかもしれないけど。そんなことをしたところで人間の住むところが無くなっちゃうだけだし。

人類に住むところだけでなく生きていくために必要なものを提供してくれている相手に交渉しなきゃいけないってどんなハードモードだよ。


できるか分からないけど。気分を害して、いきなり空気の比率を人間が生活できないように変更するとかしてくる可能性だってある。


他には異常気象を頻繁に起こしたり。


そう考えると異常気象を頻発させて人間を減らすんじゃなくてダンジョンを復活させて環境破壊をして資源回収するのではなくダンジョンから資源を回収しなさいってしてくれたのはかなりの温情だったのでは?地球からしたらって話だけど。


「それと他の星に移住するとなると、どうしても莫大な人員が必要になると思うんですよ…」


(確かにその通りですね。では、これから10年、異常種の出現確率は通常確率にレッドムーンは半年に一回から一年に一回に頻度を落としましょう)


無しにしてもらうのは無理だったか。

無理にお願いして、じゃあこの話は無かったことにしましょうって言われたら最悪だし。

今は頻度が下がっただけでも充分と思おう。


(やはりまだ幼いですね。貴方は異常種の出現確率もレッドムーンの周期だって知らないはずです)


つまり、いつぞやの75%引きセールをしてるけど。

値段が釣り上げられていて75%オフした値段が元値って言うアレと同じことを地球がしてる可能性があるって事?



(理解出来たようですね。まぁ、安心してください。今回は貴方が幼いことも考慮して交渉しているので実際に異常種の出現確率は今より下げますし、レッドムーンの周期も伸ばしますので。但し、大人の人間と交渉する時は気をつけなさい。なんなら武力を行使するのも一つの手です)


「ご忠告感謝致します。武力の行使はホントのホントに最終手段にしますけど」


(貴方には期待していますので、もしどうしようもない状態になってしまったら私を頼ってください。手始めにC国に大地震を発生させておきましたので、これ以降C国が日本にちょっかいをかけてくることは無いでしょう。これから人間のテラフォーミングを補助するアイテムの作成を始めますので、これで失礼します)


それを最後に地球の声は聞こえなくなった。


「マーリンさんなんで俺がこんなに地球に優遇されてるんですか?」


下手したら俺が気に入らない奴がいて地球にどうにかしてって頼めばどうにかしてくれるってことでしょ?


「そうだねぇ〜。君は人格を持った星が地球だけだと思う?」


「それは無いんじゃやいですか?」


それこそ異世界が存在するらしいし。


「その通り。天の川銀河には人格を持った星は地球しか存在しないけど。別銀河、別宇宙のはそれなりに人格を持った星が存在する。その中にはほかの人格を持った星の人格を殺して乗っ取ろうとする奴らもいる。そう言う存在から星の人格を守るのが神の役割なんだけど。君は数千年ぶりに神の領域まで到達出来るかもしれない存在だ。自分の防衛戦力になるかもしれない君を地球が優遇するのは当然じゃない?」


ほんと普通なら知ることが無い情報のバーゲンセールだな。


「もしかして偶に目撃されるUFOって」


「人格を持った星がよこした偵察兵だね」


そんなこと知りとうなかった。


「でも、あんまりに頼ってばかりで何時までも強くならなかったら切り捨てられると思うから気をつけね」


今、優遇してくれてるのは将来じぶんの戦力として活躍するかもしれないからなのにいつまでたっても強くならなかったらそりゃ切り捨てられるよな。


それにしても会話時間的には数分程度だったはずなのに今すぐここで倒れて寝てしまいたいレベルで疲れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んで頂きありがとうございました。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る