第118話

「なんでここに?」


気がつくとリーリンさんに化けていたマーリンと話していたログハウスが立ち並ぶキャンプ場のような場所ではなく。 雷太やリーリンさんがよくいるお酒の池がある場所に立っていた。


「あの景色から全て幻覚だったわけですか」


「ログハウスがある場所はしっかりそんざいするよ?まぁ映司くんは幻術でこっちに連れてきたけど」


全く気づけなかった。やっぱりマーリンもリーリンさんクラスの化け物なんだなーって身をもって実感した。


「まぁ、今日は色々知っちゃったことで頭がパンク寸前でしょう?後は僕に任せて家に帰ったら?何かあったらリーリンに伝言を頼むからさ」


マーリンの言う通りにさせてもらおう。

今は何も考えずに寝たい。


ここからなら出口までの道のりも知ってるし。


こういう時は甘い物食べたくなるよなとそこらへんにいっぱい実っている桃を収穫して食べながら家に帰る。


「リーリンさんがそのうち帰ってくるって言うから大人しく家で待ってたけど。何があったの?その顔色」


家に帰るとソフィアが玄関で俺が帰ってくるのを待ってくれていた。


「ちょっと話をしただけなんだけど。その内容が色々あってね。ダンジョン関係なしに地上に魔物が現れる期間があるらしいよ。だからスタンピードを防いでも結局魔物は地上に現れるって」


流石に何も教えないのは逆にどんな話だったんだろうって気になっちゃうだろうと思って、地球に人格があるということに触れずにそれなりのインパクトがある話であるレッドムーンの話を伝えることにした。


「はぁ、それをアヴァロンのダンジョンマスターから聞いたのね?」


「マーリンについては聞いたんだ?」


「映司がいなくなって直ぐにお兄様から聞いたわ。スタンピードを防ごうと地上に魔物が現れるか…映司はどうすればいいと思う?」


「魔物の攻撃にも耐えられる巨大シェルターの建造と、とにかくレベルアップして強くなって襲ってくる魔物を倒せるようになるしかないよね」


止める方法がないならこれぐらいしかないんじゃないかな?


「それにしても、ダンジョンスタンピードも起きるし。ダンジョンスタンピードを防いだとしてもレッドムーンで地上に魔物が現れる。神は人間を滅ぼしたいのかしら?

それにしては助けてくれる神の使いもいたけど」


ダンジョンを作り出したのは神って話はソフィアも知っているから当然そう言う感想になるか。

実際ハードモードに設定してるのは神じゃなくて地球なんだけどね。


「人間と一緒で神にも色々いるってことじゃない?」


「そうね。とりあえず映司がどうしてそんな顔になってたのかわかったわ。まだ隠してることがあるってこともね。無理に聞くつもりは無いけど、顔に出ないように練習した方がいいわよ?凄い申し訳なさそうな顔をしながら喋るんだもん、隠してることがあるって丸わかりよ」


はぁー王族として色々な人と接しているソフィアを高校生が騙せるわけもないか…


「さっきも言ったけど、無理に聞くつもりは無いわ。教えてくれるつもりになった時に教えてくれればいいわ。そんなことより、今日はスノーティラノのあらびき肉を使ったハンバーグよ。早く食べに行きましょう」



噛めば噛むほど肉の旨みがしみ出てきて美味しいけど、筋肉質で食べると顎が筋肉痛になると評判のスノーティラノ肉。

タンみたいに薄く切って焼肉にして食べたり。長時間煮込んでシチューにするのも美味しかったけど、今日はあらびき肉にしてハンバーグかそれも美味しそう。

とりあえず地球と話したことは一旦忘れて食事を楽しもう。


「ハンバーグ美味しかった。やっぱり魔物の肉は美味しい、でも今日で肉は使い切っちゃったんだよね?」


「魔物の肉は腐りにくいと言っても流石に使い切らないと悪くなっちゃうからね」


いくら美味しいと言っても母の言う通りか悪くなった肉は食べたくないし。


「となるとまた肉を採りに行かなきゃ。と言ってもドロップ率悪いんだよね」


魔物の肉の中には食べただけで恒久的に耐性を獲得したりBPが上昇するものもあるせいで、他の素材よりドロップ率が低い。


魔石以外のものがドロップすること自体もダンジョンごとに違いはあるけど、確率は低めだ。


「そればっかりは数を倒すしかないな。肉系のドロップ率は最大まで上げても1%いかないぐらいだからな」


ダンジョンマスターのリーリンさんから具体的な数値を暴露するけど。やっぱり低い。


それに加えて、魔石以外の物がドロップするかは別抽選でしょ?


肉がドロップする可能性が1%って言うのは

素材がドロップするってなった時の確率だろう。

SSRのドロップ率は3%でそこから欲しいSSRを引き当てる確率は0.01%みたいな。


「そういえば美味しいだけで特に能力が上がったりしない代わりに他に比べて肉のドロップ率が高い魔物がいたな?」


そんな魔物が!?是非そいつを倒しに行きたい。


と言っても都合よくその魔物が現れるダンジョンが日本にあるかな?


とりあえず。こう言うのは河村さんに聞いてみるのが一番か。


ダンジョンの情報が一番集まってくるのは迷宮省だろうし。


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読んで頂きありがとうございます。

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