第397話
「うーん。〈自宅警備員〉で召喚できる銃火器は種類ごとに威力が予め決められていて、古池さんのレベルが上がっても銃火器の威力が上がることはなさそうですね」
あの後もゴブリンを何体も倒して古池さんのレベルを4まで上げたけど。
サブマシンガンの与えるダメージに一切変化は無かった。
現状ゴブリンにヒットしてもアザを作る程度の威力だからな……だからこそ100発以上弾丸を撃ち込まないと倒せない。
貫通までは無理でも皮膚を貫いて弾丸が体内まで到達すればもっと少ない弾数で倒せると思うんだけど。
現状じゃヘッドショットしても胴体に弾を当てたのとダメージが変わらないだろう。
目に当てれば良いダメージどころか今の威力でもワンショットで倒せるかも知れないけど。
そんなピンポイント射撃古池さんには無理だ。
と言うか使っているのはサブマシンガンだし、古池さんじゃなくても無理だと思う。
「〈銃撃強化〉みたいなスキルで火力の底上げをするか。もっと強力な銃火器を召喚できるようになる方法を探すかする必要が有りそうですね」
凄い極端な話になるけどロケランとかを召喚出来るようになったら殲滅力が一気に上がりそうじゃん?
出来るのか分からないけど。
〈自宅警備員〉は今回のファンタジーアップデートで新たに作られたスキルだからリーリンさんの知識も頼りにできないので自分たちで方法を探す必要がある。
「魔法系のスキルも所持している人のレベルが上がると新しい魔法を使えるようになったりするし。〈自宅警備員〉も古池さんのレベルが上がるとなにかしら出来ることが増えると思うんですよね。取り敢えず今日は後1レベル頑張って上げましょう」
「は、はい!」
あと1つレベルを上げればレベル5になるからな。
キリのいいレベルだからホントに〈自宅警備員〉で出来る事が増えるかもしれない。
ここは魔石すらドロップしない代わりに経験値が多く貰えるダンジョンだから。
ゴブリンだけと言っても一体倒せば1レベル上がっている。
今日中に1レベル上げることも可能だろう。
〈自宅警備員〉の能力で召喚した銃火器はどれだけ連射してもオーバーヒートしないからな。
と言うか銃が熱を持つことがない。
地味に反動がない事より強いんじゃないかなと思っている。
ーーー
「あっレベルが上がったんですけど。その時にサブマシンガンの装弾数が60発に増えましたって」
「なるほど!と言う事は古池さんのレベルが上がれば〈自宅警備員〉が強化されるってのは間違い無さそうですね」
これならその内サブマシンガンの威力が上昇する事も有るかもしれない。
何はともあれ、ダンジョン内でも1人で戦えるようになるかも知れないと言う希望が残って良かった。
途中から古池さんの表情に諦めの感情が見え始めてたからな。
自分のレベルを上げることで〈自宅警備員〉で出来ることが増えると実際にわかったことで、その諦めの感情が消えた。
「今日はここまでにしましょう。以外に時間も経ってますし」
現状だと戦闘一回にもそこそこ時間がかかってしまうからな。
放課後に来ているのもあって結構いい時間なので、外はもう真っ暗だ。
「明後日にはEG国に出発しなきゃいけないので、俺が一緒にダンジョンに行けるのは明日だけですが。明後日以降もダンジョンに来れるように誰かしらに同行者をお願いしておきます」
ダンジョンに入る許可さえ出ればディアナさんが適任なんだけど。
すぐには難しいだろうな。許可がでたとしても俺が同行する事みたいな感じの条件付きだろうだし。
それじゃ俺が同行できない状態の同行者なんだから意味が無い。
明日までに古池さんが一人でも戦えるようになってくれるとだいぶ楽なんだけど。
仕方ない。パワーレベリングするか。
あんまり本人のためにならない場合も多いけど。リーリンさんの鬼の扱き込みならレベルに振り回される事もないだろうから問題ない。
鬼の扱きと言ってもその人のレベルにあった扱きをしてくれるから、俺の時みたいに手足を何度ももがれるみたいな扱きを受けるわけじゃない。
「なんか一瞬凄い寒気がしたんですけど……分かりました。お願いします」
パワーレベリングやリーリンの扱きの話はしていないんだけど。なにか察しちゃったかな?
そう考えると古池さんの危機回避能力は以外に高いかもしれない。
まぁ、ここまで来たら逃がすつもりは無いけど。
「やっと帰って来たか。最近相手してなかったからな。腕が鈍ってないかみてやろう。早くこい映司」
桃源郷に転移するとリーリンさんが俺の事を待ち受けていた。
確かに最近リーリンさんと模擬戦することはなかったけどさ……
リーリンさん俺と模擬戦する時は即死させなければなんでもありの精神だから、、文字通り命懸けになるんだよな……
この状態のリーリンさんから逃げるのは不可能なので諦めてリーリンさんの後を追って地形破壊を気にしなくて良いような開けた場所に移動するのだった。
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