第396話
「ローン組んで買います!〈銃撃強化〉」
ナディアさんがムゥと言う表情になにか言おうとしたのに被せて古池さんが大声でそう言った。
「賭けになるのかも知れないけど。決して確率が低い訳じゃないし。ここで賭けなきゃ男じゃないでしょ!」
うん。女性に150万用意してもらうってのはちょっと屈辱的だよね……
いや、悪いことじゃないんだけど。やっぱりちょっとカッコつけたいというか……
「よし。じゃあ早速使って〈銃撃強化Lv1〉を習得しちゃおう。手に持って使用するって思えば習得できるから」
覚悟が変わる前にスキルの書を使わせてしまう。
「出来ました!」
「良し。それじゃ銃火器召喚で召喚した銃火器で俺の事を撃って見よう。あっ顔は撃たないでね?」
「えっえっ、なんで新藤さんを撃つ必要が?」
「ここって今、自宅外でしょ?実際にどれぐらいの威力なのか実際に受けて見るのが一番分かり易いかなって」
「絶対もっと別の測定方法ありますって!ダンジョンの魔物に向かって撃てばそれで十分確認できますって!」
うーん。それもそっか。俺の感覚が普通の人からちょっとかけ離れ過ぎてたかな。
「まぁ、それでも良いですけど。古池さんってライセンス発行してるんですか?」
「最初は威力が激減っと言っても銃が使えるんだから浅い階層の魔物ぐらいなら余裕で倒せるだろうってライセンス取得したんですよ」
「その言い方的に……」
「はい。1階層に出てくるBP50前後の魔物にサブマシンガンの弾丸60発ぐらい当てても倒せなかったです。まだまだピンピンしてたし。それこそ倍以上の弾丸を撃ち込んでも倒せなかったんじゃないかな」
ちょっと想像以上に威力が落ちてるな。
「マシンガンを使ったら一発あたりの威力が上がるとかは無いんですか?」
「自分も、そう思うんですが。現状召喚できるのはハンドガン、サブマシンガン、ショットガンの三種類だけなんですよ。増やす方法はわからないです」
レベルが上がれば召喚できる銃火器が増えるかもな。
「あぁ、後種類ごとに射程がキッチリ決まってて、その距離に到達すると弾丸が消えちゃうんですよ」
例えばショットガンなら10mが射程で10mに到達すると弾丸が消えるらしい。
スキルで召喚したものだからだろうけど、そんな効果もあるんだね。
それにしても射程が10mってリアルのショットガンより短いんじゃない?
散弾系の弾丸でも有効射程が30~40mぐらいあった気がするんだけど。
まぁ、文句を言っても仕方ないか。
「それじゃ銃の種類は増えたらいいなぐらいの気持ちで行きましょう。それじゃ早速経験値ダンジョンに行きましょうか」
雷太の管理しているダンジョンだから俺が許可した人だけ入れる専用サーバーで挑戦できるからな。
他者を気にせずゆっくり検証しながらレベル上げができる。
なんなら入口を通過する必要すらないんだけど。
古池さんもいるし、しっかり入口から入ろうと思う。
古池さんが返事をする前に経験値ダンジョンの入口に転移してダンジョンの中に入った。
「早速ゴブリンですね。俺が拘束するので倒せるまでサブマシンガンを連射してください」
歩いていると早速ゴブリンと遭遇したので炎で作った鎖で拘束して動けなくする。この状態で古池さんに銃を撃って貰って何発で倒せるのか確認する。
「それじゃ撃ちます!」
古池さんがそう言って引き金を引いた。
フルオート射撃だけど、それにしては集弾率が良い?
と言うかリコイルが無さそう?
「古池さんその銃って反動ないんですか?」
「そう言えば……撃っても反動ないですね」
気づいて無かったんか……まぁ、実銃撃ったことなんてないだろうし、気づかないものなのかな?
それにしても反動なしだとしても命中率が悪い。
30発撃って10発しか当たってない。
相手が動いているならまだしも、動かない敵に対してだからなぁ。
〈自宅警備員〉に射撃の腕を上げくれる能力は無いのか。
となると、古池さんに頑張って射撃の腕も上げて貰わないといけない訳か。
大変そうだな。
結局十回のリロードを挟んでゴブリンに
約110発当てて倒した。
ちなみちワンマガジンで30発撃てるので190発ぐらい外している。
「〈銃撃強化Lv1〉が無い状態だとゴブリンを倒すのに120発前後必要だと仮定して、今回は大体110発で倒せたって事は〈銃撃強化Lv1〉の強化倍率は1,1倍かな?」
古池さんの60発当てても全然元気で倍ぐらい当てないと倒せなさそうって話があってたらの話ではあるけど。
何となく合ってそうではあるよね。
やっぱり〈銃撃強化〉のレベルを上げないと火力はマシにならないか。
どれぐらいの速度でスキルのレベルが分からないけど。
時間をかけてでもスキルレベルを上げないと
古池さんが一人でダンジョンで魔物を倒すのは無理そうだな。
後は古池さんのレベルが上がる事によって銃火器の威力が上がるかどうかかな?
考えてても意味が無いし。どんどん次に行こう。
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