第395話

「自宅防衛以外でもまともに戦えるように……」


〈銃撃強化Lv1〉のスキルの書を持ってきた理由を説明すると。魅力的だけど、貴重なスキルの書を使うのは……といった感じかな?と言う 感じに古池さんが葛藤している。


価値の高いものを渡すとこうなるのは分かりきっていたから古池さんが活かせそうな物で一番価値の低いものを持ってきたんだけどな。


「それなら、〈銃撃強化Lv1〉のスキルの書をローン組んで買うってのはどうですか?ソフィアの会社に入社が確定しているんですから。ローン組んで買えば、無理せず買えるはずですし」


そもそも、ダンジョンでも〈自宅警備員〉の銃火器召喚の火力が最低限確保できるようになれば、〈銃撃強化Lv1〉のスキルの書を買えるぐらいのお金はすぐに稼げると思うけどね。


まぁ、自宅以外ではダメージが激減するの激減が何処までなのかが正確に分かってないから〈銃撃強化Lv1〉があっても自宅以外じゃ使い物にならないって可能性もあるけどその時は、ガッバって〈銃撃強化〉のLvをしてもらおう。

そうすれば最低限のダメージは出せるようになるんじゃないかな。


それに、銃火器召喚の火力はなに依存で決まっているんだろうな?って疑問もある。

古池さんのステータスのどれかを参照して決めてるのなら古池さんが自分のレベルあげるだけで自宅以外でも銃火器でダメージが出せるようになるかも?


まぁ、〈銃撃強化〉以外にも〈射撃強化〉とか〈飛び道具ダメージ上昇〉といったような銃火器のダメージを増やせるようなスキルのスキルの書を持っているからダメだったらそれも習得してもらうって手もある。

BP上昇系のスキルは効果が重複するからダメージを上昇させる効果も重複するだろう多分。


と言うかこの間、古池さんとナディアさんの歓迎会をしている時に楓さんにサラッと言われたんだけど。

覚えられるスキル数には上限があるらしい。

個人によって上限は違うらしいけど。

普通の人間だったら多くて10個、平均3~4個ぐらいらしい。

レアなスキルだとその枠を複数消費するみたいな事は無いらしい。


俺とかソフィアはそんな事知らずにガンガンスキルを覚えてた時期あるけど……と言ったら。

ドラゴニアンは素でスキルの取得上限数が多いいし。

エルフは魔法系スキルの場合2つで枠一個消費と言った感じで魔法系スキルなら枠の消費を抑える事が出来るからソフィアはスキルを沢山取得できたらしい。

確かにソフィアが取得したのは魔法系のスキルがほとんどだった気がする。

と言ってもスキル枠を消費しているのは確かだし。ソフィアが使ってない属性魔法のスキルとかは空白の書で忘れさせといた方がいいかも。


限界数が存在するなら複合スキルの価値が更に上がるよな。

と言う訳で、銃火器召喚で召喚した銃のダメージを増やすスキルを幾つも習得するのは、銃火器でしか戦うことしか出来なくなっちゃうし。

だからといって銃火器召喚以外の攻撃手段を手に入れる為に攻撃系のスキルを覚えて銃火器召喚を活用しないのももったいない気がする。

魔力消費だけで弾切れしない銃火器を召喚できるってのはかなり強いと思うし。


それに古池さんのスキルの取得上限数が3つとかだったら。

貴重なひと枠を攻撃にスキルに使うのは勿体ない。

結局、強い魔物を倒すにはその攻撃スキルの威力を上げるスキルを覚えなきゃいけないみたいな事態になりそうだし。


一般的な冒険者がBPが3000とか超えるような魔物を倒すにはそう言った方法で火力を上げる必要があると思うし。

武器とか防具とかをできる限り強化するのも重要だとは思うけど。


俺が精霊武器を作って渡すと言うのはハッキリ言ってズルなので除外している。

それしちゃえば、誰だってある程度戦えるし。



「ローン……つまり借金ですよね」


「まぁ、確かに借金ですけど。利子とかはゼロでいいですし。〈銃撃強化Lv1〉のスキルの書ならだいたい150万ぐらいですし。月一万で150ヶ月かけてゆっくり返して貰う感じで大丈夫ですよ」


月一万って収入によってはかなりキツイけど。

ソフィアの会社の月収だったらかなり余裕があるはず。


「150万ってその程度なんですか?いや、150万って高いですけど。あのオークションでスキルの書が5000万で落札されたとかニュースで見たんですけど……」


「あ〜それは〈回復魔法〉のスキルの書だったからですね。内容によって価値はかなり変わりますよ」


〈銃撃強化〉だって弱くは無いけど。〈回復魔法〉の方がレア度が高いし汎用性も高い。


「お話に割り込むようで申し訳無いのだが。この世界もダンジョンに入って魔物を倒してドロップしたものを売ればお金が手に入るでいいんだよな?」


「ええ間違いないですよ。ナディアさん」


「なら、私がダンジョンに入ってお金を稼いで、その本を買うと言うのも可能だよな?」


まだこの世界に来て数日だけど。慣れてきたのか恐らく素の口調に戻ってきているナディアさんが会話に加わる。


警戒されたり緊張されていないようで何よりだ。

まぁ、古池さんの存在が大きいんだろうな。


「確かにその通りなんですけど。現状外国人ですら入場禁止されているのに異世界人がダンジョンに入る許可が貰える?って問題になっちゃうんですよね……」


初日にやらかした外国人冒険者のせいでそうなってしまったんだよな。

いつになったら緩和されるんだろう。

ソフィアと堂々とダンジョンに入れないから早く緩和して欲しいんだけどな。

かと言って圧をかける程ではないし。

E国のダンジョンなら二人で堂々と入れるし、堂々じゃなければ日本のダンジョンにも二人で入れるし。



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読んでいただきありがとうございます。


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