第394話

古池さんをうちの会社で働きませんか?とスカウトしてたら、朝のホームルームが始まるまであと十分という時間になってしまっていたので急いで転移で学校に移動した。


いつの間にか秀明さん達が河村さんにスカウトされてSCSF所属になってたからな。のんびりしていると古池さんも取られてしまいそうだったので急いでスカウトの話をした訳だけど。後は古池さんがどう判断するかだな。


「毎回思うけどさ。転移で登校って転移の無駄使いだよな……本人からしたら使えるんだから使わないと勿体ないって感じなんだろうけど」


「おはよう勝彦。俺は通学時間をゼロに出来るんだから転移を使う価値はあると思うけどな。時間はどれだけお金を持っていようと買えないものでしかも有限なんだから」


長命種になった俺が何を言ってるんだと思われるかも知れないけど。


寿命と言う時間制限が有るんだから自分が好きな事ができる時間を稼げるならそれに越したことはないと思う。

寿命を延ばすなんてほぼ不可能な事なんだから。


何種類か寿命を延ばす方法を知っているから不可能では無いけど。

常人には不可能だろう。


「想像より深い?回答が帰ってきて少しびっくりした。確かに時間は有限だもんな。

てっきり通学とかだるいじゃん楽できるなら楽しない方が馬鹿でしょ?って言うと思った」


勝彦くん大正解です。ちょっとカッコつけてそれっぽい言い訳を適当にしただけで、実際はその程度の理由だよ。


時間は有限なんだから自分の好きな事が出来る時間が一秒でも多い方が良いだろうと思っているのも事実ではあるけどね。



「それにしても、転移で登校するの龍王様通学って言われているの知ってる?」


何それ?字面で判断すると龍に乗って通学しているみたい。


ドラゴン通勤(通学)もそれなりに話題になりそうだけど。


「そのうち転移でしか中に入れない窓の無いビルとか建てようかな」


「映司がネタに走り出すと冗談じゃ済まなそうだから自重してくれ。最終的にガチでデス・〇ターとか建造始めそうだし」


「流石にデ〇・スターは無理だろう」


月をテラフォーミングして人が住めるようにはするけど。

これに関しては俺の力と言うより地球の力を使ってだけど。


地球との約束なので月のテラフォーミングは絶対だからな。止められたとしても止まる訳にはいかない。


土地の権利だ何だで絶対に荒れるだろうな。


「それに俺は再現するならデス・ス〇ーよりホワイ〇ベースの方が好みかな」


宇宙戦艦ならその内再現できるようになるんじゃない?A国なんてアイ〇ンマン顔負けのパワーアーマーを作りだしちゃったんだし。

ドミニオンアーマーだっけ。ドミニオンって名前をつけたってことは、まだまだ上を目指しているって事だろうし。

今後どんなパワーアーマーが誕生するのか少し楽しみ。


ホームルームのチャイムがなったので話はここまでお互い自分の席に座った。


「そう言えば期末テストってどうなってるの?」


ホームルームが終わった後1時間目が始まる前に再び勝彦と話を再開した時に思い出したので忘れる前に聞いてみる。


「あ〜。そういえばその話をした時に映司はいなかったな。期末テストは八月一日から実施。夏休みは八月二十日~八月三十一日までって事になってるぞ」


夏休み期間めっちゃ短くなってんじゃん。

まぁ、短くなるとは聞いてたけどさ。

ファンタジーアップデートのせいで、既に一ヶ月丸々学校休みだったし。

夏休みが有るだけましって思っておこう。


ーーー桃源郷ーーー


今日は緊急の呼び出しもなく平和に全ての授業を受けて家に帰ってくることができた。

俺が呼ばれるほどの緊急事態が発生していないと言うだけで、色々事件は起きてるんだろうけど。


家に帰ってくるとソフィアから古池さんがうちの会社に入社する事に決まったと言われたので古池さんに会うために桃源郷に向かった。


「ソフィアの会社に入社することが正式決定したようなので早速強くなるための特訓を始めましょう。先ずはこれを」


そう言って古池さんにスキルの書を押し付ける。


「ちょちょっといきなりどうしたんですか?と言うかこの本なんですか?」


「〈銃撃強化Lv1〉って言うスキルのスキルの書」


「す、スキルの書!?」


「あ〜〈銃撃強化〉は銃から発射された弾丸の威力を上昇させると言う効果しかないスキルだから、そこまで価値のあるものじゃないから心配せずに使用しちゃって」


「価値がないってスキルの書の中ではでしょ!」


「まぁ、そうですけど。古池さんと相性がいいスキルだと思うんですよね。〈自宅警備員〉の武器召喚って自宅以外では与えるダメージが減ってしまうだけで召喚自体は出来るんですよね?それなら〈銃撃強化〉のダメージ上昇効果があれば、自宅以外でも戦えるようになるんじゃないですか?」


自宅内だったら魔物の革防具を身につけていた人間を一撃でミンチにできる威力を持ったショットガンが使える。

〈銃撃強化〉で〈自宅警備員〉の自宅以外ではダメージが激減すると言う効果が相殺……は無理でも多少でも減少効果が緩和されれば、古池さんは外でも戦えるようになるだろう。

変に魔法系のスキルとか、〈自宅警備員〉以外の攻撃スキルを覚えさせるよりこっちの方が古池さんは強くなれる気がする。


〈銃撃強化〉は銃で射撃ダメージを与えると熟練度が上がってLvが上がるスキルだからな。

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読んでいただきありがとうございます。


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