第393話

「あ〜いたいた。古池さん少しお話良いですか?」


旧C国の問題は取り敢えず、EG国での用事を終わらせてからと決めた後はもう日付が変わる直前だったので。すぐに解散した。


次の日、学校に登校する前に桃源郷によって古池さんを探す。

探すまでもなくジョギングしている古池さんが視界に入ったので大声で話しかける。


それにしても古池さんがジョギングか……

見た目的にはジョギングなんてするような感じには見えなけど。

ナディアさんとの関係が進展して変わろうと努力している感じかな?


今までは親のスネかじって生活しているガチのニートだって言ってたし。


「おはようございます新藤さん。どうしたんですか?」


「古池さんにソフィアの会社にエンジニアとして就職しませんか?って提案をしに来たんですよ」


会社を設立したばかりでおもっくそ人員不足だからな。

パソコンの知識はあるみたいだし。〈自宅警備員〉ってスキルも使い道が有りそうだし。


当然だけど、ソフィアとクラリスさんからはちゃんと許可を事前に取ってから話に来ている。


「俺がエンジニアですか?パソコン関係の技術が無いわけじゃないですけど。俺より腕のいい人なんて沢山いると思いますよ?」


「まぁ、はっきり言っちゃうとエンジニアとしての腕だけじゃなくて所持しているスキルの希少性を含めてこうやって勧誘させて貰っています」


古池さんはハッキリ言っちゃった方が納得してくれそうなので、正直に理由を説明する。


「まぁ、なのでエンジニア以外の仕事もしてもらう可能性もありますが。その分しっかり給料は高額になるんでそこは安心してください。後は龍王の会社の社員と言うステータスですかね」


自分で言うのもなんだけど龍王の会社の社員と言うのはかなりのステータスになると思う。


実際には俺は一切会社運営に関わっていないんだけどね。

まぁ、世間の認識は龍王の会社だからな。


全く関係ない話だけど。龍王超えて龍帝になった訳だけど。

二つ名は龍王なんだよね……


いやまぁ龍王にすらなっていない状態で龍王って呼ばれてたし龍帝になったからって呼び名を龍帝に変える必要も無いか。

そもそも二つ名を変えるってどうやってやるの?


自分から今日から龍王から龍帝に変えますって発信するの?

めっちゃ痛いやつじゃん。


「確かに、龍王様の会社の社員で尚且つ龍王様直々にスカウトされましたって経歴は凄まじいですね。両親には凄まじすぎて何があったのか心配されそうですけど」


ニートから一気にランクアップしすぎてなにか悪いことしてるんじゃないか?って両親に心配されるか……

それに関しては自分で頑張って説明して納得してもらうしかない。


「ちなみに、具体的なお給料の金額って……」


「少なくても月40万ぐらいはポンと出せるけど。そうですね……お金だけじゃなくて俺がダンジョンで手に入れたアイテムを格安で購入できたりって言うような特典も……ダンジョンアイテムを個人で売り買いするのは原則禁止だけど。まぁ、そのうち出来るようになるだろうから。これはまぁ今すぐにってわけじゃ無いけど」


月40万って俺がSCSFから貰っている月収より高いんだけど。

まぁ、SCSFの仕事をしているかと言われると微妙だし。

基本給が40万以下なだけで、SCSFとして頼まれて動いた場合、基本給から追加でお金貰えるし。

給料だけでも中々貰っているからSCSFがケチな訳ではない。


「40万ですか?……やっぱりなんかヤバい仕事とかさせられるんですか?」


「いや、危ない仕事は……あ〜どうだろ。

俺の関係者はもれなく命を狙われるから、最低限の護身術は身につけて貰うかも」


俺と関わってしまうと、どうしても注目されてしまうからな。


「まぁ、古池さんに関しては俺の存在関係なしに。注目を浴びてるし。最低限自衛できる力は必要になると思いますよ。龍王の会社の社員と言う肩書きはある程度抑止力になるとは思いますけど。全てを防ぐことは出来ないでしょうからね」


異世界人のナディアさんといい関係ってだけで日本だけでなく世界中から注目されているのは間違いない。


〈自宅警備員〉と言うスキルの特性上、自宅にこもって防衛に専念すれば割と安全かも知れないけど。武力だけが全ての世界じゃないからな地球は。

と言ってもダンジョンとかスキルの存在のせいで、 力の重要度がバク上がりしてはいるけど。


「まぁ、詳しい業務内容とかお給料の話に関してはソフィアかクラリスさんとしてください」


古池さんには是非入社してもらいたいものだ。

入社してくれたら、ワイバーンぐらいなら1人で何頭も倒せるぐらいまで強くなってもらうんだ。

古池さんならそれぐらい強くなれると思うんだ。

〈自宅警備員〉と相性が良さそうなスキルの書も何冊か持っているからね。

ポンポン渡す訳にはいかないけど。

一番価値の低いもの一冊ぐらいなら先行投資して上げても良いだろう。



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読んでいただきありがとうございます。


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