第72話

「それにしてもスケルトンなら一般人でも武器さえ持っていれば倒せそうな感じですね」


まぁ、金属バットでも持ってれば倒せるとは思う。


「と言っても油断すると痛い目見ることになると思いますよ」


スケルトンは必ず複数でダンジョンを徘徊しているらしい。

平均で3体。多い時は7体ぐらいでかたまって徘徊しているらしい。

ちなみにこれは1階での話だ。


2階以降は数がもっと増える。

数だけ増やしても狭い洞窟型なんだからスケルトンも満足に動けなくなるんじゃない?と思わなくもないけど。

通せんぼ効果はかなり高い。


脱線した話を元に戻すと初心者が調子に乗って先に進んで数の多いスケルトンと遭遇してしまうと数で囲まれてボコられることも有りそうだし。

雑魚しかいないからと調子にのると数の暴力にやられてしまうのがこのダンジョンだ。


地味にトラップが多いのもこのダンジョンのめんどくさいところだ。


「あそこ、またトラップがあります」


こんな感じで歩いているとしょっちゅう罠を見つけることができる。

と言っても罠を起動するスイッチは魔力が流れてるので、魔力が見える人なら罠を見つけることはできる。


まぁ、罠の種類は分からないし。解除の仕方も分からないので避けて進むしかないけど。


長い棒とかを使ってわざと発動させるって方法もあるけど。罠の種類が分からない以上毒霧を散布するみたいな離れていても効果のある罠な可能性もあるのでおすすめしない。


「今回は落とし穴の罠みたいです」


まぁ、罠の場所がわかってれば鑑定スキルで罠の種類を調べることができるんだけど。


ただし、罠がここにあるとわかった状態じゃないと調べることはできない。


鑑定スキルを使用したまま歩いていたら罠のある場所で鑑定スキルが罠を教えてくれるということは無い。


「じゃあ、今回は発動させちゃうか」


クラリスさんがパチンコ玉を罠のある箇所に向かって投げる。


パチンコ玉が地面に触れた瞬間、罠が発動してじめんが消える。


廣瀬さんは落とし穴に近づいて行きアクションカメラを落とし穴の底に向ける。


落とし穴のそこにはかなり先の尖った石筍が複数設置されている。

もし、落ちたらあれで体が穴だらけになってしまう。

それに石筍は表面がトゲトゲまではいかないけど、ザラザラしてるので、もし落とし穴に落ちて生き残っても石筍を引き抜く時は痛いだろうな。


そもそも抜いたら出血多量で助からないか。

ポーションがあれば助かるかもしれないけど。


「おっスケルトンの追加だ」


罠を看破したとしてもこうやって、罠のある場所でスケルトンとの遭遇戦になる場合もある。


スケルトンとの戦闘に集中しすぎて穴に落っこちたなんてダサすぎるからな。


まぁ、そういうことを狙ってここのダンジョンマスターはこのダンジョンを設計してるんだろう。


「五体か。暇だし俺も攻撃するね」


ずっと攻撃しないでついて行くだけってのも暇だし。


手のひらに火球を作り出して。スケルトンの頭部目掛けて投げつける。

わざわざ投げなくても飛ばせるけど。

投げた方が速度でるんだよね。


火球はスケルトンの頭を蒸発させて消える。


ダンジョンに出てくるスケルトンは頭部を破壊すれば倒せるので、頭部が無くなったスケルトンは黒いモヤになって魔石だけ残して消えた。


残りのスケルトンはクラリスさんはメリケンサックで頭部をアルはキックで頭部を攻撃して破壊していく。


正直スケルトンとかただの雑魚だしこんなもんだよな。



最短距離でドンドン進み。

SCSFが攻略を断念した階層まで到達した。


途中ゾンビが出てくる階層があって鼻がひん曲がるかと思った。

ゾンビは俺がエンカウントした瞬間灰も残らず焼却した。

クラリスさんもあれに近接戦はしたくないって言ってたし。


アルのブレスでも倒せるけど。燃やすのに時間がかかるので俺が燃やした。


と言っても次の階層もゾンビが出てくる階層らしい。


「あれがリザードマンゾンビか」


トカゲの骨格を人間に近づけて二足歩行する魔物。リザードマンのゾンビ。


通常の人間ゾンビと違ってリザードマンゾンビは火に耐性があるので割と強敵。

鱗が有るから防御力も高いし。


「まぁ、そんなの俺には関係ないけどね」


火耐性とかお構いなしにブレスでリザードマンゾンビを焼却していく。


ドラゴニアンになって嗅覚も上がってるからほんとに辛いんだよゾンビが出てく階層。



しかもこれからは地図が無いから最短距離を進むこともできない。


まじで地獄。なんかガスマスク的なものを買ってくれば良かった。

ガスマスクって匂いまで消してくれるのかは知らないけど。


少し駆け足でダンジョンを進んでいるとアルが突然ストップする。


「どうやらこの壁に違和感を感じたみたいです」


なるほど?じゃあ手っ取り早く壁を溶かしてしまおう。


アルが気になったと言う壁を火を纏わせた手で触れると壁が溶けて隠し通路が現れる。


このままじゃ俺以外熱くて進めないので青い炎で溶けた場所を凍らせる。


「氷で滑らないように注意してくださいね」


そう注意して俺先頭で隠し通路を進む。




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読んで頂きありがとうございます。

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