第71話
「あっそうだった。これ良かったらクラリスさんが良かったら使ってください」
緋緋色金のメリケンサックをクラリスさんに渡す。
「これは武器型の魔導具ですか?」
「いや、緋緋色金を使ったただのメリケンサック。自動修復機能がついてたり、使えば使うほど頑丈になったり機能がついてるけど。魔導具じゃないから魔石を吸収させる必要ないよ」
「映司様御自身でお使いにならないんですか?凄い武器ですよねこれ」
「俺も最初はそう思ったんですけど。俺の力に耐えられないんですよ、その武器。使い込めば耐えられるようになると思うんですけど。そこまでしてメリケンサック使いたいかと言うと……」
下位龍の時点でも使えなかったのに中位龍になっちゃったし更に力も上がったので、俺が使えるようになるまで強化するとなるといつまで時間がかかるのかわかったもんじゃない。
それに体術が使えるクラリスさんが使った方が有効に使ってくれるだろう。
修復機能を見せるついでに緋緋色金のメリケンサックを握り潰す。
実は偽物なんじゃ?ってぐらいあっさりぐにゃっと潰れる。
これでもかなり硬いはずなんだけどね。
装備すればBPが1000も上昇するし。
「映司さん私も握ってみて良いですか?」
因みにもう動画を取り始めてるので、偽物じゃないと証明する為に自分も試してみたいと言うことだろう。
アクションカメラを受け取って緋緋色金のメリケンサックを廣瀬さんに渡す。
廣瀬さんが曲げたりしようと色々やってみるけど一切形は変わらない。
「はぁはぁ。ありがとうございます」
息が上がった廣瀬さんから緋緋色金のメリケンサックを返してもらってアクションカメラを返す。
緋緋色金のメリケンサックに魔力を流して自動修復を発動させる。
ほっといても空気中の魔力を吸収してゆっくり修復してくれるけど、一瞬で修復させたい場合は魔力を流す必要がある。
「凄いですね。動画としてはこれだけで1本分のないようになるレベルですよ」
まぁ、そうだろうね。伝説の緋緋色金だし。
「映司様が武器が耐えられないと言っていたのは嘘じゃないんだと言うのはよく分かりました」
「ちなみにそれつけるだけでBP1000増えるから」
武器だから伸びるステータスは攻撃力全振りだけど。
地味に進化前の人間状態の俺ならそれつけて殴ればそれなりのダメージを与えられたはずってぐらいの攻撃力してるし。
BP5000って言っても攻撃力だ防御力だ素早さなどそう言うステータスを足したか数値らしいから。
防御力だけで考えると1000程度だったと思うし。
下位とは言え龍にダメージを与えられる武器
かなり優秀なのは確かだ。
ただ、レンジが短すぎて接近して攻撃する前に倒されると思うけど。
俺だって近づかれる前にブレスとか熱線とかで攻撃して倒すし。
「そんなとんでもない物をポンと出さないでください。うわぁ、ホントにBP+1000って書いて有る」
メイドスキルの簡易鑑定を使ったクラリスさんの言動がちょっとおかしくなる。
「使える人に使って貰った方が良いですし。ソフィアの護衛にそれを役立ててください」
「それを言われてしまうと断ることができませんね。ありがたく使わせていただきます」
「日本人としては緋緋色金の武器なんて憧れちゃいますね」
その気持ちは分かる。最初はテンション上がったし。ただ同じぐらいなぜメリケンサック?って言う困惑する気持ちもあったけど。
「因みにBP5万以上の龍種を倒した時に出た宝箱の中身ですよそれ」
「私が手に入れるのはちょっと無理そうですね」
ダンジョンマスター初回討伐報酬は好きなアイテムを1つ入手できると言う報酬があるので実際はダンジョンマスターまでたどり着いて討伐出来れば入手出来ると思う。
ダンジョンマスターは雷太と同じぐらいの実力と考えればBPで言うと大体4000~5000の
間だろうし、龍種を倒すよりはよっぽど簡単だ。
これ以上ここで話しているとホントに動画1本分になってしまうと言うことなので、ダンジョンの中に入る。
ダンジョンの中は迷路みたいな洞窟タイプだけど等間隔で松明が設置されていて、それなりに明るい。
洞窟タイプなのに光源を持ち歩かなくていいのは楽だ。
こんなに松明が置いてあって酸欠にならないの?ってちょっと心配になるけどダンジョンだし大丈夫なんだろう。
ヤバいんだったら、このダンジョンに潜ったことがあるSCSFの隊員から事前にそこら辺の注意があるだろうし。
SCSFが事前にマッピングしている部分は地図をみて最短距離を進む。
少し進むとスケルトンが2体現れる。
「メリケンサックの威力を試したいので私が相手をして良いですか?」
鑑定モノクルをで確認したらSCSFの事前情報通りただのスケルトンでBP75の雑魚なので2体ともクラリスに任せてしまう。
クラリスさんが小収納からパチンコ玉を取り出してスケルトンの足、大腿骨目掛けて投擲する。
パチンコ玉がヒットした大腿骨は粉々に粉砕されて片足が無くなったスケルトン達は地面に倒れる。
「失敗しましたね。癖で先ずは足を奪って機動力をそごうと足を攻撃してしまったんですが。これでは殴りづらいです」
そう言ってクラリスさんは地面を這いながら近づいてくるスケルトンの頭部を足裏で踏み抜く。
確かに地面を這ってる敵は殴りづらいよな。
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