第70話
ソフィアはあんなこと言ってたけど特に苦戦することなくお好み焼きをひっくり返すのに成功していた。
料理したことないって言ってたから1回ぐらい失敗するかなって思ってたけどな。
「で、今日はダンジョンに行くと」
「SCSFの本部予定地のダンジョンが未だにダンジョンマスターまで辿りつけないから俺にの潜って最下層までのマップを作って欲しいんだって」
なんかそのためにダンジョンをオートマッピングしてくれる魔道具を貸してくれるらしい。
地図は正直どうでも良いけど。ボスモンスターの初回討伐報酬とかダンジョンで手に入れた宝箱の中身はちゃんと貰えるようなのでかなり美味しい仕事だと思う。
そこら辺最初からハッキリさせておかないと
ダンジョンから出てきたら手に入れた物は全没収ってことも有り得るし。
「それなら俺はまたお留守番っすね。その間に自分のダンジョンをアップデートするっす」
雷太は自分のダンジョンを強化したいので今回のダンジョン攻略にはついて来てくれないようだ。
そこまで難易度は高くないダンジョンみたいだし。
俺たちからしたらだけど。
「ソフィアとクラリスさんはどうする?」
「私はレベルが上げたいのでご同行させていただきます」
クラリスさんはついて来ると……
「で、プラモデル組み立てる気満々だったソフィアは?」
「うーん…今日は動画も撮るんでしょ?」
今回は廣瀬博士もカメラを回しながら同行してダンジョンの攻略動画をあげることになっている。
今までダンジョンの中の情報はほとんど出回ってなかったし。ダンジョン一般解放の前にダンジョンが、どんなところなのか知ってもらう為にSCSFからの依頼らしい。
一発目の動画俺で良いの?みんなダンジョンの難易度勘違いしちゃうよ?と思わなくもないけど。
そこは上手くやってもらうとしよう。わざと苦戦する演技とか嫌だし。
「そう聞いてる。ついでに言うと今日撮った映像は編集して1週間後ぐらいにアップする予定って聞いてる」
「なら、私はパス。あんまりスキルを知られたくないし」
自分の戦っている所をアップなんかされたら対策してくださいって言ってるようなもんだもんな。
俺に関しては対策出来るもんならしてみろって感じだけど。
一般的な炎対策されてもどうとでもできるし。
まぁ、全てのスキルを使うわけじゃないし。
逆に炎にばっか対策してくるならそれはそれで楽になるし。
あえてここで遠距離からの炎を使った攻撃しかしないと印象づけさせるってのも良いかも。
動画を撮ってる間は人間状態のままのつもりだし。人間状態なら身体能力は高くないと勘違いさせられるかもしれない。
でも、人間の時にもスナイパーライフルの弾丸握り潰しちゃったし意味無いかも。
まぁ結局こういうのって見た人間がどう受け取るかで色々変わるし。
その時になってみないとわかんないか。
「じゃあ、今回は俺とクラリスさんと廣瀬博士、廣瀬博士の従魔アル。3人と1匹でダンジョンに入るってことで」
「本日はよろしくお願いします映司様」
「こちらこそよろしくお願いします。で、早速なんですけど。今日はお迎えが来ないので、ダンジョンまで自力で行かないと行けません。歩きか自転車かタクシーを拾って行くことになるんですけど……」
自転車で40分ぐらいの場所なので遠くは無いけど。メイド服のまま自転車に乗ってもらうのは不味い気がする。
「それでしたら私が車を運転できるので問題ないですよ」
家にも車はあるし。運転できるならそれを借りれば良いけど。クラリスさん日本の運転免許持ってるの?
「クラリスさん日本の運転免許持ってるんですか?」
「日本のと言うか。日本でも運転できる国際免許証を持っていますので」
初めて聞いたけど。そんな免許もあるらしい。
何はともあれそれがあれば日本でも運転できるなら問題ない。
車で行くなら10分ちょっとで到着するし。
車を使う分夕飯の食材も買って帰らなきゃいけなくなったけど。
そのぐらいで車を借りれるんなら安いもんだ。
と言うわけで家の車を借りてダンジョンに向かう。
「お久しぶりです。廣瀬さんそれにアルも」
ダンジョンの前には既に撮影用のアクションカメラを用意した廣瀬さんが待っていた。
廣瀬さんは普通に挨拶を返してくれるけど。アルは俺にビビって廣瀬さんの後ろに隠れてしまった。
相変わらず怖がられてるみたいだ。
別に何もしてないんだけどな。
「コレが自動マッピングの魔導具だそうです。今までマッピングされた地図と一緒に渡されました。マッピング中はずっと手に持っていないといけないみたいです」
そう言って廣瀬さんが渡して来たのは直径10cmぐらいの水晶。
コレを手に持ちながらダンジョンを攻略しろって地味に鬼だよね。
油断するとポロッと落としそう。
今回は前衛でバリバリ動く戦い方しないし大丈夫かな。
「ちなみに今回音声の録音は無しで私の後付け解説になるので、発言に気をつける必要はないです」
あ〜それは助かるポロッと変なこと言っちゃいそうだし。
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