第106話
「日帰りで京都か折角なら2泊3日ぐらいでゆっくり観光したかったけど。明日にはE国からダンジョンマスターが到着するし仕方ないんだけど」
核ミサイルを対処した次の日、大江山のダンジョンマスターに会いに行くために新幹線で京都に向かっている。
今日会いに行っておかないとまた会いに行くの遅くなっちゃうだろうし。
何だかんだやることが毎日増えていくし。
やっぱり俺以外の人にももっと強くなってもらわないと助けて欲しいって直ぐに俺のところに話しが来ちゃう。
SCSFにミスリル武器沢山渡しちゃうか。
料金は後払いって事にすればなんとかなるだろう。
今お金に困ってないし。寧ろダンジョンで手に入れた物と交換ってのもあり。
下位ダンジョンぐらい俺無しで攻略できるようになってもらわないと。
テイマーの従魔のレベルが上がれば下位ダンジョンは問題なく攻略できるようになると思うけど。テイマー以外だけでもクリア出来ないと後々問題になりそうだし。
「落ち着いたらエルフっ娘と二人で来ればいいだろう」
確かに大江山のダンジョンマスターが人間にも友好的なのか分からないし、今回は俺とリーリンさん二人しかいない。
二人で旅行するならソフィアとがいいな。
「そう言えば大江山に行く前に一箇所行きたいところがあるんですけどいいですかね?」
「一箇所ぐらい問題ないと思うがどこに寄り道するつもりだ?」
「伏見稲荷大社。今まで、忘れてたけどふと思い出したんだよね。昔、人間が入り込めない空間に入り込んじゃった時に助けてくれた稲荷狐がいたんだよね」
小さい頃は幽霊とか見えちゃいけないものが見えてた時期があったんだよね。
伏見稲荷大社で稲荷狐に助けられて以降そう言ったのが見えなくなって、その事自体をすっかり忘れていた。
稲荷狐が何かしてくれたんだと思うからそのお礼を言いに行きたいんだよね。
「なるほどな。映司はダンジョンが復活する前からそんな面白体験をしていたのか。まぁ、いいじゃないか?」
良かった。今朝、突然この話を思い出して急いで母に用意してもらったお稲荷さんが無駄にならなくて。
「稲荷狐のお土産にならなくても私のご飯になるだけだから無駄になることは無いぞ」
リーリンさん地味に母の料理気に入ってるよね。
兎に角リーリンさんの許可も出たし最初に行くのは大江山ではなく伏見稲荷大社ってことで
京都駅から電車に乗り換えて伏見稲荷大社に向かう。
駅を出てすぐに見える巨大な鳥居をくぐると観光客がそれなりにいたはずなのに俺とリーリンさん、そして巫女服を着た狐っ娘三人しかいない。
「これは神域だな」
一瞬ダンジョンかなって思ったけど、ここはダンジョンとは少し違い神が作り出して暮らしている空間。神域という空間のようだ。
人が神域に入るには基本招かれる以外に方法は無いらしい。
ごくごく稀に迷い込んでしまうことがあるらしいけど。
小さい頃の俺がそのごくごく稀を引いてしまって、今回は招かれた。
「貴方はあの時助けてくれた稲荷狐さんですよね」
「はい、楓と申します」
「楓さんあの時はありがとうございました。これお礼のいなり寿司です」
「ありがとうございます。いなり寿司は後でゆっくりたべさせていただきます。宇迦之御魂神様、荼枳尼天様も映司様とお話をしたがっていたのですが。今はまだその時でないと…時が来ればこちらから招待に伺いますので今回はここでお引き取りください」
まぁ、神様に会えるなら色々聞きたいことあるしな。俺にはまだその質問をする権利がないということなんだろう。
その時が来ればあっちから来てくれるみたいだし。大人しく帰ろう。
今回の目的は昔助けてくれた稲荷狐にお礼を言うことで、その目的は達成出来たわけだし。
後ろに見える鳥居を再びくぐると神域から出ることが出来た。
「アッサリことが済んで良かったな」
まぁ、確かにアッサリ帰って来れてよかった。
帰るのがめちゃめちゃ大変って可能性もあるし。
「正式なお客様は簡単に帰れるようになってるんです」
「そうなんですね。って楓さんなんでここに?」
自然と会話に入ってきたけど。狐耳としっぽな無くなった楓さんがとなりにたっていた。
「普段は普通の巫女をしていますので」
そう言う事ですか。
「折角ですので大江山までお送りさせていただきます。私の手を握ってください」
言われた通り楓さんの手を握る。
すると一瞬で目の前の景色が変わる。
「登山ルートからは大きく外れますがここから真っ直ぐ登っていけば古びた首塚があるはずです。それに触れればダンジョンに入れます。それでは私はこれで失礼させていただきます」
割としっかりした登山をすることになるな。
大江山はそこまで標高が高いわけじゃないし登山道もあるから余裕だろって思ってたけど。
ちょっと舐めてたかも。
飛んでいけば険しい山道とか関係ないかっておもったけど。
しっかり歩いて進まないと入口の首塚にたどり着けないらしい。
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