第420話
「これでマッピング出来てる階層の魔物は1度一掃した事になるし。依頼は完了だね」
あの後、SCSF隊員が正気に戻ってから移動を再開。
支部長さんから貰った地図を見ながら次の階層に進む魔法陣のある場所に最短で向かうルートを選んで進む。
道中落ちてる魔石とかのドロップ品を拾いながら進んだから、多少ノンビリ歩いて進む事になったけど。最短ルートを進んでいるので、時間がかかったと言う感じはしない。
SCSF支部に戻って支部長に動画を見せながら間引き完了しましたよって報告する時間を考えても。ゆっくり周辺を観光して、お茶をするぐらいの時間は確保出来そうだ。
「行ってない通路の方が多いのに、これだけのドロップ品を拾う事が出来た事を考えると。ホントに大量の魔物がダンジョン内にいたって事なんでしょうね」
「お恥ずかしい話なのですが。新藤様の要請の有無関係なしに魔物が増えすぎて誰も先に進めない状況でしたので……」
あ、やっぱりそうだったんだ。
ダンジョンに入ってすぐの場所なのに魔物の数多かったってことは。
入口付近の魔物を倒すことすら出来てない状況って事だもんな。
坑道風のダンジョンということで大人数でダンジョンに入ったとしても、実際に戦闘できるのは数人。
人数でのゴリ押しが出来ないのは辛いよな。
だからって魔物が増えてきたから、どうにかして欲しいって毎回頼まれるのも、どうかと思うし。
自分たちで管理出来るように何か対策を考えて実施して貰いたい。
俺からしたら、そこそこの額の成功報酬を貰えるし。毎回俺が対処しても良いかな?って思わなくも無いけど。
なにかあっても俺がいるから大丈夫。みたいな感じになってしまって日本の人達が努力をしなくなってしまったら日本は確実に世界に様々な分野で差をつけられてしまうだろう。
で、俺がいなくなった瞬間日本は崩壊する。
だからこそ、なんでもかんでも俺が解決する状況ってあんまり良くないと思うんだよね。
力のある者はその力を使って弱者を助ける義務があるって言うけど。
過剰な救済はその弱者を堕落させる。とも思うんだよね俺は。
まぁ、強者として君臨し続けたいが為に新たな強者を誕生させたくないなら過剰な救済をして弱者を堕落させるのもありだと思うけど。
まぁ、こういったものに正解なんてないんだろう。
「なにか冒険者が沢山訪れたくなる要素があるといいんですけどね」
岩モドキは打撃武器が有れば一般的な冒険者でも倒せない相手じゃ無い。
モグラに関しては地中からの不意打ちに気をつける必要は有るけど。慣れれば何とかなるだろう。
冒険者が一定数このダンジョンに来てくれるようになれば。コンスタンスに魔物が討伐されるようになる訳だから。ここまでダンジョン内が魔物だらけになる事は無いと思うんだけど。
「このダンジョンは武器の消耗が激しいし。そう遠くない場所に別のダンジョンも有りますから。このダンジョンに入ろうと考える冒険者の方々は、どうしても少数になってしまうんですよ……残念なことに」
そうなんだよね。島根県内には石見ダンジョン以外にもう1つダンジョンが存在していて、そちらのダンジョンの方が稼ぎやすい。どちらのダンジョンの方が人気になるかなんて考えるまでもない。
「そう言えば、このダンジョンは坑道風ですよね?壁を掘ったら鉱石が採掘出来たりしないんですか?」
坑道風なら壁を掘ったら鉱石が採掘できる見たいなギミックが存在してもおかしくないんじゃないかな。
実際アトランティスに採掘出来る洞窟が存在したし。
「新藤様そもそもダンジョンの壁は簡単に破壊出来るものではないので……」
確かに。アトランティスの採掘出来る洞窟は
巨大なフィールドダンジョンにある山に存在したからな。
ダンジョンの壁を直接採掘していた訳じゃない。でも……
「確かにそうだけど。鉱石が採掘できる
採掘ポイントがダンジョンの壁に存在して、そのポイントに限りダンジョンの壁だろうと破壊できるみたいな事があってもおかしくないんじゃないですか?」
ダンジョンの壁を破壊するのは相当苦労する。坑道風のダンジョンだとしても壁を掘って鉱石が出てくることは無いだろうって先入観から決めつけて調べてないなら可能性有るんじゃない?
「た、確かに……」
もし本当に鉱石が採掘出来るとなれば、このダンジョンに挑戦する冒険者が増えるだろう。そうなれば冒険者が集まらないって言う問題を一瞬で解決出来る。
と言っても県内にあるもう1つのダンジョンより稼げるようでなければ、鉱石が採掘出来ると言っても結局冒険者は集まって来ないだろう。
まぁ、現在判明している階層で採掘できる鉱石が冒険者が魅力を感じない鉱石だとしても。
もっと深い階層でならミスリルみたいなファンタジー鉱石も採掘出来るかもって考える冒険者が集まって来るだろうし。
冒険者が魅力を感じない鉱石しか採掘出来ないとしても一定数の冒険者は集まるだろう。
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