第152話
「そのトランシーバーについても、すっごい気になるけど。大分不穏な内容だったけど……映司君はどう動くつもりか、聞いても良いかな?」
ソフィアからの報告マイクロバス内に丸聞こえだったからね。まぁ、説明する手間が省けてラッキーと思っておこう。
このトランシーバー音量調整とか出来ないのかな?
詳しい使い方は鑑定モノクルじゃ分からなかったんだよね。
音量が下げれるツマミ見たいなのは無いけど、音量調節が出来ないなら、このトランシーバーで会話する時は周りに内容が筒抜けになる事を覚悟しないといけない。
「悪魔をそのまま野放しにしておくのは、絶対に良くないと思うので、直ぐに討伐に行こうかと。エリックさん達にはそのまま出国して貰って、後から合流します」
急いで旧C国に飛んで行って悪魔討伐。その後、エリックさん達の乗った飛行機と合流して。
飛行機の後ろでも飛んでついて行けば良いでしょう。
「映司君なら出来るんだろうけど。飛行機が飛んでる場所を特定するの難しくない?」
普通はそうだろうけど。闘技場で丁度良さそうなものが手に入っているので問題なく合流出来るだろう。
「コレは双子石って言うアイテム何ですけど。これを片割れづつ持っておけばお互いに、どの方向に向かえば合流出来るのか分かるって言うアイテムなんですよ。なんでこれを彩夏に持たせて、エリックさん達と一緒に飛行機に乗ってもらえば問題なく合流出来ます」
示してくれる方角は直線距離なので、地上だとイマイチ使いづらいアイテムだったけど。
空なら遮蔽物は無いから問題ない。
「映司君がそう言うなら、日本としては悪魔退治を止めることはないと思うよ。放置すると日本に被害を及ぼそうと動き出すだろうからね。一応、今から上に連絡はするけど。E国としてはどうでしょうかエリック王太子殿下?映司君は今、護衛としてここにいる訳ですけど」
俺がちょっと倒しに行ってくるねって言って勝手に言っていい話じゃないからな。
そもそも、ほんとに旧C国に悪魔がいるの?
って話だろうしな、俺以外からしたら。
俺はリーリンさんがそう言うならそうなんだろうなって納得できるけど。
「難しいところだね。悪魔が本当に存在するのか、今のところ明確な証拠が無いわけだし。存在したとして、日本の今の法律じゃ映司君が直接倒しに行くのは難しいんじゃないの?」
武力の行使が許されるのは、被害にあっている国からの要請があった場合か、攻撃を受けた場合のみって感じに法改定されたんだっけ?
悪魔から攻撃された訳でもないし、現地から救援要請もないから、俺が戦う事が許可されないって訳だね。
悪魔の近くに行けば、向こうから攻撃してくると思うから、自衛の為に戦いましたって言い訳すればなんとかなると思うけどね。
それに既に国が崩壊している地点でのイレギュラーの発生。
コレをこのまま放置していると、周辺の国が被害を被る可能性がある。
旧C国の周辺の国に悪魔の存在を教えて、悪魔の討伐を要請して貰えば良いんじゃない?
何時ぞやの旧C国はそうやってこっちが断れないようにしてきたじゃん。
と言っても、その方法を使うなら時間がかかるだろうから、日本からの出国が数日遅れるだろうけど。
それはそれで面倒なんだよな。
……思ったけど。俺から直接出向く必要ないよね?
相手の悪魔は俺狙いなんだから、近づいたら向こうから来てくれないかな?
旧C国でコソコソなにかしている事を考えると来ない可能性もあるか……
ちょっと煽れば、釣れるかも?
取り敢えず、その方向で行こう。
「じゃあ取り敢えず、悪魔に関しては傍観ッて事で。ソフィア連絡ありがとう」
「どういたしまして」
トランシーバーの通信がきれる。
すぐにスマホのメッセージアプリで「やりすぎちゃダメよ?」とメーッセージがソフィアから届いた。
俺が悪魔を放って置く訳がないと分かっているようだ。
「護衛としての仕事に集中するし。無理はしないよ」と返しておいた。
護衛中に襲いかかってくるなら戦わない訳には行かないからね。
ボーッと外の
景色を眺めるのにも飽きたので、空気を読まずにスマホを弄る事にした。
ネットニュースを見ていると、A国がダンジョンから入手した素材を使いパワードスーツを開発したと言う発表があったと言う記事を見つけた。
後日、お披露目予定らしい。
A国か〜。何か分かんないけど。俺の事を敵視してくる連中がいて面倒くさそうなんだよね。
俺は龍王より強いとか言って。今のところは興味無いから無視してるけど。
迷惑を掛けてくるんなら敵として扱わなきゃ行けなくなる。
「パワードスーツか……実際どうなんだろうね?」
パワードスーツを発明したと言う事自体はすごいと思うよ?
ただ一々、「幾ら龍王と言えど我々のパワードスーツの前では地面に膝を付けることになるだろう」とか言う必要がないと思うんだよね。
「彼らにも困ったものだよね。彼らは自分たちが1番である事に執着するからね。目をつけられた映司君には同情するよ」
「まぁ、好きに言わせておきますよ。どちらが強い弱いなんて自分たちが決めるものじゃない。活躍を見て他人が勝手に評価してくれるでしょう」
ここで俺が何か言ったところで、無駄な労力を消費するだけだし。
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