第358話
「思ったより弱体化が激しいな」
理外の能力を使っていつも通り転移で帰ってくる事は出来たけど。
ワープホールは作ってから30秒程で自然に消えてしまったし、理外に貯めていた魔力を使ったから、特に俺自身が消耗する事は無いはずなんだけど。
少し倦怠感がある。
今の状態だと連続で理外を使うことはやめた方がいいかもしれない。
後、絶炎も上手く使えない気がする。
理外を使って増幅させようものなら確実に大変な事になる。
いやまぁ、
大陸中を燃やし続けている聖炎の維持を止めれば問題ない話なので、ヤバそうだったらそうすれば良いだけか。
歩いてソフィアが待ってい宿に向かった。
「ただいま」
「おかえりなさい映司。無事で良かった。で、混沌大陸はどうだった」
宿に帰ると流れるように俺をソファーに座らせて座った俺の膝に座りながら混沌大陸について聞いてくる。
ソフィアの方が身長あるか俺に対して横を向いた体勢で膝の上に座っている感じ。
純粋に身長が欲しいって思ったの初めても。
今までは身長なんて低くても良いじゃん別にと思ってたけど。
ソフィアが175cmあるのに対して俺は162cmしか無いからな。せめて170cm欲しい。
龍の姿なら身長5m超えるとかそう言うのは無しで。
まだ16歳だし、これから伸びるはず……
中学校時代1cmしか身長伸びなかったけど。
まだ成長期が来てないだけ……と思いたい。
小学校時代は背の順が後ろの方だったのに中学生になると、どんどん前の方になっていったからな。
自分で言っててもう大して身長伸びない気がしてきた……
いや待てよ!身長が伸びる薬とかダンジョンでゲット出来るのでは?
と言うか魔女ならそう言った薬も作れるのでは?
そう言えば魔女で思い出したけど。ドロテアに抱き枕を作って貰う為の兎系の魔物の毛皮結局渡せてない。
ベアトリーチェにお願いした。ソフィアに似合うゴスロリファッションも地球に帰るまでお預けだし。
「大丈夫?疲れてるなら話は明日にしてもう寝ちゃう?」
「あぁごめん考え事してたら1人の世界に入り込んじゃってた。混沌大陸はアレだね魔物でも無ければ、穢れに触れなくても見ただけで嫌悪感を抱くようなおぞましいところだったよ。だから聖炎で浄化し続けてる」
「それって今もってこと?」
「地上の穢れを浄化しても地中から穢れが湧き出てくる感じだったからね。聖炎を維持して常時浄化し続けるようにしてる。多分地中に穢れを発生させるような何かが埋まってるんだろうね」
「ゴリ押し過ぎる……流石映司ね。それにしてもそんなことしてて映司に支障は出ないの?」
「いやガッツリ出てる。他人からすれば十分理不尽なことも出来るけど。かなり弱体化してる感じ」
「映司でも流石にノーリスクでそんな事をする事は出来ないのね。弱体化しようが他者からしたら十分理不尽な強さだとしても弱体化しているのは事実な訳だし。注意が必要ね」
その通りだ。全力を出せる時だって油断してたら格下に足元すくわれる事だってある訳だし。
弱体化している状態なら尚更だ。
慢心して死にたくないし。
別に王様じゃないからね。慢心する必要も無いだろう。
あ〜でも地球では龍王って呼ばれてるし。
いやいや、ネタで言うのは全然いいけど。
実践中にあんな事言ったりしないよ。
「って訳で 、明日からは俺の護衛お願い」
「任せて。私の〈嫉妬〉で襲いかかってくる敵は全員ミイラにするから」
ソフィアが手に入れた大罪系スキルは〈嫉妬〉バステト神の神官シェラ関係でジェラった時に獲得したらしい。
効果の説明に関しては、実際使ったときでいいか。
言葉だけじゃ説明しづらいところもあるし。
うんまぁ、効果の一部に生き物の生命エネルギーを奪う効果があって、それで生命エネルギーを全て吸われてしまうと乾燥ミイラみたいになって死んでしまうとだけ言っておこうかな。
「頼りにはしてるけど。やり過ぎないようにね?暴走させないようにね?大罪系スキルはそこら辺厄介だから」
大罪系スキルはスキルを通じて大罪の王(女だった場合は女王)と繋がっていて体を乗っ取ろうとしてきたり。
所持している大罪系スキルに関係する感情を昂らせ過ぎると大罪系スキルが暴走したりする。
ソフィアの場合は嫉妬心だな。
怠惰の感情を昂らせるって意味わからなくね?と思うだろうけど。
とにかくもう何もしたくない。呼吸すらしたくないみたいな?
昂っているとは違うけど究極に何もしたくない状態になると、怠惰のスキルが勝手に暴走する感じかな。
こんな感じで大罪系スキルは強力な分デメリットも存在する。
ご利用は計画的に。調子に乗ってると大罪系スキルのせいで自滅する事になるからな。
「分かってるわ。って事で私が嫉妬心を抱かないように、今日の残りの時間は私のことを可愛がって」
この後の予定なんて存在しなかったけど。
そんな事言われちゃ全力で期待に応える以外選択肢なんて存在しないんだよな。
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