第357話
「そもそもの話だけど。映司がそこまでする必要は有るの?創造神さえどうにか出来れば私たちは地球に帰れるって話だし」
「確かに混沌大陸なんて俺たちはノータッチでも問題ないかも知れないけど。万が一俺達がこの世界にいる間に邪神に復活されると俺たちじゃ手に負えない可能性が高い。となると邪神を復活させようとしている組織なんて早めに消しておいた方がいいと思ってね」
本物の神相手となると俺程度じゃ手も足も出ない。
この世界に来て直ぐに倒したのは神の振りをした神の使いだからな。
それも神の使いの中では大して強くない部類。
楓さんクラスの力を持っていたらあの時負けていたのは俺だっただろう。
そう考えると、割と綱渡りだったよなあの時。
まぁ、過去のことを悔やんでも仕方ない。
まぁ、その綱渡りだった出来事以上の事に巻き込まれないように先に手をうっておこうという訳だ。
それに創造神と邪神無関係とは思えないし。
邪神の復活を阻止する事が創造神の復活に繋がる……気がする。
「確かにその通りだけど……」
「まぁ、危ないと思ったら直ぐに帰ってくるから」
ソフィアには俺が連れていく気がない事がバレているから不満げなんだろう。
と言っても何かあった時に逃げるとなると俺1人の方が早いし確実だからな。
混沌大陸までの正確な距離は分からないけど。かなり離れているはずなので今から出発するのではなく、明日朝イチで出発する。
最低限の調べ物は済んだので図書館を後にして、その後は寝るまでソフィアとイチャイチャして過ごした。
ーーー
「それじゃあソフィア行ってくる」
「ちゃんと無事に帰ってきてね?」
「当然。俺だってこんなに早く死にたくない」
ソフィアに行ってきますと言ってから上空に飛び立ち混沌大陸に向かって飛んでいく。
今回は全速力で飛ぶ。飛んでいる最中に何度か空飛ぶ魔物に体当たりする事になったけど。
それ以外は特に何事もなく混沌大陸だろうと思われる大陸の上空に辿りついた。
黒いモヤがかかる紫色の大地。まず間違い無いだろう。
広さ的にはAUS大陸と同じくらいかな?
気分転換に透明化して地球中を飛び回ってた時に見たAUS大陸と同じぐらいのサイズ感なので凡そ間違いないだろう。
魔人相手に対話を試みるつもりは無いので、最初から躊躇無く攻撃を始める。
油断をするつもりは無いので、最初から圧縮と憤怒の王を使って全力を出せる状態になる。
とりあえず大陸の上空から聖炎で攻撃を開始する。
聖炎で黒いモヤも払う事も出来たが、地面から黒いモヤが湧き出て元通りに待ってしまう。
やっぱり神由来の力は一筋縄には行かないな。
とりあえず大陸中を聖炎で攻撃して魔人を少しでも減らしておくか。
「ん?角だけじゃ無くて翼の生えた魔人もいるのか」
混沌大陸に攻撃を初めて大分経った頃。
角だけじゃなくてコウモリのような翼が生えた魔人が現れた。
聖炎を避けてこちらに接近してきたので、理外を使って対処した。
神由来の力穢れを浄化出来ればと思って聖炎を使ってたけど。地面からどんどん湧き出てくる現状聖炎だけじゃ浄化しきれない。
となれば聖炎を使わないで憤怒の王で大陸の温度を上昇させて一掃した方が早い気がする。
と言ってもこの大陸に邪神の1部が封印されてる気がするんだよね。だからこそ穢れが今尚湧き続けてるんだろうし。
となると考えなしに大陸にまでダメージを与えてしまうと、邪神の封印が解けるみたいな事態になってしまう可能性もある 。
「聖炎で浄化し続けるか」
聖炎を使えば穢れを浄化すること自体は可能。
しかし、新しい穢れが地面から湧き出ている。
一瞬浄化したところで無意味。
なら、聖炎を維持したまま浄化し続けると言うのはどうだろう。
地面から湧き出て来た端から浄化し続ける。
大陸全体をと考えると発動するのにかなりの魔力を消費するし。発動する時ほどの量じゃないけど維持にも魔力を消費し続ける。
それに聖炎の維持に意識をさかれるから、いつも通り戦えなくなるだろう。
その状態でも負ける気はないし。ソフィアもいるんだから何とかなるだろう。
ソフィアもこっちの世界に召喚される前に大罪スキルを手に入れているので更に強くなっているからね。
王のスキルを持つ悪魔が肉体を奪おうとしてくる可能性も有るけど。
今のところスキルを通じて接触して来ていないようだ。
1度、混沌大陸に攻撃するのをやめて、更に高度を上げ魔力を大量に消費して巨大な聖炎の火球を作り出す。
完成した巨大な聖炎の火球を地面に向かって放つ。
地面に火球が触れた瞬間大陸中に聖炎が広がっていく。
やがて大陸中が聖炎に包まれて穢れが浄化される。
表面上は穢れが見えなくなったけど。
今もまだ地面から湧き続けている筈だ。
混沌大陸にいた魔人は一掃できた筈だし。
ひとまず撤退しよう。
理外に貯蔵された魔力を使ってソフィアが待っている街に転移した。
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