第426話
「話題になっている子は色々あって一時的に預かる事になっただけで、俺とソフィアの実子では有りません」
「だろうね。妊娠期間とか、そう言うのを考えたら実子じゃないってのは分かると思うんだけどね……話題になっている以上事実確認をって煩い連中がいてね」
「そうだったんですね、すいませんいきなり大声出したりして。ちょっと焦ってました」
「まぁ、焦るのも仕方がないよ。ちょっとソフィアと代わって貰って良いかな?」
俺が大声だしたせいでリンゴがびっくりして起きちゃったからちょうど良かった。
「ソフィア。エリックさんが代わってだって」
ソフィアにスマホを渡すと、リンゴがモジモジしているのに気づく。
「もしかして……トイレ?」
まさかと思って聞いてみると。
うん。と返事が返って来る。
ヤバい!抱っこしている状態でとかシャレにならない。
割と猶予がなさそうな感じなので、後はソフィアに任せてSCSF支部のトイレに走った。
ーーー
「はぁ間に合って良かった」
SCSF支部の人達に事情を一切説明せずにトイレにダッシュしたから相当びっくりされていると思うけど。
リンゴに漏らされるよりはマシだ。
「それにしても上手にトイレするもんだね」
リンゴは洋式便器の上でホバリングして器用に洋式便器に大と小をしている。
「ストップ!」
終わった瞬間、俺のところに戻って来ようとしたので、ストップさせる。
トイレットペーパーを長めに出して総排泄腔周辺を拭いて上げて最後に炎で消毒する。
「はい。もういいよ、おいでー」
流石にした後拭きもしないで抱っこするのはね……
そう言うと嬉しそうに、こちらに飛んで来たので抱っこしてあげる。
手を洗ってトイレから出るとトイレ前に人が沢山集まっていた。
「あぁ〜。この子がトイレって言うからちょっと焦ってたんですよ」
そう説明すると、なんだそういうことか〜と集まっていたSCSF隊員達が元の持ち場に帰って行った。
「はいこれ。取り敢えず。E国王室が正式にその子は私たちの子供じゃないって発表するって」
逆に大事になりそうだけど。ソフィアは王族な訳だし。
仕方ないか。
「それじゃ帰ろう」
なんか最後の最後でどっと疲れた。
転移を使って帰宅した。
「その子がワイバーンの赤ちゃん!すっごく可愛い!」
家に帰ると彩夏が俺が抱っこしているリンゴをヒョイっと取り上げて掲げた状態でグルグル回っている。
リンゴは状況が理解出来ずにパニックになっている。攻撃しないだけの冷静さは残っているようだけど……このままだとリンゴが彩夏に攻撃するのも時間の問題か。
彩夏は自身はリンゴに攻撃されようと死ぬことはないだろうけど。建物は無事じゃすまないだろう。
「彩夏。リンゴは赤ちゃんなんだからもっと優しく可愛がって上げて。リンゴ、その人は俺の妹だから悪い人じゃないよ」
2人に声をかけて落ち着かせる。
「あ〜雷太にフィロ。リンゴの通訳頼む」
俺はもう一人我慢がきかなくなり始めている人のあいてをしなきゃいけないので、リンゴのことは雷太とフィロに任せる。
雷太に関しては悪い見本にならないか心配だけど、フィロがいるなら大丈夫だろう。
「古池さん、ナディアさんすいません後は自由解散ってことで」
ニコニコすぎて逆に怖いソフィアをと一緒に自室に戻って行った。
ーーー次の日ーーー
「雷太の方に懐いちゃったかー」
「そうですね。先輩に懐いてしますと将来だらしない飲兵衛にならないか心配です」
「2人とも酷いっす」
次の日、起きてすぐにリンゴは大丈夫だろうかと心配になったので探してみると雷太にくっついてスヤスヤ寝ているリンゴを見つけた。
どうやらフィロでは無く雷太の方に懐いてしまったようだ。
雷太もダンジョンの管理はしっかりしてるし、何かあった時の戦力としても優秀。
頼りになる存在ではあるんだけど、酒を飲みまくっている印象がな〜
後、余計な事教えそう。
「そ、それはそうと映司様。リンゴをどかして欲しいっす。ちょっとトイレに……」
トイレ我慢してるのか。
「そう言えばリンゴは洋式便器で器用にトイレしてたな……」
雷太は吸収されるからってダンジョンで直にしているからな。
「おっ俺だってトイレぐらい綺麗に使えるっす」
リンゴを抱っこして雷太から離すとそう言い残して家のトイレに飛んで行った。
「さてと。雷太に懐いちゃった以上しっかりとお手本になってもらわないといけないからな。ん?電話、河村さんからだ」
リンゴの件で進展があったかなと電話にでる。
「朝早くからすまないね」
「全然大丈夫ですよ」
「そう言ってくれると助かる。今、電話したのは例の女性が目を覚ましてね。映司くんが大丈夫なら赤ちゃんワイバーンのリンゴくんを連れて女性に会ってくれないかな?」
無事に目を覚ましたか。俺が傷を治したから大丈夫だとは思ってたけど。良かった。
リンゴもこの話を伝えたら直ぐに行きたいって言うだろうし。出掛ける準備して直ぐに向かおう。
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