第425話
「良いの?」
「まぁ、相手が何もしてないのに、こっちから手を出すと俺たちが加害者になる可能性もあるし。このまま俺たちの事を尾行するだけなら無視で良いよ」
正直、俺たちって狙われる理由がありすぎて今、悪意を向けて来ている奴らはリンゴが関係ない理由で俺らの事を狙っている可能性も有るからね。
現状面倒事を増やしたくない。
まぁ、グダグダと理由を喋ったけど。少しぐらいデートさせてくれても良いじゃん!
ってのが、今回怪しい連中を無視する一番の理由なんだけどね。
と言う訳で、悪意を持ってこちらを尾行してくる連中を無視して歩きソフィアが着物をレンタルしたと言うお店にたどり着いた。
ソフィアが洋服に戻るなら俺も洋服に戻そうかなって思ったんだけど。
リンゴを抱っこしている状態だからな。
起こしちゃったら可哀想だし。家までこのまま和服姿だな。
「失礼します。新藤様、少しお話よろしいでしょうか?」
ソフィアが着替えて帰ってくるのを待っていると。スーツを来た胡散臭いつり目の男が話しかけてきた。
……ふーん。まぁ、話に付き合ってやるか。
「連れが帰って来るまでなら話に付き合ってやるよ」
そう返事すると。怪しい男の口角が上がる。
俺に催眠系のスキルが効いたとでも思ったんだろう。
「それでは、お時間が少ないようですので単刀直入に言わせて頂きます。そちらのワイバーン本来の持ち主は私なのですよ。今回刺されて病院に搬送された女は私からワイバーンを盗んだ盗っ人なのです」
「つまりリンゴを引き渡せと?」
「そうです。何もおかしい事は無いでしょう?」
「はぁ、いくら手短にと言っても。名乗ることすらしないとは思わなかったぞ?スキルによる催眠状態の俺ならそこら辺適当でも問題ないとでも思ったか?」
「は?」
俺が言ったことが理解できなかったのか。
間抜けな顔をして『は?』と一言発して固まってしまった。
「だーかーら。俺に催眠系のスキル使ったでしょ?」
「な、何で!い、良いから早くそのワイバーンを渡せ!」
「無理。実際問題、今回の事件の深く関わっている存在としてSCSFから正式に、事件が解決となるまでこの子の面倒を見てくれって依頼を受けてるから百歩譲ってアンタが本当にこの子の関係者だったとしても。俺が今はいって渡すことは出来ない。先ずはSCSFに問い合わせてくれ」
うろたえる男から視線を外さず。少し思いついたことを理外に出来るか聞いたら余裕と念話が帰って来たので、男が俺の前からいなくなる前に一仕事お願いする。
「そ、そうですか……それではSCSFに事情を説明しに行くとします」
そう言って怪しい男はそそくさと店を出て行った。
「見逃して良かったの?どう考えても真っ黒だったけど?」
そう言いながらお店の奥からソフィアが戻ってきた。
「確かに真っ黒だろうけど。俺に催眠系のスキルを使ったって言う証拠を提示することが出来ないからな」
効果が目に見えないスキルってそこら辺面倒だよね。
後、思ったんだけどさ。スキルを使えばゴリ押しできるからか。後先考えない方法を使ってくる連中多すぎない?
さっきの男もだけど。なんと言うか持っと逮捕する事が出来ないギリギリの方法でリンゴを奪おうとして来なかったじゃん?
まぁ、スキルを使えばそんな方法でも何とかなっちゃうのが恐ろしいところだよね。
だからこそソフィアは見逃して良かったの?って聞いてきたんだろうけど……
「あの男は、今現在取得しているスキルを使う事が出来なくしたから催眠系のスキルを使う事は、もう出来ないから問題ないよ」
理外に男とスキルの繋がりを斬って貰ったからな。
男は現在取得しているスキルを使う事が出来なくなっている。
あくまで斬ったのは現状取得しているスキルとの繋がりなので、スキルの書とかを使って新しく覚えたスキルは使えるけど、催眠系のスキルが使えなくするのが目的なので問題ない。
理外に指輪の状態でも、あの男とスキルの繋がりを斬ったり出来る?って聞いたら。
そんなの朝飯前だと言って、ちゃちゃっと済ませてくれた。
いやー効果が目に見えないスキル…では無いけど、能力って厄介だよね〜
「だから、SCSF隊員が催眠系のスキルを使われてSCSFにリンゴをあの男に渡して下さいって言われる事はないよ」
「そう、なら放置でも。そのうちボロを出して自滅しそうね」
「俺もそう思う」
というか特に考えずに今SCSF支部に突撃してるんなら、既に捕まってるんじゃないの?
「少し残念だけど。もうそろそろ集合時間だ。急いで集合場所に向かおう」
ーーーー
「その子が例の?」
「例の?」
「ネットで映司さんとソフィアさんの実子なのか?いや、あの姿はワイバーンだから実子では無いだろう見たいな論争が白熱してたので」
なんつう話題で白熱してるんだよ……
「色々あって保護する事になったワイバーンの赤ちゃんで実子では無いよ」
これは違うって発信しといた方が良いかも。
その前にソフィアと相談した方が……と対応を考えているとスマホの着信音が鳴る。
誰からの電話かと思ったらエリックさんからだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます