第292話
「もう、訳が分からないっす」
「そういう訳だから自分のダンジョンでスタンピードが発生するまで魔物が増えないように設定しといてね」
「それを知っているって事は本当にダンジョンの設定がどう変わったか知ってる見たいっすね」
「わざわざこんな嘘つく訳無いだろう」
「それもそうっすね」
「取り敢えず、この事を河村さんに伝えておかないと」
超重要な情報な訳だし。
地球の話をする訳には行かないから雷太から話を聞いたことにするけど。
「と言うわけで俺はこれから河村さんに電話をかけるよ」
「了解っす」
雷太は俺が起きたと皆に知らせに行くっすと言って部屋から出て行った。
結構乱暴に起こそうとしても起きなかったから皆少し気にしていたらしい。
地球の領域にお呼ばれしていたからな。
「お忙しいところ突然電話をかけてしまい申し訳ございません。至急伝えておかないと行けない事が出来たので連絡しました」
俺と一緒にA国から昨日帰って来た訳だから今頃は溜まっている仕事を必死に片付けているところに、更に仕事を増やすような話だからな。
申し訳ないけど頑張って貰うしかない。
「映司くんが重要って言う話しか……ちょっと待って貰って良いかな?」
「全然大丈夫ですよ」
話を書く為の紙でも用意するのかな?と問題ないですよと返事をすると、スマホ越しに水を飲んでる音が聞こえてくる。
もしかして胃薬飲んでる?
まぁ、俺の話を毎回初めて聞かされてる訳だし胃にダメージは受けているだろう。
と言っても話をしない訳にはいかないので頑張って貰うしかない。
「待たせてしまって申し訳ない。準備が出来たから要件を聞かせて欲しい」
「分かりました。今回はですね……」
スタンピードの発生条件が少し変更された事を説明した。
「それはまた……日本的に考えれば好都合では有るのか?いや、管理し切れなかったダンジョンでスタンピードが起きて外から日本に魔物がくる可能性も……」
そうなんだよな。旧C国に存在するワイバーンが出現するダンジョンとか、どうにかしないと早いと1ヶ月後にまたスタンピードを起こす可能性がある訳だし。
強引にあのダンジョンの周辺を確保して魔物の間引きを実行するか?
それでスタンピードは抑えられるだろうけど、スタンピード以外の問題が発生するだろうからな面倒な話だ。
ただ、スタンピードが発生した後に助けてくれって言われるのも面倒だ。
少し圧力をかけるか?そこまでしなくてもどうにかなるかも知れないし。それは最終手段にしておくか。
旧C国の土地は現状どこの国のものでは無い。
ワイバーンの被害にあった国は交渉は割とすんなり行くんじゃないかな。
スタンピードの条件が変わったと言う話を信じて貰えるかと言う問題もあるけど。
「雷太くんから聞いたと言う事だけど。雷太くんからしても、この変更は突然のものだったと言う事で間違いないんだね?」
「そうですね。雷太が焦って俺の事を叩き起しに来ましたから。嘘って事も無いでしょう」
「この情報を日本だけで秘匿する訳には行かないか…話を信じる信じないは置いといて各国に通達する必要があるか」
情報を相手が信じなかったとしても黙ってたら後々その事で文句言われるだろうからな。
言ったとしても、警告を信じないでスタンピードを発生させてしまった国が『如何してもっと真剣に警告してくれなかったんだ』とか行って文句行ってくるんだろうけど。
「そこら辺はおまかせしますよ。俺は魔物の間引きの方で活躍させて頂きます」
「そうだね。映司くんにはそっちで活躍してもらう方がこちらとしても有り難い」
「そうですね。日本でスタンピードが起こる事が無いよう頑張らせてもらいますよ」
まぁ、俺が全部やらなきゃ行けないって事も無いだろう。
不人気だったり難易度が高めだったりと言う理由で挑戦者が少ないダンジョンに行って魔物を間引くって感じで良いだろう。
那覇ダンジョンとかは俺が定期的に俺が間引きに行かないと駄目だろうな。
両生類使いのスキルの書を那覇支部のSCSF隊員に使ってシーサラマンダーを従魔にして貰ったけど。
その隊員1人と従魔だけじゃ間引きが間に合うと思わないし。
やっぱり水中ってのがネックだよな。
まぁ、魔物の間引きとか関係なく那覇ダンジョンには海産物目当てでちょこちょこ行くつもりだし。間引きをしなきゃ行けないから行くって感じじゃないけど。
「この件については1度総理にまで持って行く事になるから。詳しいことが決まったら、その都度報告するよ。ようやく映司くんが保管している核兵器の処分を見届ける人員が決まったから日程も近いうちに決められるかもと思っていたけど。また日程がズレそう」
「まぁ、時間停止機能がついたマジックバッグに仕舞ってあるから問題ないと言えば無いですけどね」
それよりは天皇陛下との会談だったり彩夏を八咫鏡のある場所に連れていくとか。もう忘れてない?って要件も残ってるんだよね。
後者は別にこのまま流れての良いけど。
前者に関してはスサノオからの預かっている物を渡さなきゃ行けないから会いに行かなきゃなって思ってるんだけど……
どうなってるんだろう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます