第293話
「あの〜俺も若干忘れてた感じでは有るんですけど。天皇陛下との会談ってどうなってます?渡さなきゃ行けない物が有るんで、あんまり先延ばしにするのもアレなんですけど」
放置気味なのは俺のせいでも有るからあんまり強く言うことは出来ないけど。
そろそろ渡さないとアレだよなと思いながら河村さんに話を聞いてみる。
「それに関しては何時になるか微妙な感じと聞かされている。どうやら皇室の中に3種の神器を使って日本の王になろうと言う野心が見え透いている方がおられるようで、そんな現状で3種の神器の1つをパワーアップさせる訳には行かないと言うことだそうだ。そのせいで八咫鏡の使用制限も更に厳しくなってSCSFの仕事にも若干支障が出始めているんだ」
強大な力が手に入るなら。そういう風に考えてしまう人がいるのも仕方の無い事だ。
そう言う欲望が有るからこそ人間はここまで進化出来たんだと思うし、その欲望を悪いものだと一方的に判断する事は出来ないと俺は思っている。
「そう言う事ならパワーアップアイテムを渡すのは、その件が片付いてからですね。暴走されて俺が対処しなきゃ行けなくなるの面倒臭いですし」
今パワーアップアイテムを渡したらその動きを激化させちゃうだけだろう。
神器の力を好き勝手使われちゃ俺だって倒すのに苦労すると思うし、パワーアップアイテムは渡しても安全だと確信をもててからだ。
河村さんにはスタンピードの発生条件の変更について土御門総理に伝えて貰わないと行けないし。
電話をしている間は仕事が進められない訳だし、何時までも電話をしているのも申し訳ないのでここら辺で話を終わりにして電話を切る。
「さてと。この後どうしようかな」
今やらなきゃ行けないことも終わっちゃったしな。
無難にダンジョンにでも行くことにするか。
魔物を間引くのが重要になった訳だし。
折角ならまだ行ったことないダンジョンに言って見ようかなもしもの時に転移で移動できるようにしておきたいし。
何処のダンジョンにしようかなとスマホを使ってダンジョンについて調べて見る。
何でも情報が載っている訳では無いけど。
冒険者の動画とかを纏めてあるまとめサイトとかあるからな。
何処にダンジョンの入口が有るのかぐらいだったら直ぐに調べられる。
「どうしよっかな……」
ここ!ってダンジョンが無いんだよな〜。
折角だし北海道まで行って見るか。
北海道にもダンジョンが有るみたいだし。
そうと決まれば早速北海道に飛んでいこうと準備を始める。
ソフィアもダンジョンに誘ったけど。今回は会社の設立の方で忙しいと断られてしまった。
ダンジョンに入るには不正入場する事になるからって理由も有るだろうから。
無理に誘うつもりは無い。
1人でダンジョン探索か……勝彦を連れて行くか。
「って訳で北海道に行くぞ勝彦!?」
「唐突すぎるだろ。何でそんな事になったの?」
「北海道にあるダンジョンに行こうかなって1人で行くのも寂しいし勝彦を連れていこうかなって」
「そういう事……そういう事なら同行させて貰うよ」
「おっけー。それじゃ後で迎えに行くから準備して待ってて」
先ずは、北海道のダンジョンがある場所に俺一人で飛んで行って転移で行き来出来るようにしてから勝彦を迎えに行くのがいちばん早いだろう。
家を出て北海道に向かって飛んで行く。
飛行機とかヘリコプター見たい飛んでる物にぶつからないように気をつけて飛んでいく。
うっかりでも見落とす事は無いだろうし大丈夫だとは思うけど念の為ね。
ぶつかったら相手がタダじゃ済まないし。
「札幌到着〜」
北海道にあるダンジョンの入口は札幌と網走に有るらしく。今回入るのは札幌に出現したダンジョンだ。
「それじゃ勝彦を迎えに行くか」
転移で勝彦の家の前に移動する。
家の周りをうろちょろする人間が何人かいるな。
勝彦に接触しようとする連中か。
少し慎重になって、コソコソ情報収集している段階かな?
まぁ、どうでも良いか。
関係ない連中はガン無視して勝彦の家のインターホンを押す。
「かーつひーこくん、あーそびーましょ」
「なんだよそれ。取り敢えず中に入って」
ちょっとおふざけがすぎたかな?
呆れた表情の勝彦が玄関のドアを開けて中に入ってこいと言ってくる。
「それじゃ遠慮なく。失礼します」
ドアを閉めたら玄関から札幌に転移する。
「映司の転移は本当に便利だよな。サティの分身との位置交換も転移と言えば転移だけど。サティ本体と分身以外は位置を交換出来ないし」
そう言えばあれも転移だよな。
使っていればもっと出来る事が増えるかもな。
ダンジョンの入口からは少し離れた場所なのでフラフラ歩いてダンジョンの入口に到着。
少しだけ冒険者が並んでいたので一番後ろに並ぶ。
並んでいる間に地域の冒険者に絡まれると言うようなイベントは一切起こらずに、冒険者ライセンスを使って入場記録をつけてダンジョンの中に侵入した。
ダンジョンの中は自分が小人になったのかなと錯覚してしまうような巨大な子供部屋が広がっていた。
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