第294話

「スマホで情報は見てたけど本当に変わったダンジョンだな」


ダンジョンの中に入ったと思ったら巨大な子供部屋が広がっている。

ところどころ積み木などのおもちゃで建物が作られていたり障害物が用意されている。


「出てくる魔物も玩具何だもんな〜」


ダンジョンを見回している知ると兵隊の姿をしたくるみ割り人形が近づいて来る。


銃剣を構えたと思ったら躊躇無く射撃してくる。


まぁ、余裕で避けれちゃうんだけど。

見た目がコルクの銃弾を避けて熱線で反撃する。

見た目はコルクだけど、騙されたら行けない。普通の銃弾と変わらない威力があったはずだ。


「ドロップは魔石だけか」


このダンジョンは、剣や槍等様々な武器のオモチャがドロップするらしい。

オモチャなので剣と言っても刃はついていない。

と言ってもダンジョン産なので打撃武器として、それなりに使えるらしい。


使う事は無いけど、1度見てみたいなと思ったんだけど……まぁ、適当に戦っていればそのうちドロップするだろう。


「初めからわかっていたとは言え、戦うと言うより蹂躙だよな」


俺が攻撃したら手加減してても一撃だし、やっぱり戦闘は勝彦に任せよう。


「今回、戦うのは勝彦だけにしよう。戦闘の練習になるし」


勝彦は従魔は頼りになるけど本人は激弱とは言わないけど。強くないからな。

無理に強くなる必要はないけど。

最低限、自分の身を守る程度に戦えるように戦闘に慣れておいた方がいい。


流石に近接戦をさせるつもりは無い。

魔法陣のスキルを使って攻撃魔法を撃てる人工魔導具を作れるはずだからそれを使って遠距離で戦って貰う。


近づかれた時の対処方法も練習した方がいいのかも知れないけど。

ゴーストシープのフユが何時も近くにいるから、勝彦が対処しなくてもフユがどうにかしてくれる気がする。


サティも分身を出せるようになったから、戦闘で自分が勝彦から離れる時は最低でも一体は分身を勝彦の傍に配置していく。


なので勝彦の守りは割とガチガチなんだよな。


「俺がメインで戦闘?」


「まぁ、魔法を命中させる練習と思って」


「魔石の消費がなぁ〜映司程稼げている訳じゃ無いし」


確かに魔石の消費は勿体ないか。


「それじゃ偶に勝彦が戦うって事で」


そんな事を話しながら無防備に進んでいると積み木で出来た障害物に隠れていた兵士の姿をしたくるみ割り人形が5体出てくる。


相手が攻撃をしてくる前に熱線を使って倒す。


そう言えば、スタンピードの件を聞いた時に魔物の召喚コストを下げたから魔物の出現数も増えると思う的な事を地球が言ってたな。


1階だと同時に出現する魔物の数は3体までが最大って情報があったけど。

ダンジョン入って直ぐに5体同時だからな。

早速、魔物の出現数が増えているようだ。


「情報より一度に出現する魔物が多かったな。もしかしてこのダンジョンで異変が起きてる?」


勝彦も俺が札幌に向かって飛んで移動している間にダンジョンについて軽く調べていたらしく、5体同時に魔物が現れたのを見てダンジョンで何か起こっているんじゃないかと思ったようだ。


「情報と言っても。ダンジョンが現れたばっかりで調査なんてほとんど進んでいないんだから。情報が100%正しい情報とは限らないし。ダンジョン内で異常事態が起きているかは微妙じゃない。まぁ、今回は異常事態と言うかダンジョンの設定が少し変わって出現する魔物の数が増えたからだと思うけど」


「アッサリ、やばい情報を喋らないでくれよ。ダンジョンの設定が変わったって一体どう言う事だよ」


「雷太から聞いた話だけど。スタンピード関係で少し変更があったらしいよ。詳しい話は政府から発表があるからそれを聞いて」


「まぁ、誰が聞いているか分からない場所でするような話じゃないだろうし。大人しく政府の発表を待ってるよ」


「まぁ、発表にそう時間はかからないと思うよ。っとほんとに魔物の数が増えているな今度は6体か」


そんなに歩いていないはずなのに今度は6体の集団と遭遇した。


魔物の召喚コスト下げすぎじゃない?

弱い魔物だからってのも有るんだろうけど。

昨日までと同じだと思ってダンジョンに入った冒険者が大怪我したりしてそうだな。


見つけたら助けてあげよう。


因みに今遭遇した6体のくるみ割り人形はサティの突進一発で粉々に砕け散った。


「魔物の数が増えたって事はしっかり対処できるなら冒険者の稼ぎが少し増える様になるな」


「数が増えたらその分値段が下がるんじゃないか?」


「確かにそうかも知れないけど。今回に関してはそれは無いと思う。むしろ買取価格が上がる可能性もあると思う」


スタンピードを発生させないようにするには出来るだけ多くの人にダンジョンに入って貰って魔物を倒して貰う必要が有るからな。

魔物のドロップの買取価格を下げますなんて言ってダンジョンに挑戦しようって人が減ると困るわけだ。


スタンピードを止めるためにはダンジョンマスターにスタンピードが起きないように設定させるしか無いよりかはマシだと俺は思うけど。

しっかり魔物を間引かないと、その頃のスタンピードのスパンより早い期間で何度もスタンピードが起きてしまうからな。


なので買取額を下げるどころか少しでも上げて、冒険者を増やそうとする可能性すらあるという訳だ。



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読んでいただきありがとうございます。


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