第338話
「冒険者登録の受付はここだって聞いたんですけど?」
「はっはい。ここであってます。新規登録が2名様で間違いないでしょうか?」
あの後、再び通せんぼされるような事はなく無事に冒険者ギルドに到着。
新規で冒険者ギルドに登録したいと入ってすぐの受付の人に言ったら専用の受付が2階に存在するのでそちらにお願いしますと言われたので2階に移動して冒険者登録をお願いしに来た。
冒険者になろうと来た若者がガラの悪い冒険者に絡まれないようにする為の対策なのかな?
勝手なイメージだけど、上の階はランクの高い冒険者専用のスペースかと思ってた。
冒険者ギルドの建物は3階建て見たいだし3階部分はそんな感じの使われ方をしているのかも知れない。
「はい。新規登録2人です」
「畏まりました。それではこちらの用紙に必要事項の記入をお願いします。それと登録料が一人あたり銀貨3枚になります」
そう言って渡されたのは割と質が良さそうな紙。
ただの冒険者登録にこのレベルの紙を使えるって事を考えると割と技術は発展していそうだ。
地球人の、こんな世界があったらいいなって想像が集まって生まれた世界だからそこら辺はあまり気にしない方が良いのかも知れない。
今のところ異世界人は種族関係なしに日本語を喋るし、使われる文字も日本語な事も含めて。
後、お金については忘れないうちにさっさと払っておく。
取り敢えず。深く考えず異世界だからってことで納得しておこう。
「一応、確認させて頂くのですが。代筆は必要ですか?」
「大丈夫です」
「失礼致しました。それではこちらのペンをお使いください」
そう言ってガラスペンとインクを渡される。
流石にボールペンとかは存在していないんだな。
まぁ、羽根ペンよりはガラスペンの方が書きやすいのかな?
どっちも使った事が無いから分からないけど。
それにしてもガラスペンだと雑に扱って壊す冒険者も多そうだけど……
あぁ、そう言う冒険者には羽根ペンを渡すのか。
受付の近くに羽根ペンも置いてあったので相手によって使い分けるんだろうと一人納得した。
取り敢えず、必要最低限の項目を埋めていく。
名前、年齢、特技だな。
出身とかも書く欄はあったけど。絶対ではないようなので書かない。と言うか書けない。
それにしても特技か……釣りとか書いとこうか?流石に初めからふざけるのは止めておこう。
本気で釣りが得意なら特技に釣りって書いてもいいと思うけど。釣りはそこそこ好きだけど特技と言える程うまいわけじゃないからな。
取り敢えず特技欄には炎を操る事と書いておいた。
「ご提出有難うございます。それでは冒険者カードに情報を記録して来ますので少々お待ちください」
そう言って受付の人が奥にあるワープロのような魔導具を操作し始める。
眺めながら待っていると隣に設置されているプリンターのような魔導具から名刺サイズのカードが出てきた。
「こちらのカードは持ち主が討伐した魔物についても自動で記録してくれたりします」
嘘の報告とかが出来ないようになっている訳だな。
他にも冒険者ギルドで受けた依頼を記録したり、問題行動を起こしたりするとそれについても情報が記録されたりするらしい。
この2つに関しては自動ではなく冒険者ギルドの職員がせんようの魔導具を使って情報を記録するって感じらしい。
因みにカード内の情報を確認するにも専用の魔導具が必要らしく。何時でも自分で内容を確認できる訳では無いとも教えてもらった。
そして討伐した魔物の強さやギルドから受けたクエストの達成数等で冒険者ランクが上がっていくようだ。
「説明はこれで終了になります。何か質問は御座いますでしょうか?」
「俺は大丈夫かな。ソフィアは?」
「私も特に」
「それでは次に戦闘試験に移らせていただきます。地下1階に移動してそこにいる受付にこの札を渡してください」
そう言われたので木札を受け取ってから気になったことを質問してみる。
「こう言うのって登録する前に受けるものでは?」
「戦闘試験は今後、オススメするクエストの参考にするために行なうものなので」
戦闘が苦手なようだったら魔物の討伐系のクエストでは無く採取系のクエストを進めたりって感じか。
「成程。説明有難うございます」
「お二人の特に映司さんの戦闘試験は必要無いと思いますが、規則と言うことで一応お願いします」
別に受るデメリットが存在しないので、言われた通り地下に向かう。
この世界の人間の実力を見てみたいと思っていたから丁度いい機会でもある。
思ったより人がいるな。訓練している感じじゃないし。戦闘試験の見物人達か。
「貴方たちが噂の新人さんだね。早速、戦闘試験をと行きたいところだけど。誰が試験官をするかで揉めているからちょっと待って貰って良いかな?」
誰が試験官をするかで揉めている?どうしてそんな事で揉めてるんだ?そんなの誰でもいいじゃん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます