第223話

「ってことで、果物を貰いに来たよ。後、彼女はソフィア。俺の婚約者ね」


ソフィアが果物の味の方が気になると言ったので、ドロテアのお店に行く前にフィロに会いに行くことになった。後はトロピカルジェリーフィッシュも見つけたら倒す。


トロピカルジェリーフィッシュがドロップするトロピカルゼリーの元を使って作ったトロピカルゼリーは南国フルーツの甘みと酸味のバランスが丁度良いとても美味しいゼリーだった。


トロピカルゼリーの元はまだまだ残っているけど。手に入る機会があるなら積極的に狙っていきたい。


「お待ちしておりました新藤様。それと私は新藤様よりフィロと名付けて頂き眷族となったピュシスドラゴンと言う種類の竜です。よろしくお願いいたしますソフィア様」


「よろしくねフィロちゃん」


ソフィアの紹介をあっさり終わらせて、早速フィロが育てた果物を食べさせてもらう。


採集もフィロが生み出した蔦でしてくれるので、俺たちは座って待っているだけだ。

座っている椅子は蔦を何本も絡めて作られている。

思ったより座り心地がいいな。


「新藤様、ソフィア様お待たせいたしました」


フィロは3日間で収穫できるように育てた果物はそこそこの味って言っていたけど果たして……


フィロが収穫して持ってきてくれた南国フルーツを口の中に入れる。


「既にダンジョンで採集したものと変わらない美味しさだと思うんだけど」


フィロはそこそこと言っていたけど。

ダンジョンで採集したものと変わらない味なきがする俺はだけど。

つまり普通に美味しい。

このダンジョンで採集された果物は最高級品に1歩劣ると言った評価をソフィアがしている。


そこそこと言う評価でそれと変わらない味だとは……

収穫出来るようになるまで7日に調整して育ててる果物はどれだけ美味しいんだろう。


「新藤様に評価して頂けるのは大変喜ばしい事ではありますが。やはり私としては3日間では果物が持つ美味しさを100%引き出せていないので、そこそこの美味しさと言う評価になってしまうのです」


「成程。4日後が更に楽しみになったよ」


「有難う御座います」


満足するまで果物を食べて残りはマジックバッグにしまう。

時間停止機能まで付いている腕輪型のマジックバッグ便利だけど、リーリンさんに借りてるものだからな。そろそろ返さないと……


そう考えると中に収納されている核ミサイルも早く処理しないとな。


これの処理に関しては俺が処分したと嘘をついて秘密裏に所持していないと証明する為に

日本政府の人間が数人見届け人としている場所で処理するって事になっているから良し処分するかって1人で勝手に処理できないんだよな。


河村さんにどうなっているか話を聞いてみるか。


「そうそう、体を小さくすることができるスキルのスキルの書を手に入れたから コレを使ってそのスキルを覚えて」


そう言って〈デフォルメ〉のスキルの書を

絡まりあって人の手の形になっている蔦に渡す。


どうやって使用するのかな?って思ったらフィロがスキルの書を食べた。


フィロが一瞬ピカッと発光する。


どうやらスキルを覚える事が出来たようだ。

まさかそんな使い方するとは思ってなかったけど。

覚えられたならOK。


早速デフォルメを使ったようでフィロがどんどん小さくなっていく。


ただ小さくなるだけでなく首と頭のバランスが少し変わっている。

本来の姿の時より首が短くなって頭が大きくなっている。

皮膚は象みたいな感じからモフモフした布っぽい感じに目も人形に使われる様な目に変化していた。

想像以上にデフォルメ人形だな。


サイズ的には動物園内で販売されている。

これ買う人っているのかな?と毎回思う数万円するでかい動物ぬいぐるみぐらいのサイズだ。


このぐらいのサイズなら普通にダンジョンの外に連れて行けるな。


と言っても、後4日はここで果樹の面倒を見てもらう必要は有るけど。


「ホントにぬいぐるみっぽくなるのね。モフモフしていていい触り心地ね」


デフォルメを発動させたフィロはソフィアに

モフられていた。

フィロが目でどうにかしてくださいと俺に訴えている。


「好感度が上がりやすくなるって効果、想像以上に効果があるかもな」


可愛い人形が好きな人は一発で堕ちる気がする。

デフォルメを発動した状態でフィロを外に出すのは危ないかもしれない。


街を歩いていたら『お人形さんが動いてるー!!』って小さな女の子がフィロにタックルかまして抱きついてくる姿が想像出来る。


それでフィロが怪我をすることは無いだろうけど。人形好きに囲まれてまともに前に進めないとかなったら困るな。


デフォルメ人形姿が浸透すれば、落ち着くかな?

これに関しては実際に試して見ないとどうなるか分からないか……


「ソフィア。フィロを一旦離して上げて」


「はっ!可愛くてつい……ごめんねフィロちゃん」


ソフィアは無意識にフィロに抱きついていたようだ。可愛いも好き限定の魅了を垂れ流したりしてるのか?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んで頂き有難う御座います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る