第189話

「まぁ、映司なら直ぐに私の助けなんて要らなくなるぐらい強くなるだろう。私が神器を作れるようになるのに数百年かかったのに、ひと月かからずに作り出せる様になる天才だからな」


「どうでしょうね?このままの速度で強くなり続けられるなら、そうかも知れないですけど。そうはいかないでしょう。それにリーリンさんだって、更に強くなるでしょう?」


最低でも数千年生きてるんだから、とっくに成長限界に到達していても可笑しくないけど。


リーリンさんなら、まだまだ強くなっても不思議じゃない。


「そうだな。新人にあっさり負けるつもりは無い」


「おまたせ。素材持ってきたわよ。それとトランシーバー」


「それじゃ経験値ダンジョンの入口に移動しよう。って訳でリーリンさん行ってきます」


「やり過ぎないようにな」


別に先々で大暴れしている訳じゃ無いんだけどな。


と言ってもリーリンさんと何処かに行った時は毎回大暴れしている気がする。


大江山ダンジョンとかアッチから攻撃して来たとは言え、ダンジョン全体を溶岩湖に変えちゃったし。


そう考えるとやり過ぎるなよと言われても言い返せない。


「余っ程な事が怒らない限り大江山ダンジョンの時みたいにはならないですよ」


既に河村さんを待たせている筈なので、話を切り上げて理外を使ってワープホールを作り出す。


魔力回復ポーションの消費が激しい。

魔力回復ポーション専用のマジックバッグを用意して持ち歩く事にしよう。


リーリンさんに借りている物を除けば、物を何でも仕舞っていると直ぐに容量いっぱいになっちゃうからな。

何時も使っている腕輪型のマジックバッグも合計300kgまでしか収納する事が出来ない。

腕輪ひとつでそれだけ収納出来れば充分と思っていたんだけど。


何でもかんでも収納しっぱなしにしてると直ぐに容量いっぱいになってしまう。物によっては、ひとつだけで容量いっぱいになってしまう事も有るし。


なので、ダンジョンで手に入ったアイテムを出来るだけマジックバッグに収納して持って帰って来れるように、普段から収納している物は控えめにしてある。

それでもポーション類は1つ1つは大した重量じゃないので、数百本単位で持ち歩いている。


その数百本単位で持ち歩いていた魔力回復ポーションも、異常種のトレントが地上に出て来てしまった件や理外の制作、理外の使用。


湯水のごとく魔力回復ポーションを使ってしまったので、つきかけている。


液体を魔力回復ポーションに変化してくれる水さし……長いしマナケトルで良いや。

マナケトルも有るし、手持ちが完全にそこをつく心配は無いけど。


ポーション瓶に入ってる方が急いで飲む時楽だからな。


ストックはまだまだ自分の部屋に保管してあるから、河村さんにトランシーバーを渡してE国に行く前に忘れず補充しておこう。


今はワープホールを通過してさっさと用事を1つ済ませてしまおう。


「すいませんお待たせしました」


「それは気にしなくても良いんだけど。なんと言うか派手な転移の仕方だね」


確かにワープホールで転移するのって結構派手なのかも?


何も知らない人からしたら、突然ワープホールが出現したら何事かってビックリするだろう。


だからと言ってワープホールでの移動を辞めるつもりは無いけど、便利だし。


「世間話をするのも良いんですが。あんまり時間をかけるのもアレなので本題に入りましょう。これが例の相手がどこにいても繋がる連絡手段です」


河村さんにトランシーバーを渡す。

正直、陰陽師についてとか、ダンジョンで手に入る素材を加工出来る職人は育成出来ているかとか色々聞きたい事も有るけど。

時差を考えてE国の時間で夜になってから日本に帰ってきてるので、眠たくなって来たので話を早く切り上げて寝たい。


「確かに受け取ったよ。私もダンジョンの一般開放が近づいて来て、仕事が激増しているから、直ぐに戻らなきゃ行けないんだけど。このトランシーバーの性能の確認だけ付き合って貰えないかな?」


実際に性能を確認するのは当然か。


実際に数回使って性能の確認してから河村さんと別れて、家に帰る。

もう使わないのでワープホールを消しておく。


部屋に戻って魔力回復ポーションを補充してE国に戻ってきた。

彩夏と話していた母を家に送り帰して、ワープホールを消す。

魔力が尽きたからその前に魔力回復ポーションをがぶ飲みする必要があったけど。


「寝る前にお腹タプタプ……」


魔力回復ポーションを含め、各種ポーションはいくら飲んでも副作用とか無いけど。

飲み物である以上胃の容量以上に飲むことは出来ないと言う当然のデメリットもある。


こう言う一気に魔力量が回復するものじゃなくて、一定時間ジワジワと魔力が回復するポーションとか無いのかな。

そっちの方が飲むポーションの量を抑えられそうだし。


そう言うポーションを手に入れたいなら、魔女に相談するのが1番か。

お店には置いてなかったけど、素材が足りなくて作っていないだけで、素材を集めて来れば作ってくれる可能性もあるし。


取り敢えず、一度寝よう。



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読んでいただきありがとうございます。



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