第308話

「これが一般オークションの招待枠チケットだ。取り敢えず5枚用意出来た」


「有難うございます」


河村さんからチケットを受け取る。

それにしても5席分か。現状1席用意してもらえれば十分だったけど。

せっかく貰ったんだし、誰か誘って見るか。


「誰が使うのか確定したら早めに教えて欲しい。それと招待枠での参加者でも本人確認は必要だから当日身分証を忘れないように注意してよ?」


「不審者を入れる訳には行かないですからね。了解しました。ところで、これ以外にも話が有るんですよね?」


話がオークションの件だけなら、これでもう終わりなんだけど。

そうじゃない雰囲気があったし。他にも話が有るはずだ。


「そうだね。幾つか有るんだけど。いちばん重要な話として。旧C国に存在するダンジョンに関してなんだが。各国の軍が合同で魔物の間引きをして管理する事になりそうだ」


魔物がダンジョン内で増えすぎるとスタンピードが発生する以上、旧C国にあるダンジョンをそのまま放置する訳には行かないけど。


何処か1つの国が管理すると言うのも難しい。

絶対妨害してくる国が出てくるだろうし。


生き残った少数のC国人も全力で妨害してくるだろう。


取り敢えず、抜け駆け無しで皆で仲良くダンジョン管理しようねって事になった訳だ。


それでも問題は起きるだろうけど。

どんな方法をとったとしても大なり小なり問題は起きるだろうし。今はスタンピードが起きないようにダンジョンを管理する事が重要だ。


「ちなみに俺が旧C国のダンジョンに入る事は出来るんですか?」


「軍属では無いがSCSF所属では有るので問題ない。ただし、雷太君やフィロさんをダンジョンマスターにするのは禁止ってなると思う」


複数の国で管理するのに俺の眷族がダンジョンマスターになるのはまずいって訳か。

別にダンジョンマスターとして管理しているダンジョンが増えると何かが起きるって感じは今のところないし、むしろ好都合だ。

管理するダンジョンが増えるとそれだけ仕事が増えるから大変だとも2人から聞いているってのもあるし。


とは言え、旧C国に有るダンジョンに堂々と入れるようになるのはありがたい。ワイバーンを放出したダンジョンとかワイバーンより強い魔物がいるはずだし。

そう言った魔物のドロップ品を集めとかしたいなって思ってたから。


広いし、他にもダンジョンはいっぱいあるだろうし。ワイバーンが出てくるダンジョン以外にも面白いダンジョンがあるかも知れない。


初回攻略報酬狙いで爆速攻略ってのも楽しそうだな。


国内でそれをやると色々言われるだろうから控えているけど。

旧C国にあるダンジョンなら国内でやるよりは文句を言われないだろう。


「それなら気が向いた時に、俺も旧C国のダンジョンに入ることにします」


「ほぼ、そうなるって決定しているけど。本決まりではないから、本決まりしたらまた連絡するよ」


「有難うございます。俺が言わなくても大丈夫だと思いますけど。話し合いに時間をかけすぎるとスタンピードが起きちゃいますからそこら辺気をつけてくださいね?」


早いと1ヶ月ちょっとでスタンピードが起きるって地球に言われてるからな。

関わる国が増えると時間がかかってしまうのは仕方の無い事だけど。

そのせいでスタンピードが起きてしまったら意味が無いからな。

軽く警告しておく。


「旧C国に隣接しているアジア各国はそれが分かっているから、かなり急いでいるけど……」


当然そうじゃない国も存在すると……


この件について話し合われている会話は全て録音されているみたいだから。

もし、スタンピードが起きた時は、自国の利益のためにあーだこーだ言って話を長引かせている国は世界中からバッシングされる事になると思うんだけど分かっているのかな?



まぁ、取り敢えずこの話は本決まりするまでは俺が関わる事はないだろうな。


「確かに重要な話でしたね。それで他の話は?」


「今年中に一定以上の収入があるなら性別問わず16歳から結婚出来るようになる。それと一夫多妻制も導入される……予定だそうだ」



「えーっとどうしてそんな事に?」


「凄い酷い言い方をすれば、人口が大幅に減ってから人口を増やさないと、と慌てても遅いからだね」


ファンタジーアップデート後、人が死ぬ確率と言うのはかなり上がっている。


被害が少なめと言われている日本でだって結構被害は出ているし。人口が減りすぎて、このままじゃまずいってなってから人口を増やそうとしても間に合わないのは当然。

河村さんの言うことも分からなくもない。


「どうしてその話を俺に?」


問題は俺にこの話する必要ある?ってところだろう。


もしかして、一部の政治家が自分の関係者を俺と結婚させるために法律を整備している?


流石にソフィアを排除して自分の関係者を結婚させると言うのはダメだと思ってこういった方法を取ってきた?


河村さんは上からこの話をするように言われているんだろうけど。

一応釘を刺しておこうか。


「河村さん。先に言っておきますけど。俺はソフィア以外と結婚するつもりはないですからね?」


「一夫多妻制が導入されたからと言ってハーレムを作らないと行けない訳じゃ無いからね。それで良いと思うよ」


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読んでいただきありがとうございます。


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