第307話
「魔綿?トイウルフやトイザウルスがドロップする綿の上位品か。触り心地は当然として魔力との親和性も上がっていると」
トイサーベルを倒すと綿をドロップした。
ヌイグルミ系の魔物だからトイサーベルも綿をドロップするのか。それならトイマンモスも綿の1つぐらいドロップしても可笑しくない数倒しているんだけどなと思いながらトイサーベルのドロップした綿を手に取ると。トイウルフやトイザウルスがドロップした綿より触り心地がいい事に気づいて、鑑定モノクルで調べて見ると魔綿と言う綿の上位互換と言うことがわかった。
これは嬉しい誤算だな。恐らくだけど、トイマンモスもこの魔綿をドロップするんだろう。
今日はこれ以上、先に進むのをやめてトイサーベルとトイマンモスを殲滅する事にした。
「トイマンモスをあれだけ倒したのに魔綿が1つもドロップしなかった時点で気づくべきだったけど。ドロップ率シブ」
結局、魔綿は1つもドロップしなかった。
まぁ、ドロップしなかったものは仕方ない。
もう日付が変わっちゃってるし早く家に帰ろう。
札幌ダンジョンを後にして家に帰って登校時間ギリギリまで寝て疲れをとることにした。
ーーーー
「手加減してスポーツをするのもかなり慣れて来たな」
運動会が予定通り開催される事になってから、運動会の練習として放課後に競技の練習時間があったり。
HRの時間が体育に変わったり運動をする機会が増えているけど。
滅茶苦茶手加減しないと行けないから、ストレスの元だったんだけど、最近はそれにも慣れてきた。
どうせ運動するなら思いっきりやりたいってのが本心なのは変わらないけど。
俺が本気で運動したら勝負にならないし仕方ない。
ダンジョンで魔物を倒してレベルを上げて多少身体能力が上がっている人もいるけど。
俺からしたら変わらないレベルだしな。
まぁ、体育の授業も力加減の練習の一環だ。
そう考えれば悪くない気がしてくる。
……放課後はダンジョンの中を思いっきり飛び回ってストレス発散しよう。
ーー放課後、札幌ダンジョンーー
「それじゃ頑張ってね」
勝彦と青木さんを5階層に残して俺は1人先に進む。俺が渡したエンチャントリングのおかげで、青木さんの攻撃だけでも短時間で魔ネキンを倒せるようになったからね。
サティもいるし俺がいても突っ立てるだけだからな。
と言っても、6階層、7階層で魔綿集めをするだけだけど。
他の冒険者がいないのを確認してから隅から隅まで飛び回ってトイマンモスとトイサーベルを倒し尽くしたんだけど魔綿は2個しかドロップしなかった。
後、魔物の全体数が減っている気がする。
まぁ、俺が連日魔物を倒しまくっているせいで魔物の召喚が間に合ってないのかも。
ドロップ率がシブいのに魔物の数まで減っちゃったら、手に入れるのが更に大変になっちゃう。
どうしよっか?今度からは札幌ダンジョンに来るのは2日に1回とかにしておく?
「取り敢えず、ダンジョンがリソースとして吸収できる様に余剰魔力を理外に貯めるのを止めるか」
人間だけじゃなく魔力を体内で生成する生き物は自身の体内に保有しきれない魔力を余剰魔力として体外に放出している。
ダンジョンは、その余剰魔力を吸収して魔物を召喚する時にも使用するリソースとして使用する事ができる。
何だけど、俺は余剰魔力を理外に貯蓄しているので、ダンジョンは俺から余剰魔力を吸収してリソースとして使用する事が出来ない。
今の俺はダンジョンからしたら魔物を倒しまくる癖にリソースを一切寄越さない害悪でしかない。
飲食店で例えると無銭飲食しているようなものだ。……これはちょっと違うか?
大して強い魔物じゃ無いし。俺が倒しまくったところで、リソースが枯渇するって事は無いはずだけど。赤字にはなっているだろうし。召喚する数をセーブしてリソースの消費を抑えようとしている可能性もあるので。
俺からも余剰魔力を吸収できるようになれば魔物の召喚数が元に戻って魔物の数も元通りに戻るかもしれない。
試しに今日の残りの時間は余剰魔力を理外に貯蓄するんじゃなくて、垂れ流す事にする。
6階層と7階層の目につくトイサーベルとトイマンモスは全て倒してしまったので、5階層に戻って勝彦と青木さんの2人と合流する。
「カースドトイアックスドロップした?」
「今日は魔石しかドロップしてない」
今日は他のおもちゃ武器すらドロップしてないのか。
まぁ、今日は運が悪かったって事だろう。
「ダメだったものは仕方ないな。また明日頑張って魔ネキンを倒すしかないな」
今日はもう20時すぎているからな。
学校もあるしダンジョンから出て家に帰らないと。
ダンジョンから出て2人を家に送り自分も家に帰ってダラダラしていると、河村さんから一般オークションの招待枠専用のチケットが用意できたと連絡が来た。
明日受け取りに行こうかなって最初は考えていたけど。何やらオークションの件以外にも相談したそうな雰囲気を感じたので、夜遅くでは有るけど今からSCSF本部に向かうことにした。
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