第306話

「6階層はフィールドの雰囲気は同じだけど、出現する魔物が増えてる感じか。それにしても、ヌイグルミだと恐竜よりマンモスの方が強いんだね」


5階層はソフィアの事をお姫様抱っこして飛び回ってサクッと6階層に進む為の魔法陣を見つけて6階層に移動した。


6階層で新しく増えた魔物はヌイグルミのマンモス、トイマンモス。

BPは750~800の間だ。

しかも、トイマンモスは単体で現れた訳では無く5階層で現れる、原始人風の木製マネキンの魔物をお供として7人も連れている。


因みにあのマネキンの名前は魔ネキンって言うらしいよ。

魔ネキンは使われている素材によって強さが変わって。

木製の魔ネキンは魔ネキンの中で1番弱い種類なんだそうだ。


「〈ブリザード〉」


5階層に比べて更に難易度が上がったと言っても。まだまだ俺たちが苦戦するレベルには程遠い。

ソフィアの魔法一発で全滅してしまった。


「このレベルの魔物なら魔導書を装備する必要も無いわね」


「そりゃね。ソフィアだって種族進化してBP7000超えてるし。種族特性で氷魔法の威力も上がっているんだし。BPが3桁しかない魔物じゃ一撃でしょう。氷属性に完全耐性を持っている見たいな魔物でもない限り」


そう考えるとソフィアも人間基準で考えるとかなり強くなったよな。


「それにしてもトイマンモスは何を魔石以外に何をドロップするんだろうな?やっぱりトイウルフやトイザウルスと同じ綿かな?」


ドロップ品は今まで現れたヌイグルミ系の魔物と同じ綿だけど、ドロップ率が更に上がっていると言うのが一番確率高いかも知れないけど……

それじゃ普通すぎてつまらないよなぁー何か別の物をドロップしてくれると嬉しい。


まぁ、倒してれば何かしらドロップするだろう。


遭遇した魔物はソフィアが一撃で倒してしまうので、俺は歩いて付いて行くだけだ。


「あっ。もしかしてこれって……」


ドロップを拾っていると石を木の棒に差し込んで蔦で固定して作られている手斧が落ちていた。


もしかしなくても、カースドトイアックスだよね〜

トイマンモスと戦闘すると必ず取り巻きとしている魔ネキンとも戦闘になるからな。

かなりの数いるし。その中には当然、手斧を装備した魔ネキンもいた。


なのでドロップする事自体おかしい事じゃないけど……

物欲センサーがビンビンに働いた結果か……


ドロップしたからってタダで渡す訳には行かないしな。

さて、どうしようか?


取り敢えず。自分たちで1個目がドロップするまで頑張って貰おう。

自分たちの手で手に入れる事が出来たら頑張ったで賞とでも言って、これを渡そう。


投擲用な訳だし、2つあっても邪魔になるって事は無いだろう。


「そんな事より、トイマンモスの魔石以外のドロップが気になっているんだけどな〜」


やっぱり物欲センサーが仕事しているせいだよね?

と言うか俺って毎回こんな感じな気がする。


特に魔物のドロップ品に関しては。


「とにかく。ドロップするまでトイマンモスを倒せば確率は100%だ」


「何言ってるの……既に7階層に進む魔法陣も見つけてるんだし、先に進むんじゃ無いの?」


6階層でトイマンモスを狩り尽くそうと思って行動に移そうとしたらソフィアに待てをされてしまう。


「確かに先に進むか。意地になってもいい事無いと思うし」


明日以降もチャンスはある訳だからね。


そう自分に言い聞かせて魔法陣を使って7階層に進んだ。


「これは一面雪景色って事で良いのかな?」


積み木で作られた町と言うのは変わらないけど、地面に綿が敷き詰められている。

多分積もった雪を再現しているんだろう。

建物の屋根の上にも綿が乗っているし。


この綿もしかして取り放題?と思って引きちぎってみたら、手に持っている方の綿は直ぐに消えてしまった。

綿の取り放題と言う訳には行かないらしい。


「でも、この綿が雪を再現しているなら……」


トイマンモスも引き続き登場するだろう。


地面に綿が敷き詰められているので少し歩きづらい。


雪だったら火で溶かしちゃえば一瞬なんだけどな〜


綿を燃やして消そうとしたら火が燃え広がって大変な事になるだろうから出来ない。

と言うか積み木まで燃えちゃいそうだし。


他に人はいないし。それ、やっちゃっても問題なくね?とも思うけど。

ダンジョンにも意思があるって知っている身としては、あんまりそんな事すると。

ダンジョンの難易度がバク上がりしたり、人間絶対殺すマンになりそうだから。

出来るだけフィールドを思いっきり壊すのはやめて起きたい。


地面スレスレを飛んで移動するだけで問題解決では有るけど。

ソフィアは飛べないし。大人しく歩いて進むことにする。



コケないように気をつけながら歩いているとサーベルタイガーのヌイグルミ、トイサーベルが襲いかかってくる。

ちゃんとトイマンモスも出てくるよね?

若干不安になりながらトイサーベルを倒し先に進む。



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読んでいただきありがとうございます。

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