第309話

「それで、話はこれで全部ですか?」


「いや、最後に1つ。映司君に保管してもらっている核兵器の処分について。破棄する様子を見届ける人員が日本の役人だけじゃなくて希望した外国の役人も参加する事になったから、VIPオークションが開催された翌日に実行される事になった」


成程ね。ようやく日程が決まったか。

これでようやく邪魔な核兵器とオサラバできる。


「了解しました。俺は邪魔な核兵器を処分出来ればなんだっていいので、後のことはお任せします」


核兵器が無くなったら無くなったで、リーリンさんに借りている腕輪型のマジックバッグを返さなきゃ行けないから、今まで通り何でもかんでもマジックバッグに収納するって事が出来なくなるけど。

借りてる物なんだから、しっかり返さないとな。


収納出来る重量が少なくなったり、時間停止機能が付いていないものなら複数持っているし、返したからってマジックバッグが使えなくなる訳でも無い。


そんなことより、話を聞くだけだったのに思ったより時間がたっているな。

もう一時間もすれば日付が変わってしまう。

河村さんからの俺に伝えておかないと行けない話ってのは全部聞いたので、SCSF本部を後にした。


と言うか、そんな時間まで仕事をしている河村さんも中々可哀想だ。

家に帰れてるのだろうか?

こんな時間まで仕事をしないと行けない理由の何割かは俺が原因だと思うので、大丈夫ですか?って聞にくい。

今はファンタジーアップデート直後で色々仕事が増えているけど。

少しづつ落ち着いて来るはずだ。

それまで河村さんには何とか頑張って貰いたい。


「ってな訳で。河村さんから色んな話を聞いてきたよ」


「それじゃ、そう遠くないうちに映司と結婚できるようになる?」


「法律上はそうでしょうけど。映司様とソフィア様の結婚となると、式や披露宴だけでなく、E国でパレードをする事になるので、それらの準備期間を考えると早くても1年~1年半後になるかと」


「それもそうね。それに、16歳で結婚って映司も実感わかないだろうし。焦る必要ないか。私と映司の寿命からしたら数年程度誤差だし」


「ソフィアでも800年ぐらい生きるって話だしね。俺に関しては現時点で数千年は確実らしいけど」


エルフもドラゴニアンも長命種なので、そこまで焦らなくてもって感じはあるよね。


「後は一夫多妻制ですか……」


「結婚できる年齢の引き下げと一夫多妻制の導入しようと割と多くの国が動き出しているし。結局は当人同士の問題なんじゃない?」


妻同士の相性が余っ程良くなきゃ絶対上手くいかないと思うけどね俺は。

俺がそう思っているだけで、そんなことは無いのかも知れないけど。


「俺はソフィア以外と結婚するつもりは無いし。一夫多妻制についてはどうでも良いかな」


「そう言ってくれるのは嬉しいけど。絶対私の娘をとか言ってくる奴らが大量に湧いて来るわよ?」


「しつこいようだったら武力行使も辞さない構えで黙らせる」


そもそも、ソフィアとの時間を減らしてまで他の女性と結婚したいと微塵も思わないし。


「俺とソフィアの関係上この話になるのは仕方ないけど。ここで終わりにしておこう」


「と言っても。他の話は私たち関係ない話だし」


「旧C国にあるダンジョンも各国の軍が管理すると言うことなら、私たちは入れませんからね」


確かに、ソフィアとクラリスさんは軍関係者じゃないしな。


他の話もわざわざ、話を広げるほど関わりのある話じゃなかったもんな。


「それじゃソフィアの方で共有しといた方がいいなって出来事とかは?」


「1週間後に例の道の駅でフィロの育てた野菜と果物を販売する事ぐらいかしら。後は、現在開発中のゲームのイメージキャラクターになってくれないか?見たいな話も来てたわね」


「ゲームのイメージキャラクター?」


道の駅で実際に販売を開始するって話の方が重要だと思うけど。

どうしてもそっちの方が気になってしまった。


「私はエルフだし。映司は龍でしょ?ファンタジー世界を題材にしたゲームだから。私たちがピッタリなんじゃないかと思ってオファーしたみたいよ?」


「ゲームは好きだし。やっても良いかなってちょっと思うけど。どんなジャンルのゲームなの?」


「ハンターが巨大なモンスターを倒すゲーム」


「俺、倒される側じゃん……」


ストーリーがあるタイプのなのか、戦闘部分がメインでストーリーがほぼないタイプなのか知らないけど。


どちらにせよ狩られる側だよね俺。


「まぁ、別にゲームの話だし。別に構わないけどさ。そもそも、俺がそのゲームに敵役として出るわけじゃないし。時間が有ればイメージキャラクターやってもいいかもね」


テストプレイとかも出来るだろうし。

ゲームをして逆にお金を貰えるって嬉しいからね。


「映司がやる気なら先方にそう返事をしておくわ。コラボ商品とかも考えられるし。いい感じに稼げるわね」


そこまで稼ごうとしなくても、十分稼げると思うんだけど。やるからには全力でって感じのようだ。

まぁ、お金は大事だし稼ぐことには俺も賛成だけど。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る