第310話

「そう言えば、勝彦たちは何処かの部活に所属するつもりは無いの?」


今日も今日とて札幌ダンジョンで魔ネキン狩りをする勝彦と青木さん。

俺もトイマンモスとトイサーベルを狩って魔綿集めをしていたけど。


今日は運が良くて、早い段階で3つも魔綿がドロップしたので早めに2人と合流して、2人が魔ネキンを倒すところを見学している。


一般オークションの招待枠チケットを貰ったから、人形使いと呼ばれる魔女と接触する為にドロテアのお店に行こうと思っているから、早めに切り上げる為でも有るけど。


「高校に入学して、直ぐのタイミングでファンタジーアップデートが起きたからな。

部活とか考える暇がなかったし。部活動するよりこうやってダンジョンに入っている方がお金になるし。このまま帰宅部かな」


「私は元々、アルバイトするつもりだったから、ファンタジーアップデートが起きなくても帰宅部だったかな」


青木さんも投げナイフ投げながら会話に参加することが出来るぐらい余裕が出てきたようだ。


俺が作ったエンチャントリングのおかげってのが大きいだろうけど。

かなりの数の魔ネキンを倒しているし、レベルが上がって強くなってるってのもあるだろうな。


まぁ、確かに部活動の体験入部期間とかガッツリ休校していた期間だったからな。

それにダンジョンに入る時間を減らしてまで入りたいって部活もなさそうだったしな。


「あ〜でも。ダンジョン探索部ってのを作ろうと校長に直談判している生徒がいるって話を聞いたぞ」


「それ、部活動にする必要ある?放課後に知り合いと行けばいいじゃん」


「映司が言ったように反論されて却下されたみたいだぞ」


そりゃそうだ。部活動にするメリットと言えば。上級生が戦い方とかレクチャーしてくれるとか?

武器などの1部アイテムを借りることができるとか?


……やっぱり高校の部活動である必要はないだろう。

部活動でお金を稼ぐって色々ややこしいことになりそうだし。


そう言った事をしたいなら大学のサークルとかでやれば良いんじゃないかな。


「それにしても、ドロップしないね〜そろそろ1つぐらいドロップしてくれてもいいと思うんだけど」


既に100体近くの魔ネキンを倒しているはずだけど。

やはりカースドトイアックスはドロップしない。

棍棒とか青銅剣っぽい見た目のおもちゃ(武器)はドロップしているけど。

狙いの武器はドロップしない。


「魔ネキンは仲間を呼んでくれるから、数を倒せるし。邪魔が入らないから交差点ダンジョンでガーゴイル狩りをするより稼げると思えば、ドロップしなくても頑張れるけど。俺も、そろそろドロップしてくれてもいいんじゃないかなって思う」


ガーゴイルは極小サイズの宝石をドロップするってことで人気があるからな。

BP的にはギリギリ1000行かない程度と言う普通の冒険者からしたらそこそこ強い魔物だけど。

宝石をドロップするということで無理に戦いを挑む冒険者が後を絶たない。


中には大人数で何とかガーゴイルを倒す事に成功する事も有るみたいだけど。

大人数で等分したり治療費だったりってのを考えたら完全に赤字だろう。


ガーゴイル自体あんまり沢山出現する訳じゃないし。

そう言った冒険者が沢山いるので、ガーゴイルを簡単に倒せる力があったとしても、ガーゴイル倒して宝石で荒稼ぎと言うのは難しい。


それに比べて魔ネキン狩りなら邪魔者は来ないし、仲間を呼ぶでどんどん向こうから来てくれるので移動せずに大量に魔ネキンを倒す事ができる。


魔石だけでもそこそこの値段で買い取ってくれるし、ドロップしたおもちゃ(武器)もいい値段で売れる。


結果。ガーゴイル狩りよりお金を稼げると言う訳だ。


「確かにね。宝石の価格が大暴落しないように、ガーゴイルの最大出現数を少なくしたとも言っていたし尚更だろうね」


宝石のドロップ率はそこまで高くないし色んな種類の宝石がドロップする訳だから宝石の価格が今すぐ下がるという訳ではないと思うけど。

こういった事は起きてから対策しても遅いからな。


交差点ダンジョンにある城の2階部分にスポーンするガーゴイルの数を減らしてレッサーデーモンのスポーン数を増やしたと雷太が言っていた。


「あ〜やっぱり?ガーゴイルの数が減ったかなって思ってたんだよね」


「希少だから価値がある訳だからね。あぁそれと今日はちょっと用事があるからそろそろ引き上げる感じで良いかな」


今日はドロテアのお店に言って、人形使いと呼ばれる魔女と会うことはできないか相談しに行く予定だからな。

時差があるからそこまで焦る必要はないけど。

ある程度時間に余裕を持っておきたい。


「こうやって連れて来てもらっているだけ超高待遇なんだし。ここで駄々こねたりする訳ないだろう」


「そうだよ。ほぼ好意で連れて来て貰っているわけだからね」


2人もオッケーしてくれたので近くにいる残りの魔ネキンの掃討を手伝って札幌ダンジョンを後にした。


1度家に帰り夕ご飯を食べてからE国にあるドロテアのお店に転移した。



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読んでいただきありがとうございます。

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