第268話
「さてと授業も全部終わった事だし那覇支部に顔を出しに行きますか」
授業も全部終わり放課後になったので、転移を使って沖縄に移動する。
「すみませんアポとか取ってないんですけど。支部長に会いたいんですけど。会えますかね?」
「し、新藤殿。少々お待ちください今すぐ確認をさせていただきます」
どこから情報が漏れるか分かったもんじゃ無いからな。
事前の連絡無しで突然来たから少し待たされることになるかな。
普通は少し待ったところで会えないんだけど。
俺は普通じゃ無くなっちゃったし。
「新藤殿。支部長がお会いになると。どうぞこちらへ」
息を切らしながら走って来た隊員に案内されて支部長室に入室する。
「突然の訪問申し訳ありませんでした。時間をかけると面倒になる要件でしたので、色々すっ飛ばして来ちゃいました」
「新藤殿がそこまで言うとは……余っ程重要な要件と言うことかね?」
「そうですね。少なくとも那覇支部からしたらとても大切な要件になります。初めに言っておきますと悪いことでは無いですよ?単刀直入に言うと〈両生類使い〉のスキルの書を買取ませんか?って話をしに来たんです」
支部長がガタッと音を立てて勢い良く椅子から立ち上がった。
「テイム系のスキルの書。しかも水中でも活躍出来る魔物をテイムできる物っ!!」
「まぁ、落ち着いて下さい」
支部長を落ち着かせて椅子に座らせる。
「済まない新藤殿。水中で活躍出来る魔物をテイムできるスキルが記されたスキルの書と聞いて取り乱してしまった」
まぁ、那覇支部からしたら今現在最も欲しい物の1つだろうからな。
「本来なら迷宮省かSCSF本部にこの話を持っていくのが正解なんでしょうが。それだと本当に必要としている那覇支部の手に渡ることがない可能性が出てくると思って直接持って来ちゃいました」
「それは……大丈夫なのか?」
「河村さん経由で根回しはしてあ━━━━」
ズズズと縦揺れが起こったと思ったらその縦揺れがどんどん大きくなる。
地震かと思ったけど少し違う気がする。
なんと言うかダンジョンが発生した時の揺れがこんな感じだったような。
「中々大きい揺れでしたね」
「それに時間も長かった。被害が出ていないか心配だ。新藤殿申し訳ないのだが、地震の被害が出ていないか調査する為に指示を出さないといけない。スキルの書の話に関しては少し待っていただけないだろうか」
SCSFは災害時の避難誘導や救助活動も仕事だからな仕方ないだろう。
「勿論です。っと少し待って下さい。河村さんから電話が……はいもしもし新藤です」
本来ならこのタイミングで電話に出るのは失礼だけど。
相手がSCSFの本部長だからな。
SCSFが警察の特殊部隊だった時は大隊長だったけど。
迷宮省の直轄組織なった時に本部長に昇進した。
と言っても警察の特殊部隊だった時でもSCSFの中では一番偉い立ち位置だったし、変わったのは役職名だけって感じだけど。
「あぁ、繋がって良かった。時間が無いから単刀直入に言うけど、さっきの地震で新たなダンジョンが出現した。現在、新しく出現したダンジョンには発見次第入口を封鎖、SCSF隊員による偵察をする為に動いている。場合によっては映司君にも偵察のお願いをする可能性もあるから。連絡が届く場所にいて欲しい」
ダンジョンが発生したか……あの時と似てるとは思ったけど。まさか本当にダンジョンが増えるとは……
もしかしてとは思っていたけど。またダンジョンが増えたのか。
まだまだ増えるのかな。
今回で何個のダンジョンが増えたのか知らないけど。このまま増え続けるならこの世はダンジョンだらけになっちゃうぞ?
流石にそこまで増えることはないよね?
「分かりました。取り敢えず、待機しときます。後はトランシーバーをマジックバッグから出しておくので、なにかあったらトランシーバーの方に連絡お願いします」
ダンジョンの中にいても連絡が出来るトランシーバーだけど地味に大きいのでダンジョンの中にいる時以外はマジックバッグに仕舞っている。
ダンジョンの中にいないなら普通に電話通じるからね。
「分かった。申し訳ないけど。全体の指揮を取らないといけないから、電話を切るね」
冒険者の中にもダンジョン一番乗り!見たいなテンションで中に入ろうとするやつがいるかも知れないし。
時間との勝負だろうからな。河村さんが忙しいのは当然だろう。
「と言う訳で支部長。さっきの地震はただの地震じゃなかった見たいです。沖縄にも新たなダンジョンが出現している可能性があります」
「そう見たいだな。どちらにせよ一刻も早く動き始めなければ」
「失礼します!うるま市で新たなダンジョンの入口が出現したと警察から連絡が入りました!」
沖縄もダンジョンが出現したか。
待機しとくって河村さんに言っちゃったけど。
ダンジョンの偵察を手伝うか。
トランシーバーが有るから連絡取れるし、大丈夫だろう。
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