第269話

「うるまダンジョンの調査俺も手伝いますよ」


新しいダンジョンはどんな感じなのか俺も気になる。


「新藤殿が調査隊としてダンジョンに入ってくれるのは、とても心強いが……」


いまさっきなにか会った時のために待機しとくって言ったばっかりだからね。


「ちゃんとダンジョンに入ることを説明してからダンジョンに入るんで大丈夫ですよ」


トランシーバーで連絡しようとしたらトランシーバーに連絡が入る。

相互通信しかできないので、河村さんから連絡がかかって来たと言うことだ。

那覇支部のSCSF隊員にも何処かから連絡が来てる?

取り敢えず河村さんの要件を聞くのが先だな。


「もしもし新藤です」


「映司君。緊急事態!新たに発生したダンジョンの入口から魔物が出てきてる」


「異常種ですか?」


「異常種では無いはずだけど。現状SCSFが発見している今回新たに発生したダンジョンの入口全てから魔物が出てきている」


「スタンピードが発生したと?でも、雷太の話では、まだ発生まで時間がかかるって。

……現実問題起きてしまったんだから。そんな事言っている暇ありませんね。取り敢えず。雷太とフィロを派遣するので上手く使ってください。俺は沖縄に発生したダンジョンをどうにかするんで」


まだ、時間は有ると思っていたんだけどな。

と言っても全てのダンジョンでスタンピードが発生している訳では無い。


もしかして、本当にスタンピードは起きますよって言うデモンストレーションだったりする?


もし、そうだとしたら、だいぶハードモードなチュートリアルだな。


「そうか沖縄にも……雷太くんが直ぐに来てくれるだけでかなり助かる」


「後は土御門総理を頼ってください。あの人は俺がかなり頑張って作った竜牙兵を式神として使役しています。飛行能力も持っているのでかなりの戦力になるかと」


これで俺が居なくても何とかなるだろう。


トランシーバーで連絡しながらスマホでエリックさんに電話をかける。

出れないだろうと思っていたけどワンコールで繋がった。


「正直繋がらないと思っていたんですけど。エリックさんE国でもスタンピード起きてます?」


「このタイミングでかかって来たから、もしかしたらと思ったけど。日本でもか。E国も絶賛スタンピード発生中だ」


そうなると全世界で同時に起こっていると考えた方が良さそうだ。



「それで、E国は戦力足りてますか?なんだったらソフィアを派遣しますけど。竜牙兵のレンタルもアリです」


「私個人としては、今すぐ力を貸して貰ってもいいんじゃないかって思うんだけど。国としてのメンツがと言い出す連中もいるからね。現状は問題ないとしか言えない。まぁ、E国にも頼もしい戦力がいるから心配しないでくれ」


ソフィアなら他国の力を借りた感が薄れるかなって思ったけど。そう言う訳には行かないか。

マーリンを筆頭に悪魔の協力者がいるし、E国王室が使えるレガリアがあるって話だし。

確かに心配は要らないかも知れない。


「分かりました。万が一ヤバそうだったら連絡ください。直ぐにそっちに向かうので」


「あぁ、そうさせて貰う」


「という訳で河村さん、スタンピード世界規模で起こっている見たいです」


「そのようだね。そうするとダンジョンから出てきた魔物が飛行能力を持っていた場合国外から飛んでくる可能性もあるということだね」


「えぇ面倒臭い事に。取り敢えず、この話はまた後でしましょう」


トランシーバーを切ってスマホでソフィアに電話をかける。


「スタンピードを鎮圧する為に雷太とフィロを現場に向かわせる事になった。とりあえずSCSF本部に向かわせて。あとの人は自宅待機で。後エリックさんに電話かけたらこっちの戦力で何とかなるから心配するなだって」


「色々とすっ飛ばしすぎよ。まぁ、分かったわ」


「流石ソフィア。それじゃ俺は沖縄で発生しているスタンピードをどうにかする為に動くから後は宜しく」


これ以上時間をかけて被害を広げる訳には行かないからな。


「支部長俺が一度うるまダンジョンまで飛んで行けば、此処とダンジョンを繋ぐワープゲートを作れるので案内役としてそこの隊員借りますね。なんでその間にうるまダンジョンに派遣する隊員を集めといてください」


うるま市にダンジョンが発生したと報告に来ていた隊員を連れて建物から出る。


龍の姿になって隊員を手に乗せて上空に飛び上がる。


「それでうるま市はどっちの方向?」


「こっこっちの方角です」


隊員が指を指した方角に向かって全力で移動する。


「あそこか……取り敢えず見える範囲の魔物は殲滅しよう」


胴体がバスケットボールぐらいあるシオマネキを熱線で殲滅していく。


魔物としては小さいけど、数が多い。


それに胴体と同じぐらいのサイズの鋏を使った攻撃はそれなりに威力がある様だ。

足を切断されたり近くの建物がハンマーで殴られたような破壊のされ方をしている。


「ポーションを使っている暇はないな。

これを説明無しにやると逆にパニックになりそうだけど。死ぬよかマシか」


傷を再生させる効果のある再生の炎を使った火球を空に打上げる。

上空で火球が破裂して再生の炎の雨が地上に降り注いだ。


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読んでいただき有難うございます。

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