第110話
昨日はほんと色々あった一日だったなと思いながら目を覚ます。
昨日は会いに行ったダンジョンマスターが須佐之男命だったり草薙剣のパワーアップアイテムを託されたり正直、スキルが使えるように世界が変わってから一番内容の濃い一日だったかもしれない。
稲荷狐の楓さんにも会えたし。地味に時が来たら宇迦之御魂神様と荼枳尼天様にもあってもらう的なことを言われたから須佐之男命以外の神様に会うことが決定してるし。
今後も神様に会うことになるのかなと思っている。
雷太がダンジョンは神様が人間のために作り出した特別な魔物とか言ってたし、次に会えたら詳しく聞いてみたいけど。
時が来たらってのがその質問に答えることができるようになったらと言う意味だったらとうぶん会えない気がする。
今日もE国からダンジョンマスターが来る。
きっと昨日と変わらないぐらい色々と濃い一日になるだろう。
河村さんが迎えに来るまでゆっくり出かける準備をする。
「それにしてもハードクリーナー増えすぎじゃない?」
数日前に立ち上げた水槽に入れたダンジョンの宝箱から手に入れた。水槽の中を綺麗にしてくれるホウネンエビそっくりのハードクリーナーと言う生き物が既に大量繁殖している。
水草たちも光合成をして元気に成長していてなかなか順調だと思うんだけど。
このままだとハードクリーナーだらけになってしまう。
数の調整のためにカラシンじゃなくて肉食のシクリッド系を水槽に入れるか。
水草も成長してるのはいいけど、そのまま放置してるとただボウボウに水草が生えてる水槽になっちゃうからトリミングしないと。
そんな感じで出かける支度というより
水槽をいじっていると河村さんの運転する車が家の前に到着してしまった。
いつもの黒塗りバンでは無くなんか高級そうな車だ。
「おはようございます。河村さんすごい疲れた顔をしていますが大丈夫ですか?」
いかにも徹夜ですって顔をしている。
「昨日の映司くんの報告の後あちこちで大騒ぎで大忙しだったんだよ」
あの後、自衛隊が上層部からの命令で1個大隊が大江山ダンジョンに突入したらしい。
五百人規模で同時に突入して生きて帰ってきたのは一桁だって。
まじで自衛隊の上層部が無能すぎる。
早くどうにかしないと隊員がいなくなっちゃうんじゃない?
「自衛隊がというより防衛省の一部政治家が無能なんだよね。そのくせ責任逃れをすることだけは上手いっていう最悪の人物だね」
いちばん嫌なタイプだ。
「でもさすがに今回は逃げ切るのは無理でしょう?」
「議員辞職までは確実だろうけど。それ以上はどうなるか微妙なところだね」
マジかよ。
四百人以上を馬鹿な命令で殺したのに確定してるのは議員辞職だけ?
久しぶりにやっぱ政治家って糞だなっておもった。
とにかく、その無能な元政治家に絡まれないように気をつけるか。
ただ俺がいなければ的な訳の分からない逆恨みされてる可能性もあるんだよな。
暗殺者を雇ったりされると対処するのに労力を割かなきゃいけなくなる。
そうなると超面倒臭い。
そうなる前に逮捕されてくれるといいんだけど。
スキルという便利な武器を人間が手に入れてしまったから。
その政治家に恨みを持った人に殺されるっていう可能性もあるし。
そうなることに期待しておくか。
本来そんなこと期待しちゃダメなんだけど…
とりあえず、疲れた表情のまま運転されるのは精神衛生上良くないので回復ポーションを飲ませて体力を回復させる。
突然対向車から銃を乱射される以外特に何事もなく空港に到着した。
「ここまでは大した妨害もなしに到着出来ましたね」
今の世の中じゃ銃撃される程度なら大したことないと言って問題ないだろう。
ソフィアの魔力障壁のいい練習になったし。
とは言えそれもここまでだろう。
今回の件、事前に事前に報道とかされないはずなのに報道陣やらカタギじゃないオーラを発している人が多すぎる。
ここからが本番ということだろう
河村さんからの事前情報で犯罪者からスキルを没収するためにリーリンさんから買い取っている〈空白の書〉が盗難にあったってことがわかってるからね。
報道陣はただ情報のリークを元に撮影しに来ただけだろうけど。
絶対カタギじゃない連中はE国のダンジョンマスターを誘拐してダンジョンマスターになるのに必要なスキル〈ダンジョン〉を奪うつもりだろう。
全くどこから情報が漏れてるんだか。
例の無能政治家だったりするのかな。
だとしたらマジでろくな事しないな。
「今から三十分後に着陸予定なんだけどこれだと着陸するのも危ないか」
着陸中を攻撃されて墜落ってのもありそうだしね。
「と言っても今回はその心配もないんじゃないですか?」
今回襲撃を狙っている組織はダンジョンマスターを活かして捕まえたいわけだし、頃いちゃいそうな飛行機に直接攻撃という手段は取らない気がする。
なので襲撃があるとしたら、飛行機からダンジョンマスターが降りてきた瞬間だろう。
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