第184話
「映司君が日本政府に配慮してくれてるのは分かるけど。流石に、今ここで良いよって言えるような権限を持ってないからね。今すぐにソフィアさんと一緒にE国に帰ると言うのは難しいよ?まぁ、映司を止める手段なんて持ち合わせてないんだけどね」
まぁ、態々こんな事しなくても勝手にソフィアとE国に行っちゃうことだって出来るし。
邪魔されたところで、どうにかなるとは思ってない。
それをした場合日本政府との関係は最悪なものになるだろう。
だとしても普通に生活していくことは可能だし。
関係が悪くなって困るのは日本政府の方だからな。
だからと言って、やりたい放題したら、やった事が後々帰って来て、因果応報だって言われそうだし。
出来るだけ仲良くしたい。
自分たちには逆らえないと勘違いして、調子に乗りだしたら痛い目どころか地獄を見てもらうことになるけど。
「流石に、今すぐに許可を出して欲しいとは言いませんよ?今日中に結論は出して欲しいですけど」
まだ1セットしか手に入ってないアイテムだからな、何処にいても相互通信できるトランシーバー。
「今日中か……難しいけど、頑張ってみるよ。ダンジョンにいても繋がる連絡手段と言うのは魅力的だし、映司くんが日本に帰って来れるのが早まるって話だからね」
今日中に結論が出なかったらダンジョンにいても繋がる連絡手段は渡さないよって意図も伝わっている見たいだし、何とか今日中に結論は出して貰えるかな?
かなり無茶を言ってるけど。
日本の為に色々手伝ってるし、お互い様ってことで頑張って欲しい。
自衛隊とSCSFに渡した闘技場で手に入った武器だって寄付だからお金とってないし。
河村さんには一秒でも早く動いて貰う為に、頑張ってくださいねと言って電話を切った。
「さてと、時間ができた事だし、お互いここ数日どんな事してたか話さない?」
帰ってくる前は朝食を一緒に食べて少し話をしたらすぐにE国に戻るつもりだったけど。
やっぱり、直ぐに戻る気にならない。
「彩夏は?あっちにおいて来てるんでしょ?」
確かにワープホールを使われないようにあっち側で待って貰ってるから、1人で放置する事になっちゃうんだよな。
「雷太をあっちに行かせれば、彩夏ひとりじゃ無くなるし大丈夫でしょ」
俺が家に帰ってきても挨拶に来ないから家の中にはいないみたいだけど。
多分、桃源郷で酒を飲んでるんだろう。
桃源郷まで、歩いていく必要は有るけど、大した距離じゃないしすぐに済む。
「あれ、リーリンさん家に来てたんですね」
リビングに戻ると椅子に座ってお茶を飲みながらテレビを見ているリーリンさんがいた。
「桃源郷にいても暇だしな。雷太もせっかく私が相手をしてやっているのに直ぐにダウンしてしまうからな、こうやってテレビを見て時間を潰しているんだ。あぁ、後。映司の母君はその穴を通ってE国に言ったぞ」
ワープホールを見てみると確かに彩夏と母2人がテーブルでお茶をしながら話をしている。
いくら息子が通って来たものだったとしても、ワープホールを躊躇無く使うとは……
ちょっと不安に思ったりするだろう普通。
リーリンさんがここにいるならワープホールの事を心配する必要はないか。
それにしても、リーリンさんの相手って酒の相手なのか、運動という名のタイマンどっちなんだろうな。
どっちもありそうなんだよな。
むしろどっちかじゃなくて両方付き合わされてるってのが正解か。
タイマンの方に関しては雷太の実力が上がるし、いくらでも扱いて欲しいんだけど。
酒に関しては、肝心な時に酔っ払って使い物にならないって事になりかねないし、程々にして欲しいけど。
「まぁ、あっちに母さんがいるなら雷太を向こうに送る必要はないか。って訳で、このままここ数日の報告会を始めようか」
魔女についてとかリーリンさんに詳しく教えて貰いたいし。
魔法を使うことができる女性のことを魔女と呼んでるのか。
魔女と言う種族がいるのか。そこら辺、普通にスルーして話を進めちゃったけど。
今更気になってきた。
サラッと300歳越えって言ってたから種族からして人間とは少し違うんだろうけど。
実は普通の人間で、寿命を伸ばせるような魔法が存在するって可能性も有るけど。
もしそうだったとしたら、その魔法を巡って争いが起きるだろうから、前者であって欲しい。
「映司の行動はニュースになってるし、まずは私から何をしていたのか話すわね。一番大きな出来事としては、私、ウィー、雷太の1人と2匹でアンデッドダンジョンを攻略して、雷太がダンジョンマスターになったことかしら」
時間がある時にやらなきゃ行けないなって思ってたけど、攻略してくれのか。
俺がいない間にソフィアがダンジョンに行く事が全く心配ないって訳じゃ無いけど。
ソフィアだって強いし、雷太にウィーがいるなら、アンデッドダンジョンぐらい臭いがキツイぐらいで、余裕だったろう。
それにソフィアならちゃんと自分の実力を把握して、無謀なことはしないって信用してるからな。
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